ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】
ー大江戸学園:武家屋敷街外れー
刺客G「おおおっ!」
悠「無駄ぁ!」
吉音「てぇぇやっ!」
刺客F「うわぁぁっ!」
危ういところで敵の攻撃を受け止めると、横から吉音が援護を入れてくれた。
悠「ナイスだ!」
吉音「そういうのはあとあと!」
またひとつ敵のラインを突破し、無人の夜道を駆ける。
刺客B「また南行ったぞ!厚くしろ!」
く……おれ達の行く先を見て、部隊を展開しているのか。
並の組織じゃないな。有能な指揮官がついてるな……。
詠美「由比雪那ね。私たちが共倒れになって喜ぶ人。これだけの人員を動員できて、正確に動かすことのできる人。彼女以外に考えられないわ」
学園征服の邪魔になる吉音と徳河さん両方に偽の手紙を送り、おびき寄せたうえで始末する。
なるほど由比の考えそうなことだ。
悠「なおさら、ここでやられるわけにはいかないな。」
詠美「ええ。最悪夜明けまで持ちこたえれば、文字通り光明も見えてくるはずよ」
悠「……そいつは最悪の中でもさらに最悪だ。」
周囲にはいくらでも身を隠せる家屋がある。しかしそこで足を止めてしまうと、発見されたときには万事休してしまう。
やはり全力で突破することを第一にしなければ。
刺客G「こっちは行き止まりだ!」
また道の先には、ズラリと並ぶ武器を持った生徒たちが。
しかもその数、これまで道をふさいでいた一部隊の三倍はある。背後からはさっき抜けたばかりの部隊が追いすがってきているし……!
平良「マズイなっ……」
詠美「中を抜けるわ!」
瞬時に進行方向を変えた徳河さんが、横手のお屋敷の中へと駆けこんでいく。
悠「でも出入り口をふさがれたら!」
詠美「その前に突っ切るの!」
悠「……そういうことか!」
門から入り、そのまま庭を駆け抜け裏口へと向かう。
知らない家ではあったけど、人気がまったくない。これも計略に含まれているんだろうか。
詠美「ぃ……やぁっ!」
刺客B「がぁっ!ど、どこからっ……!」
抜けた先には、ちょうどさっき振り切って来た一段の姿があった。
吉音「隙アリーっ!」
平良「こちらも遠慮はしない!」
相手が態勢を整える前に、全力の奇襲でカタをつける。が当然これで安全が確保されたわけじゃない。じっとしていたらどんどん網の目が狭くなるばかりだ。
刺客G「いたぞ!あんな所からっ」
悠「速いな、もう見つかったのか!」
平良「驚く暇があったら走れ!」
悠「いいや、ここで少し隊列を崩す!」
下半身の回転、そのエネルギーを肩へ腕へ拳の先へと送り込み空気を叩く。細く鋭く尖った氣。
大気を擦り龍が哭いているような音ともに弾針剄が突っこんでくる刺客の一陣にを吹き飛ばした。
刺客F「ぐあぁぁぁっ!」
悠「うっし……!?」
刺客B「野郎っ!待て!」
吹き飛ばした数人を押し退けて、その倍の人数が向かってくる。これはホントに切りがない。おれは即座に駆けだした。
詠美「まったく……はぁっ、しつこいわね」
徳河さんの息があがってきている……この中じゃ一番荒事に向いてなさそうだし、無理もないが。
でも休んでなんかいられないのは、徳河さんが一番よくわかっているはず。なんとか堪えてもらうしかない。
刺客G「おおおっ!」
悠「無駄ぁ!」
吉音「てぇぇやっ!」
刺客F「うわぁぁっ!」
危ういところで敵の攻撃を受け止めると、横から吉音が援護を入れてくれた。
悠「ナイスだ!」
吉音「そういうのはあとあと!」
またひとつ敵のラインを突破し、無人の夜道を駆ける。
刺客B「また南行ったぞ!厚くしろ!」
く……おれ達の行く先を見て、部隊を展開しているのか。
並の組織じゃないな。有能な指揮官がついてるな……。
詠美「由比雪那ね。私たちが共倒れになって喜ぶ人。これだけの人員を動員できて、正確に動かすことのできる人。彼女以外に考えられないわ」
学園征服の邪魔になる吉音と徳河さん両方に偽の手紙を送り、おびき寄せたうえで始末する。
なるほど由比の考えそうなことだ。
悠「なおさら、ここでやられるわけにはいかないな。」
詠美「ええ。最悪夜明けまで持ちこたえれば、文字通り光明も見えてくるはずよ」
悠「……そいつは最悪の中でもさらに最悪だ。」
周囲にはいくらでも身を隠せる家屋がある。しかしそこで足を止めてしまうと、発見されたときには万事休してしまう。
やはり全力で突破することを第一にしなければ。
刺客G「こっちは行き止まりだ!」
また道の先には、ズラリと並ぶ武器を持った生徒たちが。
しかもその数、これまで道をふさいでいた一部隊の三倍はある。背後からはさっき抜けたばかりの部隊が追いすがってきているし……!
平良「マズイなっ……」
詠美「中を抜けるわ!」
瞬時に進行方向を変えた徳河さんが、横手のお屋敷の中へと駆けこんでいく。
悠「でも出入り口をふさがれたら!」
詠美「その前に突っ切るの!」
悠「……そういうことか!」
門から入り、そのまま庭を駆け抜け裏口へと向かう。
知らない家ではあったけど、人気がまったくない。これも計略に含まれているんだろうか。
詠美「ぃ……やぁっ!」
刺客B「がぁっ!ど、どこからっ……!」
抜けた先には、ちょうどさっき振り切って来た一段の姿があった。
吉音「隙アリーっ!」
平良「こちらも遠慮はしない!」
相手が態勢を整える前に、全力の奇襲でカタをつける。が当然これで安全が確保されたわけじゃない。じっとしていたらどんどん網の目が狭くなるばかりだ。
刺客G「いたぞ!あんな所からっ」
悠「速いな、もう見つかったのか!」
平良「驚く暇があったら走れ!」
悠「いいや、ここで少し隊列を崩す!」
下半身の回転、そのエネルギーを肩へ腕へ拳の先へと送り込み空気を叩く。細く鋭く尖った氣。
大気を擦り龍が哭いているような音ともに弾針剄が突っこんでくる刺客の一陣にを吹き飛ばした。
刺客F「ぐあぁぁぁっ!」
悠「うっし……!?」
刺客B「野郎っ!待て!」
吹き飛ばした数人を押し退けて、その倍の人数が向かってくる。これはホントに切りがない。おれは即座に駆けだした。
詠美「まったく……はぁっ、しつこいわね」
徳河さんの息があがってきている……この中じゃ一番荒事に向いてなさそうだし、無理もないが。
でも休んでなんかいられないのは、徳河さんが一番よくわかっているはず。なんとか堪えてもらうしかない。