ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】
ー大江戸学園:大通りー
悠「それで……鬼島さんはいつまで、そうやって黙ってるつもりなんですか?」
桃子「……」
吉音「モココちゃん、ずーっと機嫌悪いよね。どうして?」
桃子「別に、悪くねぇよ。いつもどおりだろ」
悠「いや、全然いつもどおりじゃないだろ」
鬼島さんは、誰がどう見たって不機嫌な顔をしている。港からの帰り道、ずっとこの顔なのだ。
吉音「……あたし、なにかいけないことしちゃったのかな」
桃子「あ……そんなことないよ。新が悪いんじゃないんだ。」
吉音「じゃ、悠のせい?」
桃子「はあっ……そんなわけないだろ。だいたいどうして、あたいが悠なんかのことで苛々するってんだよ……」
吉音「……さあ?」
桃子「さあ、ってなぁ……まあいいか。眠くてたまんねぇし、さっさと帰って寝ちまおうぜ」
鬼島さんはそういうと、大股でずんずんと歩いていった。
さりげなく「悠なんか」と馬鹿にされた気がするのは、気のせいだという事にしておこう。
吉音「あーっ、待ってよ、モココちゃーん」
吉音も、小走りで鬼島さんを追いかけていく。
悠「……なんなんだろうか」
久秀「あの態度を見てそれが分からないっていうんだから悠は空気が読めないって言われるのね。」
悠「失礼な、空気は吸うものだ。」
久秀「それよりも今から寝るって、もう夜明けまで一時間ほどしかないのにねぇ」
悠「確かに……今から寝たら、確実に寝坊するわな。明日も……いや今日も授業があるっていうのに。とはいえ……おれも眠いや……ふあぁ……」
久秀「久秀はもう今日はサボるわ。どうせあの二人と違って久秀は優秀だし」
悠「お前はホントに歯に衣着せないよな……」
久秀「悠もサボったら?一緒に寝るの許してあげるから」
悠「は……?え、おれいつフラグ立てた?」
久秀「アホ?あの茶屋で人間が二人以上で寝るとしたらどうしても同室になるでしょう。それとも久秀に朝駆けを仕掛ける気かしらぁ?」
悠「なんでやねん……っか、ウチで寝ていくのかよ。」
久秀「一刻も早くシャワーを浴びたいのよ。ほら、とっとと帰るわよ。犬」
悠「へいへい……って、誰が犬じゃ!!」
久秀「くすくすっ」
おれは久秀におちょくられながら帰るのだった。
今日の授業はさぼってしまおう……。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「変わらないなぁ……」
吉音「変わらないねぇ……」
不正を働く商人や役人を少しずつ成敗し、五人組が密かに招き入れた船も押さえた。
しかし身近なところでの生活にはまったくと言っていいほど変化がない。
五人組は手を広げているし、密入港してくる船も、おれたちが把握しきれていない物もあるんだろう。
悠「越後屋もひとりでは対抗しきれないし……やっぱり外からまともに商戦を挑んでも勝ち目は薄いな。お役人の中から自浄作用が働いてくれるのが、一番いいんだけど……」
吉音「だったら詠美ちゃんがなんとかしてくれるよ!」
悠「そうだなぁ……もうそういうのに期待するしかないのかな」
もつろんこちらはこちらで活動を続けていくつもりだけど。
逐次投下では膠着状態が続くだけだ。どこかで一斉に、大きく動かなければ……。
何かきっかけはないものかな。
悠「それで……鬼島さんはいつまで、そうやって黙ってるつもりなんですか?」
桃子「……」
吉音「モココちゃん、ずーっと機嫌悪いよね。どうして?」
桃子「別に、悪くねぇよ。いつもどおりだろ」
悠「いや、全然いつもどおりじゃないだろ」
鬼島さんは、誰がどう見たって不機嫌な顔をしている。港からの帰り道、ずっとこの顔なのだ。
吉音「……あたし、なにかいけないことしちゃったのかな」
桃子「あ……そんなことないよ。新が悪いんじゃないんだ。」
吉音「じゃ、悠のせい?」
桃子「はあっ……そんなわけないだろ。だいたいどうして、あたいが悠なんかのことで苛々するってんだよ……」
吉音「……さあ?」
桃子「さあ、ってなぁ……まあいいか。眠くてたまんねぇし、さっさと帰って寝ちまおうぜ」
鬼島さんはそういうと、大股でずんずんと歩いていった。
さりげなく「悠なんか」と馬鹿にされた気がするのは、気のせいだという事にしておこう。
吉音「あーっ、待ってよ、モココちゃーん」
吉音も、小走りで鬼島さんを追いかけていく。
悠「……なんなんだろうか」
久秀「あの態度を見てそれが分からないっていうんだから悠は空気が読めないって言われるのね。」
悠「失礼な、空気は吸うものだ。」
久秀「それよりも今から寝るって、もう夜明けまで一時間ほどしかないのにねぇ」
悠「確かに……今から寝たら、確実に寝坊するわな。明日も……いや今日も授業があるっていうのに。とはいえ……おれも眠いや……ふあぁ……」
久秀「久秀はもう今日はサボるわ。どうせあの二人と違って久秀は優秀だし」
悠「お前はホントに歯に衣着せないよな……」
久秀「悠もサボったら?一緒に寝るの許してあげるから」
悠「は……?え、おれいつフラグ立てた?」
久秀「アホ?あの茶屋で人間が二人以上で寝るとしたらどうしても同室になるでしょう。それとも久秀に朝駆けを仕掛ける気かしらぁ?」
悠「なんでやねん……っか、ウチで寝ていくのかよ。」
久秀「一刻も早くシャワーを浴びたいのよ。ほら、とっとと帰るわよ。犬」
悠「へいへい……って、誰が犬じゃ!!」
久秀「くすくすっ」
おれは久秀におちょくられながら帰るのだった。
今日の授業はさぼってしまおう……。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「変わらないなぁ……」
吉音「変わらないねぇ……」
不正を働く商人や役人を少しずつ成敗し、五人組が密かに招き入れた船も押さえた。
しかし身近なところでの生活にはまったくと言っていいほど変化がない。
五人組は手を広げているし、密入港してくる船も、おれたちが把握しきれていない物もあるんだろう。
悠「越後屋もひとりでは対抗しきれないし……やっぱり外からまともに商戦を挑んでも勝ち目は薄いな。お役人の中から自浄作用が働いてくれるのが、一番いいんだけど……」
吉音「だったら詠美ちゃんがなんとかしてくれるよ!」
悠「そうだなぁ……もうそういうのに期待するしかないのかな」
もつろんこちらはこちらで活動を続けていくつもりだけど。
逐次投下では膠着状態が続くだけだ。どこかで一斉に、大きく動かなければ……。
何かきっかけはないものかな。