ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】

ー???ー

光姫「ふむ……十兵衛はともかく、違反剣魂をこうも簡単に使用してくるとは、あやつも自分に集まる賛同者だけでは足りぬと自覚しておるのか。かように足並みの揃わぬ状態では、打ち勝つことは困難じゃろうなぁ………………仕方ない、一筆取ってやろうとするか。引き金を引かねば動けぬとは、まだまだ精進がたらんのぅ」


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ー大江戸学園:執行部室ー

『酉居葉蔵へ。火盗を抑制、故意の撤退、北町奉行の排除など、多くの協力感謝する。引き続き南町への対処も頼む。革命成功の暁には、約束の地位、権利を保障する事を、改めて誓う。由比雪那』

酉居「知らんっ!こんなものは知らんっ!」

詠美「でも確かに、ここに書状があるわ。書かれている内容も、見方を変えればすべて事実になる。」

酉居「偶然だ!……いや違う、これは何ものかの陰謀だ。俺を嵌めるための策略だっ!」

詠美「どうやってそれを証明するのかしら?」

酉居「その紙切れの出所を探ればいいだけの話だろう!よこせ!」

詠美「それはできないわ。重要な証拠品を当事者に預けるわけにはいかない」

朱金「……何があったんだよ、一体」

平良「城内の酉居の部屋に手紙が届いた。その内容が、由比雪那との内通を明示するものだったのさ」

朱金「酉居と由比が内通だ……?」

平良「書状によると、どうやら酉居と唯は裏で手を組み、学園各地で騒動を演出。その混乱に乗じてともに勢力を伸ばし、現体制を覆して覇権を握ろうという計画だったらしい」

酉居「勝手なことを言うなっ!でたらめだっ!そうだ、これは由比の計略だ!内部分裂を狙ったヤツの姑息な計略に決まっている!」

詠美「そう断言する理由は?」

酉居「俺が失脚して最も得をするのは奴だからだ。俺はヤツの最大の敵だからなっ」

詠美「書面の通り、手を組めば大きな特になるのでは?」

酉居「ぐっ……そ、それは……そうかもしれないが。俺が奴と手を組むなどありえない。だからこんな食いつけと言わんばかりのエサをよこしたんだっ!」

詠美「理由、証拠とよぶには程遠いいいわけね」

酉居「簡単に論えるものかっ!答えを出すためにも、その紙切れを調べさせろと言っている!いや……まてよ、そもそもなぜ俺がここまで疑われる。逆に問わせてもらおう。なぜその紙屑が信用に足ると言える?誰がどうにでもできる紙一枚で俺を弾劾する、納得出来る根拠を示せ!」

詠美「利害を考えれば、内容は至極妥当であり、事実にも即しているからよ」

酉居「それだけか……?バカな……俺が否認する理由と同じレベルの曖昧さ。その程度で、この俺を……!」

詠美「書状が届いていなかったとしても、同じことね」

酉居「どういう事だ」

詠美「火盗のほとんどを私物化し、これもほぼ独断で正面突破の戦術ばかりを選択し続けた。しかもその上で敗北続き。ここに全く責任がないとでもいうつもり?」

酉居「しっ、しかし、あのような兇賊は正面から叩き潰し、見せしめとせねば第二第三の……」

詠美「でも敗走続き。生徒たちからは、一対どちらが不甲斐なく見えたかしら」

酉居「まだ負けたわけではない。これからいくらでも挽回は可能だ!」

詠美「その挽回をするのは、あなたじゃないわ……長谷河さん、お願い」

平良「おい、お前たち!」

火盗役人「了解致しました。失礼します」

酉居「このっ、おい、離せ!どういうつもりだ長谷河、やめさせろ!」

平良「そういうわけにはいかないな。疑惑を抱えた人間を内部に置いておけるほど、ここは甘くない」

酉居「そうか、そういうことだったのか……お前らだな!お前らが俺を嵌めたんだ!学園のすべてを支配するために!お前らこそ由比とつるんでるんだろう!だから俺が負けるところに救援にも来なかったんだ!学園を堕落させるつもりか!頭の悪い下層民で学園を汚す気か!」

平良「……はやく連れていけ」

酉居「貴様ぁぁ!俺にこんな真似をして、ただで済むと思うな!俺のバックには大御所がついているんだからな!」
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