ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】
ー大江戸学園:南町奉行所ー
輝から得た情報を、その足で南町奉行所の逢岡さんへと報告しにやってきた。
想「船が……なるほど、可能かどうかは別にしても、つじつまの合う話しではありますね」
悠「実際おれも半信半疑なんですが」
想「いえ、事実権利書の金銭による譲歩は常態化しています。それを厳しく取り締まっては、活発な商業活動の妨げとなってしまいますかね……」
悠「……」
逢岡さんでも、よくないと分かっていて見逃すこともあるんだな。ちょっとホッとした気がする。
想「確証がとれていないからと、動かずにいては何も事態は変わりません。密入港船に警戒し、この予測される時刻に出動しましょう」
悠「輝からの情報っていうのが癪ですけどね」
想「はは……公務に私情を挟むわけにはいきませんからね」
ー大江戸学園:長屋街ー
桃子「あたいも参加させてくれっ!」
南町の勢力だけでは、底の見えない相手への対処としてはやや心もとない。
そこで鬼島さんにも協力を要請しに来たのだが。
悠「おおう…」
桃子「長屋のみんなの生活はもう限界なんだ。これ以上値上がっちまったら首でもくくるしかねぇ。金貸し連中に取りこまれていいなりになってるヤツも多く出て来てる。なんとかしてぇんだ!」
話しを切りだすと、鬼島さんの方から強く申し出て来てくれた。
吉音「あたしも!最近悠がケチでさ~。あんまりおやつくれなくなったんだよね」
悠「イヤお前は普段から食べ過ぎだろ」
桃子「商人どもの口先の戦いじゃ、あたいは役に立たねぇけど、船をブンどるんだったら話は別だ。お願いだ!あたいにやらせてくれ!」
鬼島さんの目は真剣だ。
理屈じゃない、生活に直結する目先の状況に、怒りを燃やす。それを非難されるほどに、おれたちには余裕はないんだ。
往水「やれやれ、みなさま仕事熱心なことでございますねぇ」
想「何をいってるんですか。仲村さんも仕事をするんですよ」
セン『ピョーッ!ピョッピョ!』
想「人手はいくらあっても多過ぎるという事はないんですから」
往水「ホントにやれやれですよ。あっしをこんなこき使うなんて、お奉行様は鬼ですかい」
リツ『ピピーッ!』
悠「……おれには逢岡さん以上の仏なんて早々いないと思うけどな」
想「とにかく、この情報に間違いがなければ、見過ごしてはおけません。違反船を取り締まることにも、五人組の力を削ぎ、みなさんの生活を楽にすることにもつながります。鬼島さん、徳田さん、その際には是非よろしくお願いいたします」
桃子「ああ!今から腕が鳴るってもんだ!」
吉音「みんなのごはんのことだもんね。あたしも頑張るよ!」
悠「……一応、声かけてみるか」
想「どうかしましたか?」
悠「いや、戦力に動く火薬庫にも一応声かけときますね。」
想「あぁ……松永さんですか、そういえば今はどこに?」
悠「うちの店で店番してますよ。まぁ、それだけでおれは腹に時限爆弾抱えてるようなもんですけど」
想「……確かに松永さんは不敵な部分が多数ありますからね。ですけど、味方で居てくれるなら心強いですし、出来る限りの説得をおねがいします」
悠「えぇ、出来る限りはやってみますよ」
刀を振り回したり、嘘で他人をだましたりする、わかりやすい悪党の居ないこの事案。
しかし生活を絞めてくる敵であることは間違いない。なんとか突破口を見つけていかなければな。
輝から得た情報を、その足で南町奉行所の逢岡さんへと報告しにやってきた。
想「船が……なるほど、可能かどうかは別にしても、つじつまの合う話しではありますね」
悠「実際おれも半信半疑なんですが」
想「いえ、事実権利書の金銭による譲歩は常態化しています。それを厳しく取り締まっては、活発な商業活動の妨げとなってしまいますかね……」
悠「……」
逢岡さんでも、よくないと分かっていて見逃すこともあるんだな。ちょっとホッとした気がする。
想「確証がとれていないからと、動かずにいては何も事態は変わりません。密入港船に警戒し、この予測される時刻に出動しましょう」
悠「輝からの情報っていうのが癪ですけどね」
想「はは……公務に私情を挟むわけにはいきませんからね」
ー大江戸学園:長屋街ー
桃子「あたいも参加させてくれっ!」
南町の勢力だけでは、底の見えない相手への対処としてはやや心もとない。
そこで鬼島さんにも協力を要請しに来たのだが。
悠「おおう…」
桃子「長屋のみんなの生活はもう限界なんだ。これ以上値上がっちまったら首でもくくるしかねぇ。金貸し連中に取りこまれていいなりになってるヤツも多く出て来てる。なんとかしてぇんだ!」
話しを切りだすと、鬼島さんの方から強く申し出て来てくれた。
吉音「あたしも!最近悠がケチでさ~。あんまりおやつくれなくなったんだよね」
悠「イヤお前は普段から食べ過ぎだろ」
桃子「商人どもの口先の戦いじゃ、あたいは役に立たねぇけど、船をブンどるんだったら話は別だ。お願いだ!あたいにやらせてくれ!」
鬼島さんの目は真剣だ。
理屈じゃない、生活に直結する目先の状況に、怒りを燃やす。それを非難されるほどに、おれたちには余裕はないんだ。
往水「やれやれ、みなさま仕事熱心なことでございますねぇ」
想「何をいってるんですか。仲村さんも仕事をするんですよ」
セン『ピョーッ!ピョッピョ!』
想「人手はいくらあっても多過ぎるという事はないんですから」
往水「ホントにやれやれですよ。あっしをこんなこき使うなんて、お奉行様は鬼ですかい」
リツ『ピピーッ!』
悠「……おれには逢岡さん以上の仏なんて早々いないと思うけどな」
想「とにかく、この情報に間違いがなければ、見過ごしてはおけません。違反船を取り締まることにも、五人組の力を削ぎ、みなさんの生活を楽にすることにもつながります。鬼島さん、徳田さん、その際には是非よろしくお願いいたします」
桃子「ああ!今から腕が鳴るってもんだ!」
吉音「みんなのごはんのことだもんね。あたしも頑張るよ!」
悠「……一応、声かけてみるか」
想「どうかしましたか?」
悠「いや、戦力に動く火薬庫にも一応声かけときますね。」
想「あぁ……松永さんですか、そういえば今はどこに?」
悠「うちの店で店番してますよ。まぁ、それだけでおれは腹に時限爆弾抱えてるようなもんですけど」
想「……確かに松永さんは不敵な部分が多数ありますからね。ですけど、味方で居てくれるなら心強いですし、出来る限りの説得をおねがいします」
悠「えぇ、出来る限りはやってみますよ」
刀を振り回したり、嘘で他人をだましたりする、わかりやすい悪党の居ないこの事案。
しかし生活を絞めてくる敵であることは間違いない。なんとか突破口を見つけていかなければな。