ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】
ー大江戸学園:天守閣ー
五人組:壱「どうも、応じてくださってありがとうございます」
酉居「前置きはいい。用件はなんだ。簡潔に」
五人組:壱「ではそのように。われわれの権利を、公式でも非公式でも構わないので、容認していただけませんか」
酉居「権利を容認……活動に便宜を図れということか」
五人組:壱「問屋の多くを抱え込み、我々に借金している生徒も多い。権勢を弱めている皆様には多くのメリットがあると思われますが……?」
詠美「……あなた、執行部に向かって不正を持ちかけるの?自分が何をしているのかわかっているのかしら?」
五人組:壱「不正とは人聞きの悪い。協力していけないかというご提案ですよ」
詠美「話にならないわ。私たちが特定の個人に肩入れしするわけにはいかない」
酉居「……いや、それは言い方ひとつで変わることだろう。グループとしてここまで成長し、大きな影響力を持っていれば、いずれにしても無視はできない。逆に我々が使えば、効率のよい統治に役立てることも出来るのではないか?」
詠美「つまり公的な役職を追加するという事?」
酉居「そうだ。これまで無法地帯だったところに秩序を与えると考えれば問題ない」
詠美「その自由さが競争を生み、学園は発展してきたんでしょう?」
酉居「そして行きついた所がこれだ。学園は改革を必要としている。」
光姫「そのとおりじゃ、改革じゃ」
酉居「水都さん……」
光姫「いずれにせよ、それを実現するためには体制を変えねばならん。現行のままで通ると思って居るのか?」
酉居「……これから着手すればよいことでしょう」
光姫「それまでこの男をずっとここに置いておくつもりか?」
酉居「ぐっ……それは」
光姫「そういうわけじゃ。お主の申し出は聞きとどけたが、即決というわけにはいかん。次の沙汰を待つがよい」
五人組:壱「了解致しました。しかし我々も商人。機に臨んで迅速に態度を変えてゆくという事を、ご理解ください」
光姫「うむ。肝に銘じておくとしよう」
五人組:壱「はい。それではまた」
左近「では、お送りしますよ。」
酉居「……こんな時にだけしゃしゃり出てくるとは、どういうおつもりです」
光姫「議論が暴走し始めた時に歯止めとなる。それが年長者の役割じゃろ。それともなんじゃ、あのまま強引に進めておいた方が良かったとでもいう気かの?」
酉居「性急だったことは認めます。が、あの男も言っていた通り、商人はすぐに気を変える。。あなたの日和見主義が損害を生むことになるやもしれませんよ」
光姫「ほっほ、お主まで商人のようなことを申すのじゃな」
酉居「…………失礼します」
詠美「……どうしていつも彼は……学園は私物ではないというのに」
光姫「あやつもアレで一図というか、考え方は一貫しておる。その点は信用できるのじゃがのぅ(しかし五人組め、完全に己有利と見て持ちかけてきおったな。酉居ではないが、わしもなんらかの手だてを考えねばならんのう……)」
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「今日はもう店を閉めようかな……」
このところ目に見えてお客が減ってきている。辛抱して続けて来て、ようやくみんなに覚えて来てもらえたかな、というところだけど……やっぱり物価が高くなってきたら、切り捨てられるのは娯楽だ。
不必要な間食もそこに入ってくるだろうし。ねずみやはまだ人気の分、持ちこたえているみたいだけど。
詠美「…………」
おや、あれは徳河さん。なにか険しい表情で歩いている……。ひとりかな。こんなところへ来るなんて珍しい。
悠「徳河さん、どうしたんですか?」
詠美「あら、悠?ご機嫌よう……ここは小鳥遊堂なのね。気づかなくてごめんなさい。」
考え事をしながら歩いていたら、いつのまにかここにいた、って感じのようだ。
五人組:壱「どうも、応じてくださってありがとうございます」
酉居「前置きはいい。用件はなんだ。簡潔に」
五人組:壱「ではそのように。われわれの権利を、公式でも非公式でも構わないので、容認していただけませんか」
酉居「権利を容認……活動に便宜を図れということか」
五人組:壱「問屋の多くを抱え込み、我々に借金している生徒も多い。権勢を弱めている皆様には多くのメリットがあると思われますが……?」
詠美「……あなた、執行部に向かって不正を持ちかけるの?自分が何をしているのかわかっているのかしら?」
五人組:壱「不正とは人聞きの悪い。協力していけないかというご提案ですよ」
詠美「話にならないわ。私たちが特定の個人に肩入れしするわけにはいかない」
酉居「……いや、それは言い方ひとつで変わることだろう。グループとしてここまで成長し、大きな影響力を持っていれば、いずれにしても無視はできない。逆に我々が使えば、効率のよい統治に役立てることも出来るのではないか?」
詠美「つまり公的な役職を追加するという事?」
酉居「そうだ。これまで無法地帯だったところに秩序を与えると考えれば問題ない」
詠美「その自由さが競争を生み、学園は発展してきたんでしょう?」
酉居「そして行きついた所がこれだ。学園は改革を必要としている。」
光姫「そのとおりじゃ、改革じゃ」
酉居「水都さん……」
光姫「いずれにせよ、それを実現するためには体制を変えねばならん。現行のままで通ると思って居るのか?」
酉居「……これから着手すればよいことでしょう」
光姫「それまでこの男をずっとここに置いておくつもりか?」
酉居「ぐっ……それは」
光姫「そういうわけじゃ。お主の申し出は聞きとどけたが、即決というわけにはいかん。次の沙汰を待つがよい」
五人組:壱「了解致しました。しかし我々も商人。機に臨んで迅速に態度を変えてゆくという事を、ご理解ください」
光姫「うむ。肝に銘じておくとしよう」
五人組:壱「はい。それではまた」
左近「では、お送りしますよ。」
酉居「……こんな時にだけしゃしゃり出てくるとは、どういうおつもりです」
光姫「議論が暴走し始めた時に歯止めとなる。それが年長者の役割じゃろ。それともなんじゃ、あのまま強引に進めておいた方が良かったとでもいう気かの?」
酉居「性急だったことは認めます。が、あの男も言っていた通り、商人はすぐに気を変える。。あなたの日和見主義が損害を生むことになるやもしれませんよ」
光姫「ほっほ、お主まで商人のようなことを申すのじゃな」
酉居「…………失礼します」
詠美「……どうしていつも彼は……学園は私物ではないというのに」
光姫「あやつもアレで一図というか、考え方は一貫しておる。その点は信用できるのじゃがのぅ(しかし五人組め、完全に己有利と見て持ちかけてきおったな。酉居ではないが、わしもなんらかの手だてを考えねばならんのう……)」
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「今日はもう店を閉めようかな……」
このところ目に見えてお客が減ってきている。辛抱して続けて来て、ようやくみんなに覚えて来てもらえたかな、というところだけど……やっぱり物価が高くなってきたら、切り捨てられるのは娯楽だ。
不必要な間食もそこに入ってくるだろうし。ねずみやはまだ人気の分、持ちこたえているみたいだけど。
詠美「…………」
おや、あれは徳河さん。なにか険しい表情で歩いている……。ひとりかな。こんなところへ来るなんて珍しい。
悠「徳河さん、どうしたんですか?」
詠美「あら、悠?ご機嫌よう……ここは小鳥遊堂なのね。気づかなくてごめんなさい。」
考え事をしながら歩いていたら、いつのまにかここにいた、って感じのようだ。