ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【7】
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
由真「いらっしゃいませー。奥の席が空いてますよー」
悠「…………」
由真「はーい!あ、また来てくれたの?ありがとー。ちょっとだけ待ってて。すぐ片づけるから」
悠「…………」
隣は相変わらずの、御盛況だ。ここまで賑わいが聞こえてくる。翻ってこちらはというと、昼寝ができそうなくらいに閑古鳥が鳴いている。
吉音「ふわ、わふぅぅ~~……ん」
吉音なんて実際、何度もあくびを繰り返し、うつらうつらと船をこいているし。ウチの材料を、一番多消費しているのが吉音という事実をなんとかしないたいところだ。
久秀「はぁ……ウチの材料を、一番多消費しているのが新嬢という事実をなんとかしないとねぇ」
おれの心の声と久秀のぼやきがシンクロした。なにがアレって久秀は聞こえるように口に出すところがアレなんだけど……。
由真「そうそう。たまにいるのよね、そういう偉そうなやつ。でも、あんま甘くみられても困るから、こう、つい足が出ちゃうわけよ」
唯「ちょっと由真姉っ、いつまでおしゃべりしてるのっ?ほらっ、こっちでお客さんまってるよっ」
由真「あー、ごめんごめーん。あははっ、妹に叱られちゃったよ。じゃそういうことで、またねー」
悠「……」
忙しそうだな。
久秀「ウチも忙しくなりたいわ」
悠「心の中を読むな」
久秀「次にあなたは「羨ましくなんてないけど、嘘です。超羨ましいです」と考える。」
悠「まあ、羨ましくなんてないけど、嘘です。超羨ましいです……ハッ!?」
おのれ久秀……おれの十八番を真似しやがって……。どうしてやろうか……。
越後屋「気にいらへんなぁ」
悠「うわほいっ、越後屋!?」
越後屋「ええ気にいりまへん。なんでこんなにねずみやばっかり繁盛してるんですか?」
悠「そんなことおれに聞かれても……」
久秀「主人のやる気具合じゃないかしら……ねぇ、ゆ・う?」
声は優しいのに視線が恐ろしく冷たい。落ち着け………… 心を平静にして考えるんだ…こんな時どうするか……2…3…5…7…落ち着くんだ…『素数』を数えて落ち着くんだ…『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字……おれに勇気を与えてくれる。
悠「……えーと、ご注文は?」
久秀「逃げたわね。」
越後屋「忌々しいことに、この越後屋直営喫茶よりも繁盛してるやなんて、ほんまに許せまへんわ」
悠「……ご注文は?」
越後屋「素材は最高級。パティシェかて全国学生コンクールで入賞してはるのに、なんでですのん?絶対ウチの方が美味しいのに!」
吉音「おやつの時間っ!?」
悠「ああ……おはようさん。また面倒なときに起きたもんだな」
美味しいって言葉に反応したのか?らしいというか、凄いというか。
久秀「犬……いや、猿かしら……?」
悠「だから、おれの心の中と会話すんなっての。新も残念ながら全然売り上げがでないので、おやつをあげる余裕はない。この越後屋さんが貢献しくれれば話しは変わるけどな」
越後屋「まったく。おんなじ喫茶店のはずやのに、なにがこんなに違いますのやろ」
……おれの声は虫ですか。ほんと、この人は一体何しに来たんだ?
久秀「はぁ…」
そして、久秀には呆れたような目で見てくるし……。
由真「いらっしゃいませー。奥の席が空いてますよー」
悠「…………」
由真「はーい!あ、また来てくれたの?ありがとー。ちょっとだけ待ってて。すぐ片づけるから」
悠「…………」
隣は相変わらずの、御盛況だ。ここまで賑わいが聞こえてくる。翻ってこちらはというと、昼寝ができそうなくらいに閑古鳥が鳴いている。
吉音「ふわ、わふぅぅ~~……ん」
吉音なんて実際、何度もあくびを繰り返し、うつらうつらと船をこいているし。ウチの材料を、一番多消費しているのが吉音という事実をなんとかしないたいところだ。
久秀「はぁ……ウチの材料を、一番多消費しているのが新嬢という事実をなんとかしないとねぇ」
おれの心の声と久秀のぼやきがシンクロした。なにがアレって久秀は聞こえるように口に出すところがアレなんだけど……。
由真「そうそう。たまにいるのよね、そういう偉そうなやつ。でも、あんま甘くみられても困るから、こう、つい足が出ちゃうわけよ」
唯「ちょっと由真姉っ、いつまでおしゃべりしてるのっ?ほらっ、こっちでお客さんまってるよっ」
由真「あー、ごめんごめーん。あははっ、妹に叱られちゃったよ。じゃそういうことで、またねー」
悠「……」
忙しそうだな。
久秀「ウチも忙しくなりたいわ」
悠「心の中を読むな」
久秀「次にあなたは「羨ましくなんてないけど、嘘です。超羨ましいです」と考える。」
悠「まあ、羨