ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】
ー大江戸学園:船着き場ー
越後屋「はぁ?船が入ってこぉへんやて!?」
番頭「それがもともとそんなものが来る予定はないと、さらに他の船は全て予約済みで、関係者以外はかづくことも出来ないとか……」
越後屋「予約やて……そんな話聞いたこともないわ……どういうことやのんこれは」
番頭「五人組の囲っているところには、当たり前のように、普段通り品が入っているようで」
越後屋「なんやの、じゃあ五人組の船はそのままで、ウチらだけ仕入れがでけへんちゅうことかいな」
番頭「状況から見れば……」
越後屋「そんなアホな……」
ー大江戸学園:北町奉行所ー
朱金「そんなバカな!」
朱金がいわなければおれがいっただろうな、そのセリフ。
悠「……」
朱金「入るはずの船が来ねぇ?しかも残りを独占するだと?ンなことができるはずねーだろ!」
越後屋「実際にされてしもてるんですから、仕方ありまへんですやん」
朱金「船は学園に物資を運んでくる生活のキモだぞ?それを生徒が自由に出来るってぇのか?」
越後屋「ウチもそう思て確認したら、港の船手型の皆さんもそう指示されただけや、言わはりますねん」
悠「つまり船手奉行までは、その件が通じているのは間違いないってことだな」
越後屋「こっちが注文した品もんはどうなったんやとねじ込んだら、そんな注文は確認してへんとか返されるし、ほんまワケが分からんわ」
下っ端が独断で、入港だの予約だのどうこう言って仕入れを妨げることはできないだろう。
複数人がもの凄い大金を掴まされている、など考えられないわけじゃないが……。
朱金「じゃあその奉行は誰から指示されたんだよ。少なくともオレはしらねーぞ」
越後屋「さて……買収されたか、幕府からの直接指示か、それとも他の誰かからか……さすがにそこまではわかりまへんでしたわ」
朱金「了解。そこから先はオレの方でも調べてみる。管轄が違うから、うまくいく保証はねぇが……」
越後屋「いくら散財覚悟しても、そもそも物が届けへんのやったらどうしようもあらしまへん。なにか別の手ぅが必要ですわ」
船……船ねぇ。
ものが入らないとなるということは、なんとかこちらの手に引き戻していた生徒たちもみんな戻ってしまうだろう。
その五人組の方の需要が高くなり、さらに品薄、物価高になることが予測できる。
そうなると不満の方も膨れ上がるだろうが、五人組はどうするつもりなんだ……?
ー大江戸学園:大江戸城ー
酉居「奴等は学園の生命線である船までを、意のままに出来るほどに力穂伸ばしてきた。これまでの散発的な暴動とは違う。我々は一刻も早く介入するべきだ!」
詠美「だから癒着が明らかになったものに対しては、躊躇なく罰を与えているわ」
酉居「それでは生ぬるい。将軍の行方が不明になってから、執行部の権威がどんどん失われている非常事態なんだぞ。この機に学園を動かしているのは誰なのか、強く知らしめるべきだ!」
詠美「あなたの言うことも分かるわ。けれど強引に出るばかりでは、反発を招くばかりよ。ただでさえ今生徒たちは、物価の上昇で気が立っているの。慎重になるべき時期だわ」
酉居「そんなことをいっていては、いつまでも……」
左近「あの、失礼しますよぉ。今ちょいとよろしいですか?」
詠美「いいわ。どうしたの?」
酉居「この……!」
左近「すいませんねぇ。酉居の旦那。執行部のお方々に会いたいと、面会を要求するお人が来ていましてねぇ。どうなさいます?」
詠美「名前は?」
左近「五人組……といえば、わかるはずだと」
酉居「五人組だと。この物価や商人どもの勢力変化の中心にいるという……」
詠美「彼ら自身は表に出ていないけれど、関与しているのは公然の秘密ね」
酉居「かまわん。ここまで通せ」
左近「はい、わかりましたよ。」
