ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】
ー大江戸学園:かなうの養生所ー
悠「っ……うぅ…痛っっ…」
かなう「おっ、ようやく起きたようだな」
悠「ここは……?」
左近「養生所ですよ。刀舟斎先生のね」
悠「…………あぁ、お前が助けてくれたわけか。それでおれは負けたんだな」
左近「おや、現状の呑み込みが速いですねぇ」
悠「頭をどつかれたわけじゃないし、師匠……十兵衛にやられたところはハッキリ覚えてるからな。痛っ……」
かなう「無理に起きるな。頭を殴られてなくても全身をまんべんなく斬られてるんだ」
悠「ま、まんべんなくですか」
かなう「まんべんなくだ。ただし、急所には一発も入っていない」
左近「というと?」
かなう「お前さんらも知ってるだろうが、同じ武器を使って殴ったとしても当て方や角度次第でケガやダメージの質が違う」
悠「まぁ、それくらいは当たり前なので……」
左近「いやー、あたしゃ喧嘩とかは慣れてないのでさっぱりですよ。ええ。」
かなう「……それで、悠が受けた斬撃なんだが」
左近「あれ、なんで無視されたんで?」
かなう「うるさい。」
左近「はい」
悠「おれの受けた攻撃は?」
かなう「あぁ、当たったら骨の折れるような角度なんかの攻撃は僅かに位置がズレていた」
悠「一騎打ちで手加減されてたか……」
かなう「いや、そうじゃない。」
悠「はい?」
かなう「お前さんが自分で避けたんだろう」
悠「……おれが?」
左近「無意識からの防衛本能でしょう。無数に繰り出される斬撃の致命傷なるものを避けて受けて生き延びた……って、ことですかねぇ?」
かなう「私はそう思っている。」
悠「生存本能全開って……ことか。なら……次も大丈夫かな」
かなう「おい」
悠「いや、やられに行くわけじゃないですよ?おれはマゾじゃないし……。でも、やっぱり止めないとダメでしょう。弟子として」
左近「おぉ、流石は小鳥遊さんいいですねぇ」
悠「……っか、お前さぁ」
左近「はい?」
悠「助けてくれたのは感謝してるけど……なんで戦いに参加しなかった。お前の剣魂のステルス機能使えば由比を打ち取れただろ」
左近「いやいや、無理ですよ。私のシキサイはコレで色々と不便も多いんでね。長時間は使えないし、武器とか一部を透明化するんならまだしも全体を透明化したら五分と持ちませんし、なにより……」
かなう「なにより?」
左近「いくら姿が見えなくなったところである程度、近づいたら十兵衛さんが気づかないはずないでしょう。匂いに気配、音は消せませんしねぇ。」
悠「まぁ……確かに師匠……十兵衛は気がつくだろうな」
左近「でしょう?私的には今回超働いた方なんですよ?なにせ、小鳥遊さんを救ってあげたんですからねぇ。これはツケも少しはまけてもらえるでしょう」
悠「……お前に救われた辺りの記憶があいまいなんだけどなぁ」
左近「意識があったならほっときましたもん。そりゃ」
悠「素直に感謝できねぇ……」
かなう「こんな奴でも運びはしたんだ。そこだけは認めておいてやれ」
左近「はっはっは。ほら、刀舟斎先生もこういってるじゃないですか」
悠「いや、まぁ……感謝はしてるよ。してるんだけど色々と納得できない部分があるだけだ」
左近「まぁまぁ、細かいことはいいじゃないですか。それじゃ、お大事に」
悠「何処いくんだ?」
左近「そりゃ、わたしゃこう見えて役人ですからねぇ。色々と忙しいんですよ。それじゃあ、刀舟斎先生。失礼しますよ」
かなう「ああ。たまには差し入れも持ってこいよ」
悠「……じゃ、おれも行きますか」
