ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】
ー大江戸学園:北町奉行所ー
朱金「ようやく揃ったな」
越後屋「おはやい」おつきですなぁ」
悠「越後屋じゃないか。それに佐東さんも」
はじめ「どうも」
朱金「自己紹介はいらねぇな、では始めよう」
悠「ちょっとまて、お奉行さんや」
朱金「あん?」
悠「なんなんだよ。奉行所からのお呼び出しって言うからお偉いさんでも来るのかと思ったら、いつもの面子じゃないか。これならうちの小鳥遊堂でもよかったんじゃないか?」
朱金「…………」
越後屋「……はぁ」
久秀「はぁぁ……」
吉音「金ちゃん、わざわざここに呼びだしたってことはそれなりの内容ってことだよね?」
朱金「ああ、外じゃ迂闊に話せねぇ。だからここにしたんだ」
越後屋「遠山様、お話しを」
朱金「そうだな、その方が話しも早ぇや。お前たち、五人組……は知ってるか?」
悠「五人組?」
越後屋「まぁ商いをしていても、卸しにかかわってなければ聞いたことないかもしれへんな。ここの所、仕入れの値ぇがじわりじわりとあがっとると思いまへんか?」
悠「それはもちろん感じてるよ」
越後屋「食料品や日常品、どなたはんもが必要とする商品が値上がりしてる」
朱金「大きな事件が起こってるわけでもねぇのにじわじわ上がってやがるんで、ちょっと調べてみたんだ。供給元、つまり日本の物価に何か起きたんじゃねぇかってな」
越後屋「やけど、なんも起きてへんかった。物価が変わりそうなことはなんも」
吉音「でもそれっておかしくない?だって物の値段は変わってないのに、学園のお店ではあがってるってことでしょ?」
朱金「そこで浮上してきたのが五人組の存在だ」
悠「…………」
久秀「五人組は確か大江戸学園の流通を牛耳ってる寄り合いみたいなものよね。」
越後屋「えぇ、さすがは久秀はん。こちらのことにも精通してはるようで。」
悠「その五人組が、大江戸学園に入ってくる商品の値段を吊り上げてるってことか?」
朱金「そういうこった」
悠「うーーん。でもさ、その五人組とかいう奴らから買わなきゃいいだけなんじゃないか?大江戸学園には沢山店もあるんだしさ。たとえば越後屋から買うとかすればいいんじゃ……」
越後屋「あんさんアホでっか?今の話しちゃんと聞いてへんかったやろ」
悠「あー?」
久秀「流通を牛耳っているのよ?奴らを通さないと学園に物が届かないの」
悠「なんだって……それじゃそいつらのやりたい放題じゃないか!」
はじめ「…………」
朱金「…………」
吉音「…………」
越後屋「…………」
久秀「はぁぁ……。だからさっきから頭を抱えてるんでしょう?」
悠「おぉう……。」
久秀「今日は一段と駄目ねぇ。大丈夫?お家帰る?オネンネする?」
悠「やめろ!そんな優しく声をかけるなッ!」
朱金「とりあえず自体は把握してもらえた様だな」
悠「でもよ、そんな事して法には触れないのか?みんなが困ってるんだろ?」
朱金「残念ながら奴らが仕入れた商品名を幾らで売ろうとそれは自由だ。普通ならそこで「うちはもっと安く売れるぜ」ってところが現れてくれるんだが……」
越後屋「五人組の悪どいところはお役人はんをたらしこんどるところなんや」
悠「どういうことだ?」
越後屋「この大江戸学園で商売をするのは自由や。ただ、港の使用権となると話しは違てくる」
朱金「どこにでも船を着けられるわけじゃねぇからな」
越後屋「荷揚げした商品の置き場所も問題や。だから港湾施設の仕様には許可が必要になる。」
悠「その許可を持ってるのが五人組ってことか?」
朱金「もちろん五人組と呼ばれてる連中が、直接権利を持っているわけじゃねぇ。やつらは決して直接手をださねぇ。必ず何重にも手下の手を通す。だが港に関わる役人を巧妙に押さえ、支配して動かしてやがんのは確かだ。」
越後屋「それに加えて執行部の公式な認可もある……このお墨付きも厄介なシロモノや」
朱金「ある程度奴らの尻尾を掴むまでは、信頼のおける奴だけで内偵を進めざるを得ない」
吉音「……面倒なことがたくさんあるんだね」
朱金「悠、頼まれてくれるか?」
悠「分かった。おれも手伝うよ。そんな連中を野放しにはできないしな」
吉音「うん」
久秀「謝礼は期待していいのよね?」
朱金「感謝状と金一封つけてやるよ」
久秀「ふふっ、良しなに」
越後屋「ほんなら、よろしゅう頼みます」
