ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー大江戸学園:寺の境内ー

新の後を追いかけてたどり着いたのは町から少し外れた寺の境内だった。

新「こっちだよ!」

真留「はい、三名の身柄の確保よろしくお願いします。では失礼します」

新「あれ…まるるだ」

そこには携帯をてにした真留がいた。

真留「あ、小鳥遊さんに徳田さん?」

悠「えっと、ばんわちぇき……って、なんだこれ?」

夜の暗さで遠目には解らなかったが、真留の足元には男が二人も倒れている。
悠「もしかして…君が?」

真留「あの、まぁ、そうですね」

悠「子犬みたいな見ためで…牙を隠してるか。っか、新、お前が感じたのってこれのことか?」

新「ん~たぶん」

真留「なんのことです?」

悠「コイツが誰かが喧嘩してるとかいうから来てみたんだよ。」

新「うん、誰かよってたかっていじめられてるような感覚があったんだ」

真留「まあ喧嘩というか…」

悠「っか、この状況はなんなんだ?」

こうして人がぶっ倒れているんだから、少なくともまともな状態じゃない。
しばらく考えてから真留はゆっくり口を開いた。

真留「わかりました。ご説明します。わたしは北町奉行所の岡っ引なんです」

悠「岡っ引?」

真留「同心の見習いのようなものです。奉行所から十手を預かって、学園内で起こる事件を調査するのが仕事です」

悠「ということはだ…ここにぶっ倒れてるのは悪人か?」

真留「はい。最近学園を騒がせている天狗党の一味です」

悠「たしかに天狗面つけてるな」

北町同心A「銭方真留はいるか?」

そこに役人らしい男子生徒が二人ほどやってきた。

真留「はい、わたしです」

北町同心A「うむ、先ほど連絡を受けた奉行所の者だが。」

真留「お役目ご苦労様です」

北町同心A「捕らえた天狗党の一味というのはこいつらだな?」

真留「はい。あと向こうにもう一人、遠山さまがやっつけた天狗が倒れているはずです」

北町同心A「あい分かった。では奉行所に連行しておくゆえ」

真留「よろしくお願いいたします。あれ……小鳥遊さん?徳田さん?」
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