ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】
ー大江戸学園:武家屋敷街外れー
刺客G「追い込めーっ!!」
平良「こっちだ!まだ敵の姿は見えない!」
くそっ……逢岡さん……誰か……気づいてくれっ……!
刺客H「覚悟ォーっ!」
悠「うぉっ!」
刺客H「お前たちさえ倒せば……こっちの勝ちは決まったようなもんだっ……!」
悠「そんなのを、勝ったなんて、いうつもりかよっ!」
ドゴッ!
刺客H「ぐっ!う……あぁっ」
いったいどれだけの数をつぎ込んで来ているんだ。倒しても倒しても湧いて出てくる。
もう自分たちがどう逃げ回ったのかもわからない。ここは一体どこなんだ。
詠美「はぁっ、はぁっ、はぁっ……くっ、ケホッ、ふぅ……ぅ」
徳河さんは大きく肩で息をしていて、もう外面を取り繕う事すらできなくなっている。
もちろん、他のみんなも、おれも疲労はたまる一方だし……。
吉音「詠美ちゃん、大丈夫?悠におんぶしてもらう?」
詠美「そんなことをしたら、全員が危険になるでしょう……いざというときは私だけを捨てていきなさい。その方が少しでも逃げ切れる可能性が高まるわ」
吉音「いやだよ。そんなの意味無いもん」
詠美「どうして……!長谷河さんは火盗の、あなたたちは南町奉行所の主力なのよ。わかっているでしょう?そろって由比さんの手に、落ちてしまったら、取り返しのつかないことになるのよ」
吉音「あたし、詠美ちゃんが捕まって人質にされたすぐに降参するもん。だから意味無いよ」
詠美「どうして……そんなことをっ……」
悠「あーもー!お前らいい加減にしろ!こんなかで捕まっても問題ないのはおれだけなんだよ!徳河のアンタが捕まっていいわけねーだろ!吉音もイチイチイチイチ他人を構ってんじゃねぇ!前からも来てんだ張り倒すぞボケ!」
吉音「は、はい…」
詠美「は、はい…」
苛立ちが募り過ぎて先におれがブチ切れてしまった。しかもまたも敵がぞろぞろと立ちはだかる。
逃げる方向に先回りされているのか。それともおれ達が敵の中に突っこんでいってるのか。どこにいっても敵がいる状況に、集中は千々にかき乱される。
平良「ッ……!あの人数はダメだ……別の道だ!」
吉音「あああ!後ろからも来たよ!」
ついさっき一団を打ち破ってきたはずなのに……また別の集団なのか?複数方向から同時に襲われることが多くなってきている。いよいよ手詰まりが近いか……!
刺客A「相手の足は鈍ってきている!もう少しだぞ、追い詰めろ!」
いやまだまだ!こんな奴らのまえで諦めて捕まるなんて、カッコ悪いマネは出来ないからな!
悠「そこに横道がある!制圧されるまえに速く!」
横道といっても塀と塀の隙間という感じで、四人が横に並べばソレでいっぱいになってしまう細い路地だ。
それでもただ突っ立っているよりは、いくらかはマシなはず!
平良「他に手はないな。私が先に行く!!後に続いてくれ!」
悠「殿はまかせろ!」
まず長谷河が飛びこんでいく。それに吉音、徳河さんと続き、殿は宣言通りおれがついた。
刺客A「行かせるか!手こずらされたが……ここで仕留める!」
敵方も当然黙ってはいない、狭い道に大挙して迫ってくる。
悠「ちっ、もう一発いくか……龍剄気……」
詠美「はぁ!はぁ!はぁっ!くぅ……うう!」
悠「ちょ、徳河さん、大丈夫か?無理そうなら本当におれが……」
詠美「うく……ぅ……む、胸が……っ、はぁっ、はぁっ」
徳河さんの顔色が悪い。胸を押さえて強く顔を歪め、額には脂汗が浮いている。なんだ、もしかして体調でもわるいのか?
