ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

新「あ、悠とはなちゃん帰ってきた」

悠「新、先に来てたのか」

光姫「待ちくたびれたぞ」

由佳里「こんにちは~」

悠「光姫さんと由佳里ちゃんまで。」

はな「すみません。すぐ開けますから」

悠「新は、縁台出しておいてくれ。」

新「了解。」

悠「っと、その前に、光姫さん、のれんありがとうございました。」

光姫「気に入ったか?」

悠「もちろん!」

光姫「店を開いてのれんもないのはしまらんからな。」

悠「はは、恩にきります。」

新「縁台出たよ。」

悠「ご苦労。光姫さんも由佳里ちゃんも座って待っててくださいな。すぐ準備しますから。」

由佳里「はい~」

光姫「やれやれ。隣のねずみやにでもいこうかと思ったが、向こうも満室でな」

悠「すみません。いろいろ買い物してたら遅れまして」

はな「悠さん、のれんかけちゃいますか?」

悠「おう。」



~茶店開店中~



新「わぁ」

はな「おー」

悠「はっは~いいな。」

のれんと看板をフル装備にして一気に店らしくなった。「小鳥遊堂」完全体だ。

光姫「まあ、こんなもんじゃろ」

悠「ありがとうございます。なんかようやくここが自分の店っていう自覚が出てきましたよ」

はな「今まで自覚なしだったの…」

新「すごいすごい!これでねずみやさんにも勝てるね」

悠「いや、それはどうだろ」

光姫「さて、落ち着いたところで茶を一杯もらおうかの」

悠「はいな。改めていらっしゃいませ。」

はな「いらっしゃいませです。」

光姫「うむ。あ、そういえば昨夜店を燃やされそうになっと聞いたが?」

悠「え…なんで知ってるんすか?」

光姫「地獄耳でな」

そういって光姫さんは自分の小さな耳をちょんちょんと指差した。

悠「可愛い地獄耳ですね。」

はな「なにいってる。」

悠「コホン、実はそうなんですよ。といってもおれも放火されかかったらしいと後から聞いただけなんすけど」

光姫「ともあれ店が残ってよかったの。もし焼け出されておったら今頃ねずみやの下働きじゃたたな。」

悠「はは~その場合は家に帰りますし。っか、この学園治安悪すぎませんか?」

光姫「未熟な学生が自治している分、多少の摩擦や問題が起こるのは仕方ないのじゃが。しかしこれほどではなかった。これほど治安が乱れ始めたのは将軍が姿を消してからじゃな。」

悠「そーなのかー」

光姫「この大江戸学園において将軍は非常に強い権限を持っておる。そしてその力に見合う尊敬と畏怖を集める存在でなくてはならんのじゃ。」

悠「ふむ…崇や氷室さん、王はバッチリ当てはまるな…ある意味なら拳二や親父もか」
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