ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました
ー大江戸学園:武家屋敷ー
「そうだ。いいぞ。力が足りなきゃ頭を使うんだ。」
金さんは掴んでいる手首を締め付ける。
そして悲鳴と共に手から落ちた刀をとると、新たに振り下ろされた刀を受ける。
金さんは片腕でつばぜり合を続けながら、手首を放してすぐに天狗面の鼻を掴む。そして金さんは鼻をグリップにしてもうひとりへと叩きつけた。
「「ぐああぁ!?」」
互いに頭を激しく打ち合わせて昏倒する二人。
刀も抜かずにあっという間に四人を倒した金さんは不敵な笑みを浮かべて残る天狗らを見回す。
「さぁ、次はどいつだ?」
「う、うわぁ!」
天狗のひとりが金さんに背を向けると、新の方に斬りかかった。
大柄な天狗は新の真上から剣を振り下ろす。
新は上段の剣を簡単に受けるとそのままぐるりと身体を回転させた。
そのことにより刀を握る天狗の手首がねじれ、悲鳴を上げて刀を取り落としてしまう。
そして丸腰になった相手に小気味よく叩き込んで倒してしまう。
場違いに明るい新の声がした。
「金ちゃんも強いね~」
「そういうお前だってもう三人も倒してるじゃないか。」
「えへへ♪」
見れば新の足下にはうめき声をあげて倒れている天狗面達。
おれは肩をすくめた。
「うへぇ……この女ども、こえぇよ。」
十人はいたはずの天狗面たちはえらそうなのを除けばもう二、三人しか立っていない。
なにもしていないおれだがゾッとする。
「さぁて、雑魚はあらかた倒したみたいだぜ?お前ら大将はかかってこねぇのかよ」
金さんの挑発に天狗御前は刀に手をかける。
「御前、なりません。今の御前は大事の前の大切な身。ここは無益な戦いは避けて引くべきかと」
「……たしかにそうかもしれぬ。」
「お前は御前の逃げれるまでの時間を稼ぐのだ。」
「お、俺が!?」
天狗御前と幹部の一人は屋敷の奥へと逃げ込もうとする。
金さんが叫んだ。
「あ、逃げるつもりか!」
「お前らのようなチンピラと合わせる必要などない。」
追いかけようとする金さんの前に幹部と残った天狗が立ちはだかる。
こいつらを相手にしている間に逃げられてしまう。
新が刀を素早く鞘に納めていった。
「私が追いかける。」
「まて。ここはいったん逃がしてやれ。あいつら、何やら近々でかい計画を立ててるらしい。その尻尾を掴むまではちょっと泳がせてやるんだ。」
新はなっとくしてうなずいた。
「そういうことなら。」
「さぁて!そんじゃ腹いせに目の前のこいつらをぶちのめしてやるとするか。」
「あははは。」
「「ひいいぃ!」」
新と金さんのひとことに悲鳴をあげる哀れな天狗達におれは静かに合掌した。
「そうだ。いいぞ。力が足りなきゃ頭を使うんだ。」
金さんは掴んでいる手首を締め付ける。
そして悲鳴と共に手から落ちた刀をとると、新たに振り下ろされた刀を受ける。
金さんは片腕でつばぜり合を続けながら、手首を放してすぐに天狗面の鼻を掴む。そして金さんは鼻をグリップにしてもうひとりへと叩きつけた。
「「ぐああぁ!?」」
互いに頭を激しく打ち合わせて昏倒する二人。
刀も抜かずにあっという間に四人を倒した金さんは不敵な笑みを浮かべて残る天狗らを見回す。
「さぁ、次はどいつだ?」
「う、うわぁ!」
天狗のひとりが金さんに背を向けると、新の方に斬りかかった。
大柄な天狗は新の真上から剣を振り下ろす。
新は上段の剣を簡単に受けるとそのままぐるりと身体を回転させた。
そのことにより刀を握る天狗の手首がねじれ、悲鳴を上げて刀を取り落としてしまう。
そして丸腰になった相手に小気味よく叩き込んで倒してしまう。
場違いに明るい新の声がした。
「金ちゃんも強いね~」
「そういうお前だってもう三人も倒してるじゃないか。」
「えへへ♪」
見れば新の足下にはうめき声をあげて倒れている天狗面達。
おれは肩をすくめた。
「うへぇ……この女ども、こえぇよ。」
十人はいたはずの天狗面たちはえらそうなのを除けばもう二、三人しか立っていない。
なにもしていないおれだがゾッとする。
「さぁて、雑魚はあらかた倒したみたいだぜ?お前ら大将はかかってこねぇのかよ」
金さんの挑発に天狗御前は刀に手をかける。
「御前、なりません。今の御前は大事の前の大切な身。ここは無益な戦いは避けて引くべきかと」
「……たしかにそうかもしれぬ。」
「お前は御前の逃げれるまでの時間を稼ぐのだ。」
「お、俺が!?」
天狗御前と幹部の一人は屋敷の奥へと逃げ込もうとする。
金さんが叫んだ。
「あ、逃げるつもりか!」
「お前らのようなチンピラと合わせる必要などない。」
追いかけようとする金さんの前に幹部と残った天狗が立ちはだかる。
こいつらを相手にしている間に逃げられてしまう。
新が刀を素早く鞘に納めていった。
「私が追いかける。」
「まて。ここはいったん逃がしてやれ。あいつら、何やら近々でかい計画を立ててるらしい。その尻尾を掴むまではちょっと泳がせてやるんだ。」
新はなっとくしてうなずいた。
「そういうことなら。」
「さぁて!そんじゃ腹いせに目の前のこいつらをぶちのめしてやるとするか。」
「あははは。」
「「ひいいぃ!」」
新と金さんのひとことに悲鳴をあげる哀れな天狗達におれは静かに合掌した。