刺客G「追い込めーっ!!」
平良「こっちだ!まだ敵の姿は見えない!」
くそっ……逢岡さん……誰か……気づいてくれっ……!
刺客H「覚悟ォーっ!」
悠「うぉっ!」
刺客H「お前たちさえ倒せば……こっちの勝ちは決まったようなもんだっ……!」
悠「そんなのを、勝ったなんて、いうつもりかよっ!」
ドゴッ!
刺客H「ぐっ!う……あぁっ」
いったいどれだけの数をつぎ込んで来ているんだ。倒しても倒しても湧いて出てくる。
もう自分たちがどう逃げ回ったのかもわからない。ここは一体どこなんだ。
詠美「はぁっ、はぁっ、はぁっ……くっ、ケホッ、ふぅ……ぅ」
徳河さんは大きく肩で息をしていて、もう外面を取り繕う事すらできなくなっている。
もちろん、他のみんなも、おれも疲労はたまる一方だし……。
吉音「詠美ちゃん、大丈夫?悠におんぶしてもらう?」
詠美「そんなことをしたら、全員が危険になるでしょう……いざというときは私だけを捨てていきなさい。その方が少しでも逃げ切れる可能性が高まるわ」
吉音「いやだよ。そんなの意味無いもん」
詠美「どうして……!長谷河さんは火盗の、あなたたちは南町奉行所の主力なのよ。わかっているでしょう?そろって由比さんの手に、落ちてしまったら、取り返しのつかないことになるのよ」
吉音「あたし、詠美ちゃんが捕まって人質にされたすぐに降参するもん。だから意味無いよ」
詠美「どうして……そんなことをっ……」
悠「あーもー!お前らいい加減にしろ!こんなかで捕まっても問題ないのはおれだけなんだよ!徳河のアンタが捕まっていいわけねーだろ!吉音もイチイチイチイチ他人を構ってんじゃねぇ!前からも来てんだ張り倒すぞボケ!」
吉音「は、はい…」
詠美「は、はい…」
苛立ちが募り過ぎて先におれがブチ切れてしまった。しかもまたも敵がぞろぞろと立ちはだかる。
逃げる方向に先回りされているのか。それともおれ達が敵の中に突っこんでいってるのか。どこにいっても敵がいる状況に、集中は千々にかき乱される。
平良「ッ……!あの人数はダメだ……別の道だ!」
吉音「あああ!後ろからも来たよ!」
ついさっき一団を打ち破ってきたはずなのに……また別の集団なのか?複数方向から同時に襲われることが多くなってきている。いよいよ手詰まりが近いか……!
刺客A「相手の足は鈍ってきている!もう少しだぞ、追い詰めろ!」
いやまだまだ!こんな奴らのまえで諦めて捕まるなんて、カッコ悪いマネは出来ないからな!
悠「そこに横道がある!制圧されるまえに速く!」
横道といっても塀と塀の隙間という感じで、四人が横に並べばソレでいっぱいになってしまう細い路地だ。
それでもただ突っ立っているよりは、いくらかはマシなはず!
平良「他に手はないな。私が先に行く!!後に続いてくれ!」
悠「殿はまかせろ!」
まず長谷河が飛びこんでいく。それに吉音、徳河さんと続き、殿は宣言通りおれがついた。
刺客A「行かせるか!手こずらされたが……ここで仕留める!」
敵方も当然黙ってはいない、狭い道に大挙して迫ってくる。
悠「ちっ、もう一発いくか……龍剄気……」
詠美「はぁ!はぁ!はぁっ!くぅ……うう!」
悠「ちょ、徳河さん、大丈夫か?無理そうなら本当におれが……」
詠美「うく……ぅ……む、胸が……っ、はぁっ、はぁっ」
徳河さんの顔色が悪い。胸を押さえて強く顔を歪め、額には脂汗が浮いている。なんだ、もしかして体調でもわるいのか?