かなう「死ななきゃ直してやる、無茶しない程度に無茶をしろよ」
悠「中々の難題ですね、ソレ」
悠「っ……うぅ…痛っっ…」
かなう「おっ、ようやく起きたようだな」
悠「ここは……?」
左近「養生所ですよ。刀舟斎先生のね」
悠「…………あぁ、お前が助けてくれたわけか。それでおれは負けたんだな」
左近「おや、現状の呑み込みが速いですねぇ」
悠「頭をどつかれたわけじゃないし、師匠……十兵衛にやられたところはハッキリ覚えてるからな。痛っ……」
かなう「無理に起きるな。頭を殴られてなくても全身をまんべんなく斬られてるんだ」
悠「ま、まんべんなくですか」
かなう「まんべんなくだ。ただし、急所には一発も入っていない」
左近「というと?」
かなう「お前さんらも知ってるだろうが、同じ武器を使って殴ったとしても当て方や角度次第でケガやダメージの質が違う」
悠「まぁ、それくらいは当たり前なので……」
左近「いやー、あたしゃ喧嘩とかは慣れてないのでさっぱりですよ。ええ。」
かなう「……それで、悠が受けた斬撃なんだが」
左近「あれ、なんで無視されたんで?」
かなう「うるさい。」
左近「はい」
悠「おれの受けた攻撃は?」
かなう「あぁ、当たったら骨の折れるような角度なんかの攻撃は僅かに位置がズレていた」
悠「一騎打ちで手加減されてたか……」
かなう「いや、そうじゃない。」
悠「はい?」
かなう「お前さんが自分で避けたんだろう」
悠「……おれが?」
左近「無意識からの防衛本能でしょう。無数に繰り出される斬撃の致命傷なるものを避けて受けて生き延びた……って、ことですかねぇ?」
かなう「私はそう思っている。」
悠「生存本能全開って……ことか。なら……次も大丈夫かな」
かなう「おい」
悠「いや、やられに行くわけじゃないですよ?おれはマゾじゃないし……。でも、やっぱり止めないとダメでしょう。弟子として」
左近「おぉ、流石は小鳥遊さんいいですねぇ」
悠「……っか、お前さぁ」
左近「はい?」
悠「助けてくれたのは感謝してるけど……なんで戦いに参加しなかった。お前の剣魂のステルス機能使えば由比を打ち取れただろ」
左近「いやいや、無理ですよ。私のシキサイはコレで色々と不便も多いんでね。長時間は使えないし、武器とか一部を透明化するんならまだしも全体を透明化したら五分と持ちませんし、なにより……」
かなう「なにより?」
左近「いくら姿が見えなくなったところである程度、近づいたら十兵衛さんが気づかないはずないでしょう。匂いに気配、音は消せませんしねぇ。」
悠「まぁ……確かに師匠……十兵衛は気がつくだろうな」
左近「でしょう?私的には今回超働いた方なんですよ?なにせ、小鳥遊さんを救ってあげたんですからねぇ。これはツケも少しはまけてもらえるでしょう」
悠「……お前に救われた辺りの記憶があいまいなんだけどなぁ」
左近「意識があったならほっときましたもん。そりゃ」
悠「素直に感謝できねぇ……」
かなう「こんな奴でも運びはしたんだ。そこだけは認めておいてやれ」
左近「はっはっは。ほら、刀舟斎先生もこういってるじゃないですか」
悠「いや、まぁ……感謝はしてるよ。してるんだけど色々と納得できない部分があるだけだ」
左近「まぁまぁ、細かいことはいいじゃないですか。それじゃ、お大事に」
悠「何処いくんだ?」
左近「そりゃ、わたしゃこう見えて役人ですからねぇ。色々と忙しいんですよ。それじゃあ、刀舟斎先生。失礼しますよ」
かなう「ああ。たまには差し入れも持ってこいよ」
悠「……じゃ、おれも行きますか」
かなう「死ななきゃ直してやる、無茶しない程度に無茶をしろよ」
悠「中々の難題ですね、ソレ」