ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【9】
ー大江戸学園:南町奉行所ー
想「連携というのは、幕府と奉行所間のことでしょうか」
吉音はただ友達からお誘いが来たという風な喜び方をしているが……このところ関係があまり良好ではない、幕府からの協力要請となれば、ただゴトじゃない。
悠「でもどうして新に届いたんだ……。奉行所となら逢岡さんに来て然るべきなのに」
想「なにか徳田さん個人とお話しがしたいのかもしれません。その後に改めて奉行所に来るのでしょう……徳田さんひとりだけをどうこうというのは、考えにくいですし」
徳河さんは吉音をよく知っている……はずだ。
徳河さんから手紙が来たとなれば、吉音は必ずおれ達に見せびらかす。それを考慮に入れないはずがない。
吉音「なぁに??そんなに難しいこと書いてあったっけ」
悠「新、徳河さんからはどのくらいこんな風に誘われたことがあるんだ?」
吉音「学園に入ってからは初めてだよ」
やはり、そんな気はしていた。
だからこそ吉音はここまで無邪気に喜んでいるんだろう。
想「まぁこちらと関係改善する前に、ふたりの間も改善しておこう、というだけかもしれません。勘ぐりすぎて徳河さんの機嫌を損ねてもいけませんしね……」
悠「それもそうっすけど……。」
徳河さんも人間だし、疎遠だったひとに声をかけるのに何か理由が欲しかったのかもしれない。
実際由比の脅威は学園全体に及びつあるし、徳河さんとは仲良くなっておきたいところだ。
吉音「ね~ん~。だから悠もいっしょに行こうよ」
悠「あ?なんでおれまで……っか、ものすごく久しぶりなんだろ?」
吉音「いいよいいよ。悠も詠美ちゃんと仲良くなったんでしょ?」
悠「何度か接点はあったけど、仲良くなにったかどうかでいえば、控え目にいってなってはないと思うんだが……」
吉音「邪魔に思われたら帰ればいいんだよ」
悠「ははっ、なるほどなー。邪魔なら帰れかぁー……サラッと酷いこという奴だなお前は!」
もしかしたら吉音でも、久々に二人っきりというシュチュエーションに尻ごみしているのかもしれない。
想「(私からもお願いします。……何かあったときのために)」
逢岡さんからも耳打ちされた。あん、くすぐったい……。じゃなくて、この慎重さも、名奉行と呼ばれる由縁なんだろう。
まさか徳河さんが刃を向けてくる、なんてことは無いだろうけど……真意が読めない以上、いくらか警戒しておいて損はない。
悠「わかった。それじゃあご相伴にあずかろうかな」
吉音「そうそう。それでいいんだよ。へへへっ」
悠「……」
……この舞いあがっている吉音の方を心配すべきかもな。
ー大江戸学園:武家屋敷街外れー
吉音「どこかな。詠美ちゃんはどこかな~」
待ち合わせの場所だとしてやってきたのは、武家屋敷街のはずれ。
このあたりには剣徒でも住む人は少なくなり、重々しい静寂に包まれている。
友人同士での夕食なら、もう少し賑やかな所でも良いと思うんだが……。
悠「……本当に待ち合わせはここでいいのか?」
吉音「間違いないよ。マゴベエが案内してくれたんだもん」
マゴベエ『ピュイィ』
悠「それにしても、なぁ」
手紙に書かれていた場所をマゴベエに読ませ、連れて来られたのがここだ。
剣魂はみんな学園のコンピューターとリンクしているというから、場所を間違えるはずはない。
う~ん、雲のうえの人たちだけが知る隠された名店、みたいなものでもあるんだろうか。
ただ、その場合普通に予約とか入ってそうだ。おれが弾かれる可能性があがるな……。
想「連携というのは、幕府と奉行所間のことでしょうか」
吉音はただ友達からお誘いが来たという風な喜び方をしているが……このところ関係があまり良好ではない、幕府からの協力要請となれば、ただゴトじゃない。
悠「でもどうして新に届いたんだ……。奉行所となら逢岡さんに来て然るべきなのに」
想「なにか徳田さん個人とお話しがしたいのかもしれません。その後に改めて奉行所に来るのでしょう……徳田さんひとりだけをどうこうというのは、考えにくいですし」
徳河さんは吉音をよく知っている……はずだ。
徳河さんから手紙が来たとなれば、吉音は必ずおれ達に見せびらかす。それを考慮に入れないはずがない。
吉音「なぁに??そんなに難しいこと書いてあったっけ」
悠「新、徳河さんからはどのくらいこんな風に誘われたことがあるんだ?」
吉音「学園に入ってからは初めてだよ」
やはり、そんな気はしていた。
だからこそ吉音はここまで無邪気に喜んでいるんだろう。
想「まぁこちらと関係改善する前に、ふたりの間も改善しておこう、というだけかもしれません。勘ぐりすぎて徳河さんの機嫌を損ねてもいけませんしね……」
悠「それもそうっすけど……。」
徳河さんも人間だし、疎遠だったひとに声をかけるのに何か理由が欲しかったのかもしれない。
実際由比の脅威は学園全体に及びつあるし、徳河さんとは仲良くなっておきたいところだ。
吉音「ね~ん~。だから悠もいっしょに行こうよ」
悠「あ?なんでおれまで……っか、ものすごく久しぶりなんだろ?」
吉音「いいよいいよ。悠も詠美ちゃんと仲良くなったんでしょ?」
悠「何度か接点はあったけど、仲良くなにったかどうかでいえば、控え目にいってなってはないと思うんだが……」
吉音「邪魔に思われたら帰ればいいんだよ」
悠「ははっ、なるほどなー。邪魔なら帰れかぁー……サラッと酷いこという奴だなお前は!」
もしかしたら吉音でも、久々に二人っきりというシュチュエーションに尻ごみしているのかもしれない。
想「(私からもお願いします。……何かあったときのために)」
逢岡さんからも耳打ちされた。あん、くすぐったい……。じゃなくて、この慎重さも、名奉行と呼ばれる由縁なんだろう。
まさか徳河さんが刃を向けてくる、なんてことは無いだろうけど……真意が読めない以上、いくらか警戒しておいて損はない。
悠「わかった。それじゃあご相伴にあずかろうかな」
吉音「そうそう。それでいいんだよ。へへへっ」
悠「……」
……この舞いあがっている吉音の方を心配すべきかもな。
ー大江戸学園:武家屋敷街外れー
吉音「どこかな。詠美ちゃんはどこかな~」
待ち合わせの場所だとしてやってきたのは、武家屋敷街のはずれ。
このあたりには剣徒でも住む人は少なくなり、重々しい静寂に包まれている。
友人同士での夕食なら、もう少し賑やかな所でも良いと思うんだが……。
悠「……本当に待ち合わせはここでいいのか?」
吉音「間違いないよ。マゴベエが案内してくれたんだもん」
マゴベエ『ピュイィ』
悠「それにしても、なぁ」
手紙に書かれていた場所をマゴベエに読ませ、連れて来られたのがここだ。
剣魂はみんな学園のコンピューターとリンクしているというから、場所を間違えるはずはない。
う~ん、雲のうえの人たちだけが知る隠された名店、みたいなものでもあるんだろうか。
ただ、その場合普通に予約とか入ってそうだ。おれが弾かれる可能性があがるな……。