はじめ「必要なときは呼ぶといい。ボクも手伝わせてもらうよ」
朱金「ようやく揃ったな」
越後屋「おはやい」おつきですなぁ」
悠「越後屋じゃないか。それに佐東さんも」
はじめ「どうも」
朱金「自己紹介はいらねぇな、では始めよう」
悠「ちょっとまて、お奉行さんや」
朱金「あん?」
悠「なんなんだよ。奉行所からのお呼び出しって言うからお偉いさんでも来るのかと思ったら、いつもの面子じゃないか。これならうちの小鳥遊堂でもよかったんじゃないか?」
朱金「…………」
越後屋「……はぁ」
久秀「はぁぁ……」
吉音「金ちゃん、わざわざここに呼びだしたってことはそれなりの内容ってことだよね?」
朱金「ああ、外じゃ迂闊に話せねぇ。だからここにしたんだ」
越後屋「遠山様、お話しを」
朱金「そうだな、その方が話しも早ぇや。お前たち、五人組……は知ってるか?」
悠「五人組?」
越後屋「まぁ商いをしていても、卸しにかかわってなければ聞いたことないかもしれへんな。ここの所、仕入れの値ぇがじわりじわりとあがっとると思いまへんか?」
悠「それはもちろん感じてるよ」
越後屋「食料品や日常品、どなたはんもが必要とする商品が値上がりしてる」
朱金「大きな事件が起こってるわけでもねぇのにじわじわ上がってやがるんで、ちょっと調べてみたんだ。供給元、つまり日本の物価に何か起きたんじゃねぇかってな」
越後屋「やけど、なんも起きてへんかった。物価が変わりそうなことはなんも」
吉音「でもそれっておかしくない?だって物の値段は変わってないのに、学園のお店ではあがってるってことでしょ?」
朱金「そこで浮上してきたのが五人組の存在だ」
悠「…………」
久秀「五人組は確か大江戸学園の流通を牛耳ってる寄り合いみたいなものよね。」
越後屋「えぇ、さすがは久秀はん。こちらのことにも精通してはるようで。」
悠「その五人組が、大江戸学園に入ってくる商品の値段を吊り上げてるってことか?」
朱金「そういうこった」
悠「うーーん。でもさ、その五人組とかいう奴らから買わなきゃいいだけなんじゃないか?大江戸学園には沢山店もあるんだしさ。たとえば越後屋から買うとかすればいいんじゃ……」
越後屋「あんさんアホでっか?今の話しちゃんと聞いてへんかったやろ」
悠「あー?」
久秀「流通を牛耳っているのよ?奴らを通さないと学園に物が届かないの」
悠「なんだって……それじゃそいつらのやりたい放題じゃないか!」
はじめ「…………」
朱金「…………」
吉音「…………」
越後屋「…………」
久秀「はぁぁ……。だからさっきから頭を抱えてるんでしょう?」
悠「おぉう……。」
久秀「今日は一段と駄目ねぇ。大丈夫?お家帰る?オネンネする?」
悠「やめろ!そんな優しく声をかけるなッ!」
朱金「とりあえず自体は把握してもらえた様だな」
悠「でもよ、そんな事して法には触れないのか?みんなが困ってるんだろ?」
朱金「残念ながら奴らが仕入れた商品名を幾らで売ろうとそれは自由だ。普通ならそこで「うちはもっと安く売れるぜ」ってところが現れてくれるんだが……」
越後屋「五人組の悪どいところはお役人はんをたらしこんどるところなんや」
悠「どういうことだ?」
越後屋「この大江戸学園で商売をするのは自由や。ただ、港の使用権となると話しは違てくる」
朱金「どこにでも船を着けられるわけじゃねぇからな」
越後屋「荷揚げした商品の置き場所も問題や。だから港湾施設の仕様には許可が必要になる。」
悠「その許可を持ってるのが五人組ってことか?」
朱金「もちろん五人組と呼ばれてる連中が、直接権利を持っているわけじゃねぇ。やつらは決して直接手をださねぇ。必ず何重にも手下の手を通す。だが港に関わる役人を巧妙に押さえ、支配して動かしてやがんのは確かだ。」
越後屋「それに加えて執行部の公式な認可もある……このお墨付きも厄介なシロモノや」
朱金「ある程度奴らの尻尾を掴むまでは、信頼のおける奴だけで内偵を進めざるを得ない」
吉音「……面倒なことがたくさんあるんだね」
朱金「悠、頼まれてくれるか?」
悠「分かった。おれも手伝うよ。そんな連中を野放しにはできないしな」
吉音「うん」
久秀「謝礼は期待していいのよね?」
朱金「感謝状と金一封つけてやるよ」
久秀「ふふっ、良しなに」
越後屋「ほんなら、よろしゅう頼みます」
はじめ「必要なときは呼ぶといい。ボクも手伝わせてもらうよ」