ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

はな「ですけど、将軍さんは、たしか生徒会のお金を持って姿を消してまったのよね。」

光姫「まぁ、事件が必要以上にスキャンダラスに報じられているきらいはある。将軍本人の言を聞くまでは判断は出来んとわしは思っておる。」

はな「その理由は?」

光姫「事件を起こすことで将軍吉彦本人が受ける損得の勘定が合わんのじゃ。この事件で本当に得をしているのは誰なのか……おっと蛇足じゃったな。」

悠「ふむ…」

光姫「そういったモラル云々という無形の問題はひとまず置くとしても、事実としてトップ不在による執行部の機能障害は深刻じゃ。執行部の若手も頑張ってはいるようじゃが、このまま将軍不在の状態が続くのはよい状態とはいえん。そういった権力の空白を見て、己が成り代わってやろうという者が現れても不思議ではないからな」

悠「光姫さんは詳しいな。」

光姫「ふっ、政治なんてものは当事者でなければ誰でも偉そうに語れるもんじゃ」

悠「そんなもんかな」

光姫「そんなもんじゃ」

新「詠美ちゃんを将軍様にすればいいんだよ」

悠「あー?なんだ、急に?」

新「将軍様がいなくて困るってお話してたんでしょ?」

悠「まぁ、そうなんだけど」

新「詠美ちゃんならピッタリだよ」

悠「お前さぁ、その詠美って子のこと好きだよな。なにかアイドルかなんかの熱狂的ファンみたいだぞ」

新「うーん。でもだいたいあってる」

光姫「……」

新「な、何?ミッキー、なにかいいたそうだね?」

光姫「わしの言いたいことはもう分かっておるじゃろ」

新「えっと…あの…」

はな「なんの話です?」

新「こ、こっちの話だよ」

悠「なんだそっ……っか、おま、茶菓子!?」

新「ふえ?」

悠「お前…今日の店に出す茶菓子を……もうほとんど無いじゃないか…」

はな「あぁ…予備のお団子も無い…」

新「え、え?半分はゆかりんが食べたんだよぉ」

由佳里「む……むぐぅ?」

悠「開店同時に茶菓子切れて…どーすんだよ…」

崇「今から作ればどうだ?どうせ客もすぐにはこないだろ」

拳二「かっかっか。確かにな」

悠「そりゃそうだけど……って、崇に拳二!?」

崇「店を焼かれかけたと聞いてたが……無事みたいだな。」

悠「耳が早いな」

崇「地獄耳でな」

悠「お前は魔王耳だよ」

崇「くく、減らず口が叩けるなら余裕みたいだな。」

悠「なんだ、心配してくれたのか?」

崇「当然だ。なぁ、拳二?」

拳二「まったくだ。放火されるなら火災保険に入ってからにしろ。」

悠「おれの心配はなしかい!!」

崇「お前は熔鉱炉にでも落とさないと死なないだろ。」

悠「わしゃT-1000型(液体金属ターミネーター)か」

新「あれって悠の友達?」

はな「はい。親友さんです」

光姫「親友というか悪友にみえるんじゃが」

はな「素晴らしい観察眼です」
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