ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】

ー大江戸学園:大通りー

男子生徒E「もしもし、ちょっと、そこの方……」

伊都「……ん?」

男子生徒E「いきなり呼び止めてしまってすみません。大神伊都さんとお見受けしましたが……」

伊都「……聞えません」

男子生徒E「……え?」

伊都「聞えませんわぁ、わたくしの名前は拝神夜。間違えたら、テストは零点にしますわよ?」

男子生徒E「こ、これは失礼しました……拝神さん」

伊都「わかればいいんですの。それじゃあ……」

男子生徒E「ちょ、ちょっと待ってください。まだ用事が……!」

伊都「なんですの?わたくしこう見えて、忙しいんですけど」

男子生徒E「実は、拝神さんの腕を見込んで、用心棒をお願いしたいと思いまして……」

伊都「ふふん?」

男子生徒E「報酬は……これぐらいでいかがでしょう?」

伊都「ひいふうみい……その指、一本何円ですの?」

男子生徒E「させっと、ゴニョゴニョ……で」

伊都「ひゅう♪なかなか、魅力的な額ですわね」

男子生徒E「やっていただけますか……?」

伊都「単なる用心棒じゃ、つまらないけど……」

男子生徒E「はい?」

伊都「この不景気なご時世に、そんな破格な報酬が出る意味が何なのか、ちょっと興味がありますわ。いいでしょう、この腕、お貸ししますわ」

男子生徒E「……ありがとうございます。では詳細は、追ってお知らせします」

伊都「は~~い、よろしくね♪」




ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

あれから、状況の進展はなし。

どうしたものかと悩む事しかできない。ひとりで部屋をごろごろとしていた時だった。

唐突に電話が鳴る。

悠「はい、もしもし?」

輝『やっほー、悠ちゃん。おいらおいら、おいらだよー』

悠「えーと、知り合いにオイラーさんっていうひとはいないんですが」

輝『あっはっはっ。悠ちゃんもたまには面白い冗談言うんだねえ』

まるでおれの冗談が普段は面白くないみたいな言われ方だな。

悠「なんのようだ?」

輝『そうそう。良い情報はいったんだ。電話じゃなんだからこっちにきておくれよ』

悠「そうなのか?わかった。じゃあ今は新たちでかけてるから戻ってきたら……」

輝『新ちゃんだったら居ても居なくても同じだからなぁ。オーカさんあたりだったら別だけど』

悠「逢岡さんがホイホイお前の所まで行くはずがないだろ。動けない事情でもあるのか?」

輝『いんや?ただ外に出るのが面倒なだけだよ。ていうかこんなやりとりもめんどくさいし、来るならチャッチャと来てよ』

確かにいわれる通り、面倒なだけのやりとりだなコレは。輝にまともに言葉が通じるわけもないし。

一応、輝も自分の仕事の合間にわざわざ時間取ってくれてるわけだしな。

悠「わかった。じゃあこれから行くよ」

輝『おっけー。じやあ準備して待ってるさー』
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