ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】
ー大江戸学園:日本橋近くー
決戦の日がやってきた。
ここ数日、不気味なくらいになにも起こっていない。
ただひとつ、由比軍の方も、主力を本陣近くに集結させている、という情報が入っている。こちらの狙いを察知されたのだろうが、その動きは好都合だ。
もともとこちらは消耗戦の覚悟を持って臨んでいる。手薄になる拠点への防衛に戦力を割かなくて済むようになるのは、僅かだけど気が楽になる。
はじめ「……邪魔するよ」
悠「あっ、佐東さん。来てくれたんだな」
はじめ「うん。旦那がそうしてこいってね……」
悠「旦那って、越後屋、山吹が?」
はじめ「あの子らに恩を売っておけば、先々得になると」
悠「はは……越後屋らしい判断だ」
シオン「この殺伐とした空気が心地いいなぁ悠」
悠「シオンも、今日はよろしく頼むぞ」
シオン「ああ……無想政宗が震えているよ。今日は何人の血を吸えるかってな……クククク」
悠「……よ、よろしくたのむぞ」
伊都「んもぅ。私のことも忘れちゃやーよ」
悠「大神……いやまさか呼びかけに応じてくれるとは思わなかったんで」
伊都「向こうには柳宮が居るしぃ。ま、それなりにこちらにも理由があるってことですわ。」
悠「はぁ……」
以前の師匠とのやり合った時の反応といい何か因縁でもあるのだろうか?
雷太郎「……」
風太郎「……」
寅「……」
悠「……はい、そこ味方どうしで睨みあわない」
寅「俺はコイツらを味方とおもっってるつもりはない」
風太郎「それは」
雷太郎「こっちの」
風太郎&雷太郎「「セリフだ」」
久秀「はいはい、じゃれ合いはそのくらいにしときなさいね。貴方たちはこの久秀に雇われた犬なんだから。」
「「「誰が犬だ!」」」
クセのあるやつらだけど、心強い助っ人にはかわらない。弥が上にも戦意が高まってくる。
朱金「向こうも決戦のつもりで来てるんだろ。ボスを倒せば終わりってのは、どっちも同じだからな」
朱金「ま、こっちが負けるわきゃねーけどな」
悠「過信するなよ。まだ敵の強さの底が知れてない」
朱金「オレだってまだ全力を見せたわけじゃあないぜ」
悠「本当か?」
朱金「だったらいいな」
悠「……緊張感のカケラもない」
朱金は普段より機嫌がいいくらいだけど、街並には物々しい空気に包まれている。
いつもにぎやかな大通りも、歩いている人の姿は見られず、閑散としている。
しかし背後へと振り返ってみれば、何百人もの武装した生徒が引き締め合い、殺気だっている光景が広がる。
皆開戦を今か今かと待ち構えているのだ。
詠美「もう全員そろっているわね」
総大将に据えられている徳河さんが、一人ひとり見回りしていく。
決戦の日がやってきた。
ここ数日、不気味なくらいになにも起こっていない。
ただひとつ、由比軍の方も、主力を本陣近くに集結させている、という情報が入っている。こちらの狙いを察知されたのだろうが、その動きは好都合だ。
もともとこちらは消耗戦の覚悟を持って臨んでいる。手薄になる拠点への防衛に戦力を割かなくて済むようになるのは、僅かだけど気が楽になる。
はじめ「……邪魔するよ」
悠「あっ、佐東さん。来てくれたんだな」
はじめ「うん。旦那がそうしてこいってね……」
悠「旦那って、越後屋、山吹が?」
はじめ「あの子らに恩を売っておけば、先々得になると」
悠「はは……越後屋らしい判断だ」
シオン「この殺伐とした空気が心地いいなぁ悠」
悠「シオンも、今日はよろしく頼むぞ」
シオン「ああ……無想政宗が震えているよ。今日は何人の血を吸えるかってな……クククク」
悠「……よ、よろしくたのむぞ」
伊都「んもぅ。私のことも忘れちゃやーよ」
悠「大神……いやまさか呼びかけに応じてくれるとは思わなかったんで」
伊都「向こうには柳宮が居るしぃ。ま、それなりにこちらにも理由があるってことですわ。」
悠「はぁ……」
以前の師匠とのやり合った時の反応といい何か因縁でもあるのだろうか?
雷太郎「……」
風太郎「……」
寅「……」
悠「……はい、そこ味方どうしで睨みあわない」
寅「俺はコイツらを味方とおもっってるつもりはない」
風太郎「それは」
雷太郎「こっちの」
風太郎&雷太郎「「セリフだ」」
久秀「はいはい、じゃれ合いはそのくらいにしときなさいね。貴方たちはこの久秀に雇われた犬なんだから。」
「「「誰が犬だ!」」」
クセのあるやつらだけど、心強い助っ人にはかわらない。弥が上にも戦意が高まってくる。
朱金「向こうも決戦のつもりで来てるんだろ。ボスを倒せば終わりってのは、どっちも同じだからな」
朱金「ま、こっちが負けるわきゃねーけどな」
悠「過信するなよ。まだ敵の強さの底が知れてない」
朱金「オレだってまだ全力を見せたわけじゃあないぜ」
悠「本当か?」
朱金「だったらいいな」
悠「……緊張感のカケラもない」
朱金は普段より機嫌がいいくらいだけど、街並には物々しい空気に包まれている。
いつもにぎやかな大通りも、歩いている人の姿は見られず、閑散としている。
しかし背後へと振り返ってみれば、何百人もの武装した生徒が引き締め合い、殺気だっている光景が広がる。
皆開戦を今か今かと待ち構えているのだ。
詠美「もう全員そろっているわね」
総大将に据えられている徳河さんが、一人ひとり見回りしていく。