ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】
ー大江戸学園:日本橋ー
激戦は続き、ついに陽が落ちてしまった。
長期戦を覚悟していたものの、さすがにここまでくるとゲンナリしてしまう。
詠美「ふふ……皮肉なものね。」
悠「あ?どういうことですか?」
詠美「理想を掲げながら手段はただの暴力だ……と。そう由比さんを凶弾したのに今は私たちが強引な力攻めに終始しているのだから、お笑い種だわ」
悠「詠美さん……」
詠美「この件が片付いたとしても、学園の歴史の中では汚点になる気がしてならないわね。」
狂言的ともいえる由比には、どんな言葉も届かなかった。
最後に残ったのがこの激突というのは、確かにほめられたことじゃないだろう。
悠「だったら次にこういう騒動が起こったときは刀の一本も抜かずに解決できるようにしていけばいいんじゃないですかね。汚点は戒めとして……まぁ、なんにしても由比雪那を止めなきゃ、学園はもっとひどい混乱状態に陥る。悔むのは後にするべきだ」
詠美「その通りね。すべては、この戦いが終わった後に……」
時間をかけて、何度も人員交代を繰り返して、それでも少しずつ確実に前進を続ける。
そしてようやく由比の私塾、張孔堂が近づいてきた。
首領が姿を現したのは、そんな時だった。
雪那「……あなた方の根気には脱帽です。敬服させられますよ」
朱金「やっと出て来やがったか、先生よ」
雪那「家のまえでこれだけ騒がれては、さすがに安眠できませんからね。」
久秀「あら、それじゃあ久秀が安眠できる場所へと案内してあげるわ……鉄格子の中っていう安眠場所に……ね。」
雪那「耳元でうるさい虫は焼きつくして差し上げましょう」
ヨリノブ『ジェアアアア!!』
悠「早速出してきたか!」
これは由比も焦っていると見るべきか。
十兵衛「もちろん、私もいるぞ」
伊都「柳宮……ようやく正々堂々、勝負する気になった?」
十兵衛「いや、申し訳ないがこの場にふさわしい相手というのがあってな。お前の相手はしてやれない」
伊都「……そ。それなら別にいいわ」
十兵衛「ん?いいのか?」
伊都「キョージュぽっちと仲良しこよしのあなたを見たら、なんだかどうでもよくなってきましたわ」
十兵衛「失望させてしまったか。ははは、それはすまないな」
雪那「……ここは遊び場ではないんですよ」
そうだ、師匠が出てきたからといって心動かされていてはならない。
あのひとは単なる敵の将のひとりなんだ。
詠美「彼女の態度に惑わされてはダメよ。そこにいるのは倒すべき敵でしかない」
想「そうです。彼女らを破ればすべてが終わります。」
平良「決戦だ!余力のある者は前へ!一気に叩き潰せ!」
桃子「ただのでかくて火を吐くだけの蛇だ!あんなものに何度も負けてらんねぇな!」
雷太郎「生では初めて見たがでかさはそこそこ」
風太郎「けれど所詮は蛇、鬼の力を見せてやる」
寅「前回の借りはかえさせてもらう」
吉音「よぉし、いっくぞぉぉおーっ!!」
雪那「ヨリノブ!返り討ちにしなさい!」
ヨリノブ『ジャァアアアアーッ!!』
朱金「オラオラそんなもんに当たるかよっ!」
火炎の着弾点から、精鋭たちが鳳仙花のように散る。
その中からまず朱金が仕掛けた。炎をかいくぐってヨリノブ本体へと肉薄する。
激戦は続き、ついに陽が落ちてしまった。
長期戦を覚悟していたものの、さすがにここまでくるとゲンナリしてしまう。
詠美「ふふ……皮肉なものね。」
悠「あ?どういうことですか?」
詠美「理想を掲げながら手段はただの暴力だ……と。そう由比さんを凶弾したのに今は私たちが強引な力攻めに終始しているのだから、お笑い種だわ」
悠「詠美さん……」
詠美「この件が片付いたとしても、学園の歴史の中では汚点になる気がしてならないわね。」
狂言的ともいえる由比には、どんな言葉も届かなかった。
最後に残ったのがこの激突というのは、確かにほめられたことじゃないだろう。
悠「だったら次にこういう騒動が起こったときは刀の一本も抜かずに解決できるようにしていけばいいんじゃないですかね。汚点は戒めとして……まぁ、なんにしても由比雪那を止めなきゃ、学園はもっとひどい混乱状態に陥る。悔むのは後にするべきだ」
詠美「その通りね。すべては、この戦いが終わった後に……」
時間をかけて、何度も人員交代を繰り返して、それでも少しずつ確実に前進を続ける。
そしてようやく由比の私塾、張孔堂が近づいてきた。
首領が姿を現したのは、そんな時だった。
雪那「……あなた方の根気には脱帽です。敬服させられますよ」
朱金「やっと出て来やがったか、先生よ」
雪那「家のまえでこれだけ騒がれては、さすがに安眠できませんからね。」
久秀「あら、それじゃあ久秀が安眠できる場所へと案内してあげるわ……鉄格子の中っていう安眠場所に……ね。」
雪那「耳元でうるさい虫は焼きつくして差し上げましょう」
ヨリノブ『ジェアアアア!!』
悠「早速出してきたか!」
これは由比も焦っていると見るべきか。
十兵衛「もちろん、私もいるぞ」
伊都「柳宮……ようやく正々堂々、勝負する気になった?」
十兵衛「いや、申し訳ないがこの場にふさわしい相手というのがあってな。お前の相手はしてやれない」
伊都「……そ。それなら別にいいわ」
十兵衛「ん?いいのか?」
伊都「キョージュぽっちと仲良しこよしのあなたを見たら、なんだかどうでもよくなってきましたわ」
十兵衛「失望させてしまったか。ははは、それはすまないな」
雪那「……ここは遊び場ではないんですよ」
そうだ、師匠が出てきたからといって心動かされていてはならない。
あのひとは単なる敵の将のひとりなんだ。
詠美「彼女の態度に惑わされてはダメよ。そこにいるのは倒すべき敵でしかない」
想「そうです。彼女らを破ればすべてが終わります。」
平良「決戦だ!余力のある者は前へ!一気に叩き潰せ!」
桃子「ただのでかくて火を吐くだけの蛇だ!あんなものに何度も負けてらんねぇな!」
雷太郎「生では初めて見たがでかさはそこそこ」
風太郎「けれど所詮は蛇、鬼の力を見せてやる」
寅「前回の借りはかえさせてもらう」
吉音「よぉし、いっくぞぉぉおーっ!!」
雪那「ヨリノブ!返り討ちにしなさい!」
ヨリノブ『ジャァアアアアーッ!!』
朱金「オラオラそんなもんに当たるかよっ!」
火炎の着弾点から、精鋭たちが鳳仙花のように散る。
その中からまず朱金が仕掛けた。炎をかいくぐってヨリノブ本体へと肉薄する。