ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

悠「ふー……いい天気だなぁ」

吉音「あちゅいよー!」

悠「なら、涼しくなる努力をしろ」

吉音「かき氷食べたーい!」

悠「はー……いい天気だなぁ」

吉音「ねーねーかき氷ー!」

悠「かき氷だってタダじゃないんですよ!」

吉音「いいじゃんちょっとくらい~」

悠「……しゃーねーなぁ」

久秀「じやないでしょ」

悠「ですよねー」

吉音「えー、ひーちゃんも食べたいでしょ?」

久秀「別にぃ」

吉音「あたしは食べたいの!」

久秀「氷でもねじ込んでやろうかしら」

悠「やめなっせ」

久秀「別の口にもねじ込んだら冷たくなるんじゃないかしら。」

悠「どんなプレイだ!」

吉音「ぷれい?」

悠「……なんでもないよ」

久秀「ちゃんとお金を払うなら作らせるわよ」

悠「あぁ、どうなったとしても作るのはおれなんだな」

吉音「ぶー……ひーちゃんのケチ」

久秀「ありがとう」

悠「わかったよ……おれが出したらいいんだろ。自腹切って自分で作っふるまったらいいんだろ」

久秀「あらあら、お優しいことで」

吉音「わーい♪」

悠「はぁ……」
シャリシャリシャリシャリ

久秀「あぁ、私は小倉宇治抹茶ね」

悠「お前も食うのかよ!」

久秀「あら、奢ってくれるって言うのに奢ってもらわないと損じゃない」

悠「ホントいい性格だなお前……」

久秀「ふふっ」

吉音「もー、結局ひーちゃんも食べるんじゃない」

久秀「自腹では食べないだけで、奢りなら食べるって違いよ」

吉音「むー!」

悠「喧嘩すんなよ」
シャリシャリシャリシャリ

吉音「しないもん」

久秀「売られたら買うだけよ」

悠「はぁ……ほら、できたぞ。」

吉音「にへへ、これこれ~」

久秀「んっ、美味しい」

悠「しかし、こう熱気が殺しにかかってくると氷メインでもいけてくるな」

久秀「あむ、だとしたら早いうちに考えとかないとね」

悠「なにを?」

久秀「氷よ。ここの冷凍庫じゃ出来る氷の量もストック数も多くはないでしょ?」

悠「平気だよ」

久秀「なんでよ?」

悠「そんなに客来ないし十分間に合う」

久秀「言ってて悲しくない?」

悠「目から鼻水でそうだ」

久秀「それはただの病気」

吉音「ねっ、ねっ、悠」

悠「ん?なんだよ」

吉音「おかわり!」

悠「……」

久秀「客は居なくても減っていくんじゃない?」

悠「敵は茶屋の中にあり……か。」
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