ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】
ー大江戸学園:空き家ー
悠「待ちやがれ!」
勢いよく中へと踏み込むと、ちょうど部屋を出ていこうとしていた男たちが驚いた顔をして振り返った。
店主「な……なんだてめぇは!?」
手下A「あ!こいつ、確か……」
手下B「ねずみやの隣で店をやってる奴だ!」
おれのことを知ってるなら、却って都合がいいだろう。
悠「お前らの悪だくみは全部まるっとお見通しだ!おとなしく奉行所に出頭するならそれでいい。だが抵抗するって言うなら、少し痛い目に逢ってもらうぞ」
店主「くっ……」
精いっぱいの虚勢を張り、にやりと笑ってみせると、首謀者らしき男がひるむ。だが、残りのふたりはそう簡単にはいかなかった。
ふたりは武器を手に取ると、おれの前に立ちはだかるように進み出てくる。
手下A「おとなしくお縄につけなんていわれたからって、はいそうですかって頷くわけがねぇだろ」
手下B「どれだけ腕に自信があるか知らねえが、ひとりで来たことを後悔させてやるまでだ」
悠「…………」
まあ、こうなるか。とはいえ首謀者の男は及び腰だし、実質2対1なら。最初の予定よりはマシだ。
これならなんとかなるか?
そんなふうに思いながら、おれは拳を握りしめた時だった。
店主「そいつのことは任せたぞ!」
悠「あん?おい、こらちょっと待て!」
ひとりで逃げ出そうとする男に気づき、慌てて叫んだ。もちろん、相手がまってくれるわけもなく、男は身を翻して部屋の外に飛び出していこうとする。
悠「由真!」
相手がひとりなら、姿を見られずに倒せるかもしれないし、任せるつもりで由真の名前を叫んだ。
だが、その直後……なにかが破裂するような音がしたと思うと、部屋の中に白い煙が立ち込める。なんだこりゃ?!
「動かないで」
悠「あ?」
耳元で囁かれると同時に、目と鼻と口をなにかで覆われる。ゴーグルとマスクか?おかげで目の痛みや息苦しさがなくなったのだが……。
店主「ぐあっ!!」
手下A「ぎゃあっ!!」
手下B「ごふっ!!」
悠「!?」
突然、煙の向こうから男たちの悲鳴が聞こえてきた。いったい、なにが起こってるんだ?
わけがわからずに立ちつくしていると、次第に煙が晴れてくる。
結花「ふぅ……」
悠「結花さん?」
完全に煙が晴れたとき、部屋の中に立っていたのは結花さんだった。男たちは気を失い、結花さんのまわりに倒れている。
唯「ボクもいるよっ」
悠「唯ちゃん?」
背後から覗きこむように顔を見せて、唯ちゃんがおれのゴーグルとマスクを外す。これをつけてくれたのは唯ちゃんだったのか。
由真「どういうことなのよ!」
悠「由真?」
今になって部屋に飛び込んできた由真が、怒ったような顔をして結花さんに詰め寄っていく。
だけど結花さんは涼やかに笑い、おれの方に顔を向けた。
結花「説明はあとでちゃんとするから、まずはこの人たちを縛っちゃいましょう」
悠「あ、そうですね」
目を覚まして暴れられても困るしな。というわけで、唯ちゃんの取り出した縄で、男たちを縛り上げる。しっかり目隠しもしたので、もし目を覚ましたとしても安心だ。
悠「待ちやがれ!」
勢いよく中へと踏み込むと、ちょうど部屋を出ていこうとしていた男たちが驚いた顔をして振り返った。
店主「な……なんだてめぇは!?」
手下A「あ!こいつ、確か……」
手下B「ねずみやの隣で店をやってる奴だ!」
おれのことを知ってるなら、却って都合がいいだろう。
悠「お前らの悪だくみは全部まるっとお見通しだ!おとなしく奉行所に出頭するならそれでいい。だが抵抗するって言うなら、少し痛い目に逢ってもらうぞ」
店主「くっ……」
精いっぱいの虚勢を張り、にやりと笑ってみせると、首謀者らしき男がひるむ。だが、残りのふたりはそう簡単にはいかなかった。
ふたりは武器を手に取ると、おれの前に立ちはだかるように進み出てくる。
手下A「おとなしくお縄につけなんていわれたからって、はいそうですかって頷くわけがねぇだろ」
手下B「どれだけ腕に自信があるか知らねえが、ひとりで来たことを後悔させてやるまでだ」
悠「…………」
まあ、こうなるか。とはいえ首謀者の男は及び腰だし、実質2対1なら。最初の予定よりはマシだ。
これならなんとかなるか?
そんなふうに思いながら、おれは拳を握りしめた時だった。
店主「そいつのことは任せたぞ!」
悠「あん?おい、こらちょっと待て!」
ひとりで逃げ出そうとする男に気づき、慌てて叫んだ。もちろん、相手がまってくれるわけもなく、男は身を翻して部屋の外に飛び出していこうとする。
悠「由真!」
相手がひとりなら、姿を見られずに倒せるかもしれないし、任せるつもりで由真の名前を叫んだ。
だが、その直後……なにかが破裂するような音がしたと思うと、部屋の中に白い煙が立ち込める。なんだこりゃ?!
「動かないで」
悠「あ?」
耳元で囁かれると同時に、目と鼻と口をなにかで覆われる。ゴーグルとマスクか?おかげで目の痛みや息苦しさがなくなったのだが……。
店主「ぐあっ!!」
手下A「ぎゃあっ!!」
手下B「ごふっ!!」
悠「!?」
突然、煙の向こうから男たちの悲鳴が聞こえてきた。いったい、なにが起こってるんだ?
わけがわからずに立ちつくしていると、次第に煙が晴れてくる。
結花「ふぅ……」
悠「結花さん?」
完全に煙が晴れたとき、部屋の中に立っていたのは結花さんだった。男たちは気を失い、結花さんのまわりに倒れている。
唯「ボクもいるよっ」
悠「唯ちゃん?」
背後から覗きこむように顔を見せて、唯ちゃんがおれのゴーグルとマスクを外す。これをつけてくれたのは唯ちゃんだったのか。
由真「どういうことなのよ!」
悠「由真?」
今になって部屋に飛び込んできた由真が、怒ったような顔をして結花さんに詰め寄っていく。
だけど結花さんは涼やかに笑い、おれの方に顔を向けた。
結花「説明はあとでちゃんとするから、まずはこの人たちを縛っちゃいましょう」
悠「あ、そうですね」
目を覚まして暴れられても困るしな。というわけで、唯ちゃんの取り出した縄で、男たちを縛り上げる。しっかり目隠しもしたので、もし目を覚ましたとしても安心だ。