ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】
ー大江戸学園:小道ー
おれは店主に一礼すると、店の外に出た。こうしちゃいられない、一刻も早く奉行所に行って、このことを報告しないと……。
白組「おっと待ちな、兄ちゃん……」
悠「あ?」
前方の物陰から、さっきのチンピラが出てきた。その後ろには、いつの間にか仲間が数人……。
ええい、めんどくさい……。
白組B「おいおい、どこへいっこうってんだい?」
白組C「ひっひっひ、あっちもこっちも、行き止まりだぜぇ」
きびすを返して走り出そうとしたが、いつの間にかたくさんのチンピラどもに取り囲まれてしまっていた。
白組D「こそこそ嗅ぎわまりやがって、怪しい奴だ」
そういうと、チンピラのひとりがおれの腕を後ろにねじり上げた。
悠「おっ……」
なので、逆捻りで腕をからめ捩じってやる。
白組D「い゛でで?!」
白組C「テメェ!抵抗するとどうなるか分かってんのか!」
ひとり絞めあげても多勢に無勢か……。
悠「しかたない……分かったよ。」
おれは極めていた手を解いて解放してやる。
白組D「おい誰か、このスパイ野郎を縛り上げろ!縄じゃなくて鎖にしておけ。」
白組「へい」
またこんなんかよ……。縄……じゃなくて鎖かよ……。鎖を掛けられたおれは、チンピラどもに囲まれて、どこかへ連行されていくのだった……。
ー大江戸学園:空き家ー
悠「……いてっ!!」
おれは乱暴に突き飛ばされ、床のうえに転がった。ほこりと砂煙が舞い上がる。
ここは……長年使われていない空き家に、格子戸をつけて牢屋のように改造したのか。
白組「ひっひっひ……そこでお仲間と、おとなしくしてな」
そういうとおれを連行してきたチンピラは、格子戸と鍵を閉めてしまった。っか、お仲間って……なんのこっちゃ?
「あ、小鳥遊さん……!?」
そ、その声は……。暗がりの中に、太い柱に縛り付けられている真留がいた。
悠「ま、真留っ!?お前、どうしてこんなところに……」
真留「実は……小鳥遊さんのことが心配で、こっそりあとをつけていたのですが……」
悠「ほむほむ」
真留「途中で不覚をとりまして……その、捕まって、しまいました……」
悠「あぁ……」
どうりで、おれもあっさり捕まってしまったわけだ。先に真留を捕まえてから、警戒してたってわけだな。真留はしゅんとうなだれたまま、さらに深々と頭を下げた。
真留「すみません……」
悠「ああ、いや、謝らなくていいよ。でも、真留が不覚をとるなんて……そんなすごい使い手が、あのチンピラの中に居るのか?」
真留「そ……それは……」
「うふふふ……」
そのとき、格子戸の向こうに人影が……。
悠「あっ……お、大神伊都!」
伊都「……もう、何度言えば分かるんですの?わたくしの名前は、拝神夜。悠のテストは、相変わらず0点のままですわね」
ぷんと膨れる大神さんの姿が、今のおれには女神にも見えた。
悠「そんなことはどうでもいいよ、とにかく、ここから出してくれ!」
格子戸に這いずっていって、大神さんに懇願するおれ。そんなおれを、大神さんは冷ややかな目で見下ろしている。
伊都「…………なぜ?」
悠「な、なぜって……助けに来てくれたんじゃないのか?」
真留「小鳥遊さん、小鳥遊さん……」
気がつくと、真留がつま先でおれのわき腹をつんつんしていた。
おれは店主に一礼すると、店の外に出た。こうしちゃいられない、一刻も早く奉行所に行って、このことを報告しないと……。
白組「おっと待ちな、兄ちゃん……」
悠「あ?」
前方の物陰から、さっきのチンピラが出てきた。その後ろには、いつの間にか仲間が数人……。
ええい、めんどくさい……。
白組B「おいおい、どこへいっこうってんだい?」
白組C「ひっひっひ、あっちもこっちも、行き止まりだぜぇ」
きびすを返して走り出そうとしたが、いつの間にかたくさんのチンピラどもに取り囲まれてしまっていた。
白組D「こそこそ嗅ぎわまりやがって、怪しい奴だ」
そういうと、チンピラのひとりがおれの腕を後ろにねじり上げた。
悠「おっ……」
なので、逆捻りで腕をからめ捩じってやる。
白組D「い゛でで?!」
白組C「テメェ!抵抗するとどうなるか分かってんのか!」
ひとり絞めあげても多勢に無勢か……。
悠「しかたない……分かったよ。」
おれは極めていた手を解いて解放してやる。
白組D「おい誰か、このスパイ野郎を縛り上げろ!縄じゃなくて鎖にしておけ。」
白組「へい」
またこんなんかよ……。縄……じゃなくて鎖かよ……。鎖を掛けられたおれは、チンピラどもに囲まれて、どこかへ連行されていくのだった……。
ー大江戸学園:空き家ー
悠「……いてっ!!」
おれは乱暴に突き飛ばされ、床のうえに転がった。ほこりと砂煙が舞い上がる。
ここは……長年使われていない空き家に、格子戸をつけて牢屋のように改造したのか。
白組「ひっひっひ……そこでお仲間と、おとなしくしてな」
そういうとおれを連行してきたチンピラは、格子戸と鍵を閉めてしまった。っか、お仲間って……なんのこっちゃ?
「あ、小鳥遊さん……!?」
そ、その声は……。暗がりの中に、太い柱に縛り付けられている真留がいた。
悠「ま、真留っ!?お前、どうしてこんなところに……」
真留「実は……小鳥遊さんのことが心配で、こっそりあとをつけていたのですが……」
悠「ほむほむ」
真留「途中で不覚をとりまして……その、捕まって、しまいました……」
悠「あぁ……」
どうりで、おれもあっさり捕まってしまったわけだ。先に真留を捕まえてから、警戒してたってわけだな。真留はしゅんとうなだれたまま、さらに深々と頭を下げた。
真留「すみません……」
悠「ああ、いや、謝らなくていいよ。でも、真留が不覚をとるなんて……そんなすごい使い手が、あのチンピラの中に居るのか?」
真留「そ……それは……」
「うふふふ……」
そのとき、格子戸の向こうに人影が……。
悠「あっ……お、大神伊都!」
伊都「……もう、何度言えば分かるんですの?わたくしの名前は、拝神夜。悠のテストは、相変わらず0点のままですわね」
ぷんと膨れる大神さんの姿が、今のおれには女神にも見えた。
悠「そんなことはどうでもいいよ、とにかく、ここから出してくれ!」
格子戸に這いずっていって、大神さんに懇願するおれ。そんなおれを、大神さんは冷ややかな目で見下ろしている。
伊都「…………なぜ?」
悠「な、なぜって……助けに来てくれたんじゃないのか?」
真留「小鳥遊さん、小鳥遊さん……」
気がつくと、真留がつま先でおれのわき腹をつんつんしていた。