ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「あれ?」
出かけ先から小鳥遊堂に戻ると店のまえには見慣れた姿があった。
輝「悠ちゃん!新ちゃん!」
相変わらず元気だ。大きく手を振って近づいてきた。
悠「ちょっと待てよ、すぐに店をあけるから」
輝「大変だったね~」
吉音「心配してくれたんだ、ありがとう」
輝「だって友達じゃん!」
悠「そういや、奉行所から出たところで瓦版もらったけどさ」
輝「う……」
急に表情が暗くなる。
悠「どうした?」
輝「ひどいんだよ、聞いてくれる!?おいら、瓦版をだせなくなっちゃったんだよ!」
吉音「え、何で?」
輝「瓦版を配るには執行部から許可証をもらわないとダメなんだけど、それを取り上げられちゃったんだ」
悠「どうせまた、ろくでもない飛ばし記事でも書いたんだろう?」
輝「悠ちゃんや新ちゃんの記事を書いたら瓦版を止められたんだよ」
悠「あー?どういうことだ?」
輝「頑張ってたじゃん、だからかっこうよく書いた。でも嘘なんて書いてない」
悠「あ、ありがとう……でもおれや吉音の事を書いたくらいで何で?」
輝「悠ちゃんたちがいない間に瓦版の規制が急に厳しくなって、記事を自由に書けなくなっちゃった。記事の内容は全部暫定執行部からしていされて、それを守れない瓦版は許可証をとりあげられちゃうんだ。そんなのただの官報か御用新聞じゃないか。この輝さんはそんなの許せなくて文句をいったんだ」
悠「そしたら……」
輝「もう瓦版出しちゃダメだっていわれちゃった」
朱金「ホントひでぇ話しだぜ」
輝「あ」
悠「おー、朱金」
輝の頭に手を突っ込みながら、不機嫌な顔で現れたのは朱金だった。
悠「悠、新、こないだはすまなかった!」
朱金はおれと吉音に向かって大きく頭を下げた。
吉音「金ちゃん!謝らなくってもいいよぉ」
悠「そこの真留から聞いたよ、朱金が執行部に文句を言ってくれたんだろ?礼をいうのはこっちのほうだ」
朱金「それは……そうなんだが。お前らをあんなところに閉じ込めちまったのは事実だしな」
悠「朱金だってやりたくてやったわけじゃないだろ?上からの命令なら仕方がないさ、役人なんだし」
朱金「それが腹が立つんだよ!」
悠「朱金……」
朱金「命令なんて関係ない。間違ってると思う事はやりたくねぇ。けどあん時の俺は……」
真留「遠山様。我々は北町奉行所の……」
朱金「分かってるさ、真留。けどよ……逢岡みたいに簡単に寝返ったり出来ねぇ性分でな」
吉音「……」
朱金「逢岡のやつ、見損なったぜ。新とも仲が良かったし、こっちの味方だと思ってたんだが、あっさりと執行部に寝返りやがって」
吉音「きっと、想ちゃんにも事情があったんだよ……」
朱金「親友を裏切るってどんな事情だよ?」
吉音「あたしは別に裏切られただなんて……」
朱金「やさしいな、お前は。だから詠美に手柄をかっさらわれてもそうしてニコニコしていられるんだ」
真留「遠山様!言葉が過ぎます!」
朱金「す、すまん……」
吉音「あ、あたしは気にしてないよ。はは」
輝「おいらは戦うけどね!報道の自由のためにね。生徒の目として耳としておいらは執行部の独裁を赦すわけにゃいかないんだ」
朱金「お、いうねぇ」
輝「あったり前さ。何かの時は金さんも頼むよ」
朱金「おう、任せときな!」
真留「遠山様、自分の立場というものを考えてください!」
朱金「立場なんかよりもっとずっと大切なものがあるんでぇ!」
真留「遠山様!」
吉音「あははは……」
悠「あれ?」
出かけ先から小鳥遊堂に戻ると店のまえには見慣れた姿があった。
輝「悠ちゃん!新ちゃん!」
相変わらず元気だ。大きく手を振って近づいてきた。
悠「ちょっと待てよ、すぐに店をあけるから」
輝「大変だったね~」
吉音「心配してくれたんだ、ありがとう」
輝「だって友達じゃん!」
悠「そういや、奉行所から出たところで瓦版もらったけどさ」
輝「う……」
急に表情が暗くなる。
悠「どうした?」
輝「ひどいんだよ、聞いてくれる!?おいら、瓦版をだせなくなっちゃったんだよ!」
吉音「え、何で?」
輝「瓦版を配るには執行部から許可証をもらわないとダメなんだけど、それを取り上げられちゃったんだ」
悠「どうせまた、ろくでもない飛ばし記事でも書いたんだろう?」
輝「悠ちゃんや新ちゃんの記事を書いたら瓦版を止められたんだよ」
悠「あー?どういうことだ?」
輝「頑張ってたじゃん、だからかっこうよく書いた。でも嘘なんて書いてない」
悠「あ、ありがとう……でもおれや吉音の事を書いたくらいで何で?」
輝「悠ちゃんたちがいない間に瓦版の規制が急に厳しくなって、記事を自由に書けなくなっちゃった。記事の内容は全部暫定執行部からしていされて、それを守れない瓦版は許可証をとりあげられちゃうんだ。そんなのただの官報か御用新聞じゃないか。この輝さんはそんなの許せなくて文句をいったんだ」
悠「そしたら……」
輝「もう瓦版出しちゃダメだっていわれちゃった」
朱金「ホントひでぇ話しだぜ」
輝「あ」
悠「おー、朱金」
輝の頭に手を突っ込みながら、不機嫌な顔で現れたのは朱金だった。
悠「悠、新、こないだはすまなかった!」
朱金はおれと吉音に向かって大きく頭を下げた。
吉音「金ちゃん!謝らなくってもいいよぉ」
悠「そこの真留から聞いたよ、朱金が執行部に文句を言ってくれたんだろ?礼をいうのはこっちのほうだ」
朱金「それは……そうなんだが。お前らをあんなところに閉じ込めちまったのは事実だしな」
悠「朱金だってやりたくてやったわけじゃないだろ?上からの命令なら仕方がないさ、役人なんだし」
朱金「それが腹が立つんだよ!」
悠「朱金……」
朱金「命令なんて関係ない。間違ってると思う事はやりたくねぇ。けどあん時の俺は……」
真留「遠山様。我々は北町奉行所の……」
朱金「分かってるさ、真留。けどよ……逢岡みたいに簡単に寝返ったり出来ねぇ性分でな」
吉音「……」
朱金「逢岡のやつ、見損なったぜ。新とも仲が良かったし、こっちの味方だと思ってたんだが、あっさりと執行部に寝返りやがって」
吉音「きっと、想ちゃんにも事情があったんだよ……」
朱金「親友を裏切るってどんな事情だよ?」
吉音「あたしは別に裏切られただなんて……」
朱金「やさしいな、お前は。だから詠美に手柄をかっさらわれてもそうしてニコニコしていられるんだ」
真留「遠山様!言葉が過ぎます!」
朱金「す、すまん……」
吉音「あ、あたしは気にしてないよ。はは」
輝「おいらは戦うけどね!報道の自由のためにね。生徒の目として耳としておいらは執行部の独裁を赦すわけにゃいかないんだ」
朱金「お、いうねぇ」
輝「あったり前さ。何かの時は金さんも頼むよ」
朱金「おう、任せときな!」
真留「遠山様、自分の立場というものを考えてください!」
朱金「立場なんかよりもっとずっと大切なものがあるんでぇ!」
真留「遠山様!」
吉音「あははは……」