ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー料亭ー

悠「はぁ…」

崇「料理を目の前にしてため息をつくな。」

拳二「まったくだぜ。こんな料亭滅多にこれねぇだろ。なにが不満なんだ」

悠「おれがため息をついてるのは…お前ら二人がおれと同席をしとることだよ!なんでだよ!光姫さんがせっかくごちそうしてくれるってウキウキしてたのに……なんで、いざ店に来て目の前にいるのは、新とはなちゃんと光姫さんと由佳里ちゃんじゃなくお前らなんだよ。」

拳二「七人掛けの席が無かったからだろ。ついでに、あっちのお嬢ちゃんたちが気を使わないように俺らは俺らで固まったんだろ。」

崇「お前らはさっきから誰に向かって説明してる?」

悠「そりゃ皆々様方に……って、そんな事はいいんだよ。」

崇「箸をつけないなら食うぞ」

悠「食うよ!ガッツリ食うよ!」

拳二「ふぅ~…」

悠「食事の最中に煙草吸うな!」

拳二「ここは喫煙席だろ?」

崇「そうだな。」

悠「そういう問題じゃなくてさ…」

拳二「じゃあなんだ?あぁ、醤油か、ほら。え、気が利くって?よく言われるよ」

悠「うるせぇよ!いってねぇよ!っか、稲葉とかも気軽に使いやがってるけどそのネタは元々はおれのだからな!」

崇「静かに食え。さっきからここに視線が集まってる」

悠「たぶん、だけどな…それはおれの声うんぬんよりお前の姿見だから」

崇「?」

悠「美形にゴリラに貞子髪だったら間違いなく美形を見るだろ」

崇「そうか?」

拳二「かっかっか。まぁ、この中じゃ女は崇を見るな」

崇「どうでもいい。」

悠「きいぃ!」

崇「奇声をあげるな」

悠「すまんな。あまりにもお食事が楽しすぎて興奮したんだ」

拳二「そいつは良かったな」

悠「イヤミが効きやしねぇ」

崇「お前と同じだな」

悠「うるへー。」

拳二「かっかっか。さて、じゃあ本題にはいるか」

悠「なんだよ」

崇「天狗党」

悠「うわ、聞きたくね」

拳二「天狗党ってのは今放火やらを繰り返してる中でだ、学園生でたいていの火消しとかはやってだろ」

悠「らしいな」

拳二「けど、そのなかに一部、学園生じゃない団体が動いて火消しなんかをしてるらしい」

悠「ん?自衛団かなんかか?」

崇「違う。王の獲物だ。」

悠「王の……戦闘仲裁機関か?けど、なんで」

崇「さぁな、ただそれもひとつの戦闘行為として仲裁してるつもりなんじゃないか?」

悠「ふぅん。ならいいじゃん」

崇「そうだな。だが、王は機関を潰したいらしい。悠、もし天狗党と関わるのなら機関にも十分注意しろ。お前、天狗党、機関が三つ巴になってるところに王が横やりを入れてくる可能性は十分ありうるぞ」

拳二「王は本気の本気で動きが読めねぇしな」

悠「はぁ…頼むから普通に茶屋だけに集中させてくれないか。こっちは小市民だぞ」

崇「ふん、よくいう」

拳二「かっかっか。」
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