ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】
しー大江戸学園:大通りー
悠「随分と持ち上げたもんだな」
吉音「詠美ちゃんのことがたくさん書いてあるね。」
臨時執行部の礼賛記事の中でも特に徳河さんのことは大きく取り上げられていた。
軍を率いては戦場を一転させ、剣を振るっては剣魂ヨリノブを斬り捨てたことが繰り返し喧伝されていた。
悠「何か、徳河さんひとりで乱を治めたみたいな書き方だな。吉音だって頑張ったのにな」
吉音「…………」
悠「どうした?」
吉音「え……ううん。何でもないよ」
吉音は瓦版から目を逸らすとてくてくと歩きだした。
おれは吉音が見ていた辺りの記事を確かめてみる。
臨時執行部の名簿の中には、南町奉行逢岡想の名前があった。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「なんだ、こりゃ……」
吉音「ひどい……」
小鳥遊堂にもどったおれ達は閉口した。
小鳥遊堂の戸やら壁には明らかに悪意のものと思われる張り紙が何枚も張りつけられていた。
悠「学園の治安を乱せし反逆のやから?偽善者?」
正直何をいってるのかよく分からない、反逆のユユゥーシュってか?口には出さないがボケたところで、このままじゃ店をあけられないからとりあえず剥がす。
由真「あ、小鳥遊!」
悠「ん、由真。結花さんに唯ちゃんも」
結花「小鳥遊くんも吉音さんも大丈夫だった?」
悠「とりあえず拷問なんかはされずにすみました。飯もちゃんと出ましたね」
吉音「……おかわりはさせてくれなかった」
結花「そう。とにかく無事に帰って来れてよかったわ、おかえりなさい」
悠「ありがとうございます」
由真「意外に早く帰ってこれたのね。せっかくの牢屋なんだからもっとゆっくり堪能してきたらよかったのに」
悠「そうだな。おれって何か牢屋が似合うって巷で有名だしって……なんだと、この野郎!だれが実家が牢屋だ!」
由真「そこまでいってないわよ!」
唯「うそうそ。由真姉が一番心配してたんだよ。二人を取りかえすってもう少しで奉行所に殴りこみに行くところだったんだから」
由真「ゆ、唯っ!」
悠「ツンデレいただきました」
吉音「心配させてごめんね」
由真「べ、別に心配してたわけじゃなくって、やり方がおかしいって思っただけよ」
悠「ツンデレありがとうございます」
由真「殴るわよ?」
悠「お口チャックノリス」
結花「確かに今回の事は私もおかしいと思います。今回の事件では小鳥遊くんや吉音さんを始めとして多くの人が解決のために力をつくしたはずです。」
唯「なんだか手柄を横取りされちゃった感じだよね」
結花「緊急事態ですから、代表を立てることで全体の結束を高めるやり方もあるとは思います。ですが、小鳥遊くんや吉音さんを拘束する必要はどこにも有りませんから」
由真「ほんとはね、ねずみやにも役人が来て、小鳥遊堂には近づくなっていわれたのよ?」
唯「それに悠さんや吉音さんが連れていかれたあとから、ふたりが雪那に関与してたって噂が流れてるんだ」
悠「何だよ、ソレ」
結花゜一緒に戦った私たちは小鳥遊くんや吉音さんが義のために戦ったことを知っています。けれど十万の生徒たちはそれをしりません。何者かが情報操作をおこなおうとすることも……」
悠「コレ?」
おれはさっきもらった瓦版を見せる。
由真「何コレ!内容が偏りすぎだよ!徳河さんだけが活躍したみたいになってるじゃない!」
悠「吉音はどうなんだよ、これ?」
由真「吉音だってあんなに頑張ったのにこんな扱いの差ってひどいよ」
吉音「あ、あたしは……いいんだよ」