酉居「噂の黒幕が何を言い出すのか……事と場合によってはここで退学処分にしてやる」
越後屋「はぁ?船が入ってこぉへんやて!?」
番頭「それがもともとそんなものが来る予定はないと、さらに他の船は全て予約済みで、関係者以外はかづくことも出来ないとか……」
越後屋「予約やて……そんな話聞いたこともないわ……どういうことやのんこれは」
番頭「五人組の囲っているところには、当たり前のように、普段通り品が入っているようで」
越後屋「なんやの、じゃあ五人組の船はそのままで、ウチらだけ仕入れがでけへんちゅうことかいな」
番頭「状況から見れば……」
越後屋「そんなアホな……」
ー大江戸学園:北町奉行所ー
朱金「そんなバカな!」
朱金がいわなければおれがいっただろうな、そのセリフ。
悠「……」
朱金「入るはずの船が来ねぇ?しかも残りを独占するだと?ンなことができるはずねーだろ!」
越後屋「実際にされてしもてるんですから、仕方ありまへんですやん」
朱金「船は学園に物資を運んでくる生活のキモだぞ?それを生徒が自由に出来るってぇのか?」
越後屋「ウチもそう思て確認したら、港の船手型の皆さんもそう指示されただけや、言わはりますねん」
悠「つまり船手奉行までは、その件が通じているのは間違いないってことだな」
越後屋「こっちが注文した品もんはどうなったんやとねじ込んだら、そんな注文は確認してへんとか返されるし、ほんまワケが分からんわ」
下っ端が独断で、入港だの予約だのどうこう言って仕入れを妨げることはできないだろう。
複数人がもの凄い大金を掴まされている、など考えられないわけじゃないが……。
朱金「じゃあその奉行は誰から指示されたんだよ。少なくともオレはしらねーぞ」
越後屋「さて……買収されたか、幕府からの直接指示か、それとも他の誰かからか……さすがにそこまではわかりまへんでしたわ」
朱金「了解。そこから先はオレの方でも調べてみる。管轄が違うから、うまくいく保証はねぇが……」
越後屋「いくら散財覚悟しても、そもそも物が届けへんのやったらどうしようもあらしまへん。なにか別の手ぅが必要ですわ」
船……船ねぇ。
ものが入らないとなるということは、なんとかこちらの手に引き戻していた生徒たちもみんな戻ってしまうだろう。
その五人組の方の需要が高くなり、さらに品薄、物価高になることが予測できる。
そうなると不満の方も膨れ上がるだろうが、五人組はどうするつもりなんだ……?
ー大江戸学園:大江戸城ー
酉居「奴等は学園の生命線である船までを、意のままに出来るほどに力穂伸ばしてきた。これまでの散発的な暴動とは違う。我々は一刻も早く介入するべきだ!」
詠美「だから癒着が明らかになったものに対しては、躊躇なく罰を与えているわ」
酉居「それでは生ぬるい。将軍の行方が不明になってから、執行部の権威がどんどん失われている非常事態なんだぞ。この機に学園を動かしているのは誰なのか、強く知らしめるべきだ!」
詠美「あなたの言うことも分かるわ。けれど強引に出るばかりでは、反発を招くばかりよ。ただでさえ今生徒たちは、物価の上昇で気が立っているの。慎重になるべき時期だわ」
酉居「そんなことをいっていては、いつまでも……」
左近「あの、失礼しますよぉ。今ちょいとよろしいですか?」
詠美「いいわ。どうしたの?」
酉居「この……!」
左近「すいませんねぇ。酉居の旦那。執行部のお方々に会いたいと、面会を要求するお人が来ていましてねぇ。どうなさいます?」
詠美「名前は?」
左近「五人組……といえば、わかるはずだと」
酉居「五人組だと。この物価や商人どもの勢力変化の中心にいるという……」
詠美「彼ら自身は表に出ていないけれど、関与しているのは公然の秘密ね」
酉居「かまわん。ここまで通せ」
左近「はい、わかりましたよ。」
酉居「噂の黒幕が何を言い出すのか……事と場合によってはここで退学処分にしてやる」