ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました
ー大江戸学園:駅近くー
楽しい(?)食事会も終わり、はなちゃんは崇たちと帰り。光姫さんと由佳里ちゃんとも別れたあと、おれと新は小鳥遊堂へと戻るところだ。
新「お腹いっぱいだ~」
悠「……」
新「な、何?その顔?」
悠「腹いっぱいなんて新の口から」
新「ん。でも少し歩いたからもうちょっとくらいは入るようになったかも」
悠「店の米びつ、空にしといてよくいうな。いったいその細い身体のどこにあれだけの米がはいるんだよ?」
新「あははは。」
悠「笑いごっちゃねぇよ。っか、やっぱり胸か。」
新「ん?」
悠「なんだ、トイレか?」
目を閉じて集中しているらしい新の姿はまるで何かを受信しているように見えた。
かっと目を見開くと新は呟く。
新「誰か、ケンカしてる」
悠「え……マジで受信したのか?」
新「行かなきゃ!」
悠「行くってどこにだよ!?」
新「えっと……こっち!」
新は通りの向こうを指差すとそちらへ駆け出した。
悠「ちょ…あーもーバカ新、ちょっと待てよ!」
追いかけるしかない。
同じ頃、寺の境内では…
天狗党員B「この密告者め!」
天狗党員C「み、密告…など」
天狗党員D「黙らんか、天狗党の活動を女に漏らしおったろうが」
天狗党員B「お前のように女にうつつを抜かしていて世直しが果たせると思っているのか」
天狗党員C「か、彼女は?英恵はいったいどこに?」
天狗党員A「女なら御前の元へと送っておる。政治の分からぬ愚かな女にも、その理想がいかに素晴らしいものかを御前自ら諭して下さるわ」
天狗党員C「英恵は違うんだ!ご、御前と話をさせてくれ!」
天狗党員A「お前のような下賤の者に御前がお会いになるわけがなかろうが。俺は高岡様より貴様への仕置きを申し付けられておる。たっぷりと痛めつけて精根をたたき直してやれとな」
天狗党員D「悪く思うなよっ!」
天狗党員C「は、英恵っ!」
一人が彼を羽交い締めにし、もう一方が拳を振りかぶった時だった。
金「おう、そこまでにしときな!」
殴りかかろうとした男の天狗面をつぶてがへし折った。突然のことに悲鳴を上げてのけぞる男。
天狗党員B「なにっ!?」
真留「痛い思いをしたくなければ、動かないでください」
そこには指で挟んだ銭を構えた真留の姿。天狗の面を砕いたのは彼女の投げた銭だった。
そして真留の傍らには遊び人の金さんの姿があった。
金「とうとう鼻を掴んでやったぜ、天狗共。世直しとか聞こえがいいこといっときながら、裏でやってることはリンチかよ」
天狗党員A「り、リンチではない!大義のための粛正だ!」
金「うるせえ!話ならふん縛った後でたっぷり聞いてやらぁ」
天狗党員A「くっ…お前たち、先にこいつらを始末しろ!」
「「ははっ!」」
金「よっしゃ、かかってきやがれ!」
腕をまくり上げ嬉々として相手をしようとする金さんだが、すっと真留が歩みでる。
楽しい(?)食事会も終わり、はなちゃんは崇たちと帰り。光姫さんと由佳里ちゃんとも別れたあと、おれと新は小鳥遊堂へと戻るところだ。
新「お腹いっぱいだ~」
悠「……」
新「な、何?その顔?」
悠「腹いっぱいなんて新の口から」
新「ん。でも少し歩いたからもうちょっとくらいは入るようになったかも」
悠「店の米びつ、空にしといてよくいうな。いったいその細い身体のどこにあれだけの米がはいるんだよ?」
新「あははは。」
悠「笑いごっちゃねぇよ。っか、やっぱり胸か。」
新「ん?」
悠「なんだ、トイレか?」
目を閉じて集中しているらしい新の姿はまるで何かを受信しているように見えた。
かっと目を見開くと新は呟く。
新「誰か、ケンカしてる」
悠「え……マジで受信したのか?」
新「行かなきゃ!」
悠「行くってどこにだよ!?」
新「えっと……こっち!」
新は通りの向こうを指差すとそちらへ駆け出した。
悠「ちょ…あーもーバカ新、ちょっと待てよ!」
追いかけるしかない。
同じ頃、寺の境内では…
天狗党員B「この密告者め!」
天狗党員C「み、密告…など」
天狗党員D「黙らんか、天狗党の活動を女に漏らしおったろうが」
天狗党員B「お前のように女にうつつを抜かしていて世直しが果たせると思っているのか」
天狗党員C「か、彼女は?英恵はいったいどこに?」
天狗党員A「女なら御前の元へと送っておる。政治の分からぬ愚かな女にも、その理想がいかに素晴らしいものかを御前自ら諭して下さるわ」
天狗党員C「英恵は違うんだ!ご、御前と話をさせてくれ!」
天狗党員A「お前のような下賤の者に御前がお会いになるわけがなかろうが。俺は高岡様より貴様への仕置きを申し付けられておる。たっぷりと痛めつけて精根をたたき直してやれとな」
天狗党員D「悪く思うなよっ!」
天狗党員C「は、英恵っ!」
一人が彼を羽交い締めにし、もう一方が拳を振りかぶった時だった。
金「おう、そこまでにしときな!」
殴りかかろうとした男の天狗面をつぶてがへし折った。突然のことに悲鳴を上げてのけぞる男。
天狗党員B「なにっ!?」
真留「痛い思いをしたくなければ、動かないでください」
そこには指で挟んだ銭を構えた真留の姿。天狗の面を砕いたのは彼女の投げた銭だった。
そして真留の傍らには遊び人の金さんの姿があった。
金「とうとう鼻を掴んでやったぜ、天狗共。世直しとか聞こえがいいこといっときながら、裏でやってることはリンチかよ」
天狗党員A「り、リンチではない!大義のための粛正だ!」
金「うるせえ!話ならふん縛った後でたっぷり聞いてやらぁ」
天狗党員A「くっ…お前たち、先にこいつらを始末しろ!」
「「ははっ!」」
金「よっしゃ、かかってきやがれ!」
腕をまくり上げ嬉々として相手をしようとする金さんだが、すっと真留が歩みでる。