ｰ大江戸学園:南町奉行所ｰ

往水「ええそのとおりですよ」

悠「仲村?」

往水「とりあえずとっ捕まえて、必要ならあとで叱られれりゃいいんですよ。決まりだ決まりだって、そんなこと言い続けてちゃ、なぁんにも出来ずに終わってしまいやすよ」

想「非常に仲村さんらしいですが……町方のセリフとは思えませんね。しかし、私もそのように思います」

桃子「おお!それじゃ殴りこめるんだな!?」

想「ただ、申し訳ないのですがそこへ奉行所が協力することはできません。皆さんにはあくまでゲリラ勢力として襲撃をかけていただきます」

桃子「なっ、なんでだよ。向こうにはシオンとか大神とか右京山とか、やべぇやつがついてんだぜ?そりゃあ、人数なら問題なく集まると思うけどよ……」

ここに来るまで、既に多くの打ちこわしを訴える生徒とすれ違ってきた。

今もこの奉行所周辺に、生徒たちが集まってきているという。

想「私たち役人が表立って、権利のないところへ介入する事はできません。後々口実を与えることにつながってしまいます。汚名を被らせてしまうのですが、とにかく瑞野を押さえることが優先されます。どうぞご理解ください」

桃子「……わかった。そういうことなら仕方ねぇな」

吉音「うん!想いちゃん達が出来ない分まで、あたしたちがおもいっきり頑張ってくるよ!」

久秀「毒を持って毒を制す。本当の悪役がどういうものか久秀が教えてあげるのも悪くないわね。」

悠「ええ。目安箱と同じです。身軽だからこそ出来ることも沢山ある。いつも逢岡さんたちばかりに押し付けちゃいけませんからね」

想「すみません。お願いいたします。後を悪くすることは絶対にしません」

桃子「へへ……よぉし、腹を空かせた鬼がどれだけ恐ろしいか、思い知らせてやらぁ!」




男子生徒A「桃子さん!徳田さん!どうでしたか!?」

桃子「おう!これから五人組の屋敷へ殴りこみをかけるぜ!瑞野が逃げねぇうちに取り押さえるんだ!」

吉音「想いちゃんは忙しくて出られないけど、そのぶん後から助けてくれるって」

男子生徒B「……それも、俺たち自身の手でヤツをとっちめられると思やむしろ嬉しいことだ!」

男子生徒C「おうよ!俺たちの恨みを思い知らせてやるぜ!」

おお!と鬨の声があがった。

誰も怖気づくことなく闘志を燃やしている。

それもそのはず、ここにいるのは皆五人組の経済操作で、少なからず困窮した人ばかりなのだから。

久秀「ここで裏切った方が真の悪役になれるかしら……」

悠「やめてくれ、お前がいうと冗談に聞こえん」

久秀「冗談よ。負けフラグが立ってる方に着くほど久秀は愚かではないわ。」

悠「……だといいんだが」

桃子「ようし、屋敷の場所はわかってんな?瑞野の野郎にひと泡吹かせてやるぜー!!」




ｰ大江戸学園:北町奉行所ｰ

左近「南町は五人組の屋敷を攻撃することに決めたそうですよ」

朱金「そうか」

真留「北町では、なにもしないのですか?」

朱金「逢岡も、何かをしてるわけじゃねぇ。強いていえば黙認くらいだ。瑞野相手じゃオレたちが出ると逆に不利になる。見て見ぬふりをするのが一番なんだよ」

真留「なるほど……徳田さんたちには頑張ってもらいたいですね」

朱金「ああ。学園はオレたちのもんだ。他の誰にも渡しゃしねぇよ」

左近「ですねぇ。それじゃあ、報告も済んだんで私は失礼しますよっと」

真留「何処へ行かれるのですか?」

左近「ちょっと報告しなきゃいけないところが他にも有るんでね。私ゃメッセンジャーボーイとかのつもりはないんですけどねぇ。あっはっはっ。」

真留「ご苦労様です!」

朱金「……(左近の野郎は色んなところでちょろちょろしてるっぽいが瑞野とは精通してなかったのか。それとも……?)」