ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】
ー大江戸学園:武家屋敷街外れー
平良「十本……二十本……数え切れないな」
吉音「どうして?詠美ちゃんが呼んでくれたんじゃいの?」
詠美「違うわ。強いていえば私たち全員が呼ばれたことになるのだろうけれど」
そんな言葉を交わす間にも、刺客はじりじりと距離を詰めてくる。
周囲どちらを見ても、蟻の這い出る隙間もない。
このままじっとしていても、ただやられるのを待つだけだ。
悠「チッ……ぞろぞろとまぁ……。」
詠美「こちらから斬り込んで血路を開くしかないわ。吉音さん、あなたもいい加減に状況を理解して」
吉音「……もし無事だったら、そのときにまた、お話し、できる?」
詠美「無事だったら、そのときに考える」
吉音「わかった。それじゃあ、絶対に守って見せるから」
詠美「自分の身くらい、自分で守るわよ……!」
悠「それじゃあ、固まって突っこむぞ。まずこの場所を離れることを第一に」
視線を交わし合い、頷き合う。
呼吸も合わせ……身体に力を溜めて……3、2、1……ゼロ!
吉音「えぇ~~いっ!道をあけろぉーっ!」
詠美「こんな姑息な手に、やられるわけにはいかないっ!」
弓から矢が放たれるように、わき目もふらず、一方の道をふさぐ刺客集団の中へと踊り込む!
刺客A「来たぞ!無理に一対一で勝とうとするな!押し込め!」
刺客B「時間をかけて良い、確実にしとめろ!」
そんな声が飛び交うのが聞こえる。
もしかするとこの敵、目に見えている以上に広範囲に展開しているのかもしれない。
吉音「せやっ!!」
刺客C「ぐあっ!」
真っ先に切り込んだ吉音の刀が、強引に刺客を弾き飛ばす。
詠美「……はっ!」
平良「うおおおおっ!」
刺客D「くぅ!速いっ……!」
刺客E「うぁぁあっ!」
悠「まだまだ、こっちからもだっ!」
刺客F「うぐぉぁっ?!」
吉音が開いた突破口へ、次々に飛びこんで切り崩していく。
詠美「他には構わず前へ!」
横からも後ろからも刺客が斬りかかってくるが、足を止めずにただ前へ。
人と人の間をすり抜け、ふさがれればなりふり構わずに押しのける。
吉音「もー!せっかくの日なのに邪魔してーっ!」
スッと目のまえが開け、刀を振りまわす刺客の間だから深淵のように暗い道の先が見えた。
詠美「今よ!走って!」
刺客A「行かれたかっ……南弐-壱だ!回りこめ!」
刺客のリーダーか?何か指示を出しているようだが、それを吟味している暇はない。
今はただ包囲網を抜けないと。
平良「シンゴ!火盗へ連絡しろ、援護要請だ!」
シンゴ『グルッ、グググ』
平良「どうしたしんご、早くしろ!」
シンゴ『グァオンッ!』
シンゴの姿が、消えた!?
平良「くっ、どういうことだ?」
タケチヨ『ヒュイ!』
詠美「タケチヨまで……剣魂が強制送還されて、呼び戻せない」
吉音「マゴベエも出て来てくれないよっ!」
平良「クソッ、どういうわけか私たちが剣魂を使えないようにさせられたらしいな。これでは外からの援護が望めない……!」
悠「向こうはそんな芸当ができるヤツがいるってことか!」
刺客B「逃がさんぞ!道をふさげ!」
ちっ……やっぱり壁は複数あるか!
援護は望めない、剣魂も使えない、その中をたった四人刀一本(おれは拳)で切り抜けなければならないとはっ。やれやれだぜ……。
平良「十本……二十本……数え切れないな」
吉音「どうして?詠美ちゃんが呼んでくれたんじゃいの?」
詠美「違うわ。強いていえば私たち全員が呼ばれたことになるのだろうけれど」
そんな言葉を交わす間にも、刺客はじりじりと距離を詰めてくる。
周囲どちらを見ても、蟻の這い出る隙間もない。
このままじっとしていても、ただやられるのを待つだけだ。
悠「チッ……ぞろぞろとまぁ……。」
詠美「こちらから斬り込んで血路を開くしかないわ。吉音さん、あなたもいい加減に状況を理解して」
吉音「……もし無事だったら、そのときにまた、お話し、できる?」
詠美「無事だったら、そのときに考える」
吉音「わかった。それじゃあ、絶対に守って見せるから」
詠美「自分の身くらい、自分で守るわよ……!」
悠「それじゃあ、固まって突っこむぞ。まずこの場所を離れることを第一に」
視線を交わし合い、頷き合う。
呼吸も合わせ……身体に力を溜めて……3、2、1……ゼロ!
吉音「えぇ~~いっ!道をあけろぉーっ!」
詠美「こんな姑息な手に、やられるわけにはいかないっ!」
弓から矢が放たれるように、わき目もふらず、一方の道をふさぐ刺客集団の中へと踊り込む!
刺客A「来たぞ!無理に一対一で勝とうとするな!押し込め!」
刺客B「時間をかけて良い、確実にしとめろ!」
そんな声が飛び交うのが聞こえる。
もしかするとこの敵、目に見えている以上に広範囲に展開しているのかもしれない。
吉音「せやっ!!」
刺客C「ぐあっ!」
真っ先に切り込んだ吉音の刀が、強引に刺客を弾き飛ばす。
詠美「……はっ!」
平良「うおおおおっ!」
刺客D「くぅ!速いっ……!」
刺客E「うぁぁあっ!」
悠「まだまだ、こっちからもだっ!」
刺客F「うぐぉぁっ?!」
吉音が開いた突破口へ、次々に飛びこんで切り崩していく。
詠美「他には構わず前へ!」
横からも後ろからも刺客が斬りかかってくるが、足を止めずにただ前へ。
人と人の間をすり抜け、ふさがれればなりふり構わずに押しのける。
吉音「もー!せっかくの日なのに邪魔してーっ!」
スッと目のまえが開け、刀を振りまわす刺客の間だから深淵のように暗い道の先が見えた。
詠美「今よ!走って!」
刺客A「行かれたかっ……南弐-壱だ!回りこめ!」
刺客のリーダーか?何か指示を出しているようだが、それを吟味している暇はない。
今はただ包囲網を抜けないと。
平良「シンゴ!火盗へ連絡しろ、援護要請だ!」
シンゴ『グルッ、グググ』
平良「どうしたしんご、早くしろ!」
シンゴ『グァオンッ!』
シンゴの姿が、消えた!?
平良「くっ、どういうことだ?」
タケチヨ『ヒュイ!』
詠美「タケチヨまで……剣魂が強制送還されて、呼び戻せない」
吉音「マゴベエも出て来てくれないよっ!」
平良「クソッ、どういうわけか私たちが剣魂を使えないようにさせられたらしいな。これでは外からの援護が望めない……!」
悠「向こうはそんな芸当ができるヤツがいるってことか!」
刺客B「逃がさんぞ!道をふさげ!」
ちっ……やっぱり壁は複数あるか!
援護は望めない、剣魂も使えない、その中をたった四人刀一本(おれは拳)で切り抜けなければならないとはっ。やれやれだぜ……。