瓦版の偏向に不機嫌になる由真だが、当の吉音は苦笑いをして、荒らされた店を片づけ始め出した。
悠「…………吉音」
悠「随分と持ち上げたもんだな」
吉音「詠美ちゃんのことがたくさん書いてあるね。」
臨時執行部の礼賛記事の中でも特に徳河さんのことは大きく取り上げられていた。
軍を率いては戦場を一転させ、剣を振るっては剣魂ヨリノブを斬り捨てたことが繰り返し喧伝されていた。
悠「何か、徳河さんひとりで乱を治めたみたいな書き方だな。吉音だって頑張ったのにな」
吉音「…………」
悠「どうした?」
吉音「え……ううん。何でもないよ」
吉音は瓦版から目を逸らすとてくてくと歩きだした。
おれは吉音が見ていた辺りの記事を確かめてみる。
臨時執行部の名簿の中には、南町奉行逢岡想の名前があった。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「なんだ、こりゃ……」
吉音「ひどい……」
小鳥遊堂にもどったおれ達は閉口した。
小鳥遊堂の戸やら壁には明らかに悪意のものと思われる張り紙が何枚も張りつけられていた。
悠「学園の治安を乱せし反逆のやから?偽善者?」
正直何をいってるのかよく分からない、反逆のユユゥーシュってか?口には出さないがボケたところで、このままじゃ店をあけられないからとりあえず剥がす。
由真「あ、小鳥遊!」
悠「ん、由真。結花さんに唯ちゃんも」
結花「小鳥遊くんも吉音さんも大丈夫だった?」
悠「とりあえず拷問なんかはされずにすみました。飯もちゃんと出ましたね」
吉音「……おかわりはさせてくれなかった」
結花「そう。とにかく無事に帰って来れてよかったわ、おかえりなさい」
悠「ありがとうございます」
由真「意外に早く帰ってこれたのね。せっかくの牢屋なんだからもっとゆっくり堪能してきたらよかったのに」
悠「そうだな。おれって何か牢屋が似合うって巷で有名だしって……なんだと、この野郎!だれが実家が牢屋だ!」
由真「そこまでいってないわよ!」
唯「うそうそ。由真姉が一番心配してたんだよ。二人を取りかえすってもう少しで奉行所に殴りこみに行くところだったんだから」
由真「ゆ、唯っ!」
悠「ツンデレいただきました」
吉音「心配させてごめんね」
由真「べ、別に心配してたわけじゃなくって、やり方がおかしいって思っただけよ」
悠「ツンデレありがとうございます」
由真「殴るわよ?」
悠「お口チャックノリス」
結花「確かに今回の事は私もおかしいと思います。今回の事件では小鳥遊くんや吉音さんを始めとして多くの人が解決のために力をつくしたはずです。」
唯「なんだか手柄を横取りされちゃった感じだよね」
結花「緊急事態ですから、代表を立てることで全体の結束を高めるやり方もあるとは思います。ですが、小鳥遊くんや吉音さんを拘束する必要はどこにも有りませんから」
由真「ほんとはね、ねずみやにも役人が来て、小鳥遊堂には近づくなっていわれたのよ?」
唯「それに悠さんや吉音さんが連れていかれたあとから、ふたりが雪那に関与してたって噂が流れてるんだ」
悠「何だよ、ソレ」
結花゜一緒に戦った私たちは小鳥遊くんや吉音さんが義のために戦ったことを知っています。けれど十万の生徒たちはそれをしりません。何者かが情報操作をおこなおうとすることも……」
悠「コレ?」
おれはさっきもらった瓦版を見せる。
由真「何コレ!内容が偏りすぎだよ!徳河さんだけが活躍したみたいになってるじゃない!」
悠「吉音はどうなんだよ、これ?」
由真「吉音だってあんなに頑張ったのにこんな扱いの差ってひどいよ」
吉音「あ、あたしは……いいんだよ」
瓦版の偏向に不機嫌になる由真だが、当の吉音は苦笑いをして、荒らされた店を片づけ始め出した。
悠「…………吉音」