ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

吉音「ねーねーなんの話し?」

悠「自分とこの店より、ねずみやの方が気にいらないんだとさ。なんでそんなに人気があるんだろう、ってな」

吉音「え~、だってかわいいもん。由真ちゃんも、ゆいにゃんも、お姉ちゃんも」

悠「そりゃ否定はないけど」

男女ともに入る店とはいえ、やっぱり割合では男の方がだいぶ多いしな。可愛さも理由のひとつだろう。

吉音「それに……知ってるぅ?由真ちゃんさ、お行儀の悪いお客さんに、キィック!とかってしてるでしょ?」

悠「ああ。クセになってわざわざ蹴られるためにちょっかい出すやつまでいるとか」

久秀「マニアックねぇ。私には考えられないわ」

悠「女王様気質がなにいってるんだ?」

久秀「は?」

悠「なんでもないです」

吉音「くふふ。あのねぇ、キックの時って、こう、足あげるでしょ?そのときにね、見えるんだって」

悠「なにが?」

吉音「くふふふっ♪ぱんつに決まってるじゃんっ♪」

悠「ぱんつ……あぁ。」

吉音「そのチャンスを狙ってる人も多いって話しだよ」

悠「……それ、由真は気づいてるのか?」

吉音「さぁ?わかんないけど」

まさか由真が自分から見せてるとは思えないが……。しかし……ぱんつ、か。確かに男からしたら魅力的な存在ではあるが、だからといって、そのために蹴られるって言うのは……。うーむ、なかなか難しいな。

越後屋「ふふ、ふふふふふ……なるほど、そんな簡単なことでよろしかったんですか」

悠「あー?どうした?注文が決まったなら聞くぞ?」

越後屋「ええことを聞かせてもらいました。ここまで足を伸ばした甲斐もあったちゅーもんですなぁ。これでもう、あんたらの天下は終わりやでぇ。目にものみせたるさかい、覚悟しときやっ!」

悠「おーい……本当に最後まで無視ですか」

吉音「越後屋、何しに来たの?」

久秀「さぁね。嫌味を誰かに聞かせたかったんじゃないの?」

吉音「ふぅん。そんなことのためにわざわざここまで来るなんて、友達いないのかな」

悠「少なそうだな、確かに」

吉音「それよりもっ!おやつの時間っ!だよねっ?」

悠「ダメに決まってるだろ。越後屋がなにか注文していったならともかく」

吉音「えー、ケチー……ひーちゃんー!」

久秀「おやつをあげるつもりは毛頭ないけど、いい提案ならあるわ」

吉音「ていあん?」

久秀「悠に甘えておやつを買ってもらえばいいのよ」

吉音「おおっ!」

悠「おおっ!じゃねーし、久秀もとんでもないこと言うな!」

久秀「クスクス」

吉音「ゆ~う~」

悠「おやつを一食としてカウントしていいなら、考えてやるよ」

吉音「むー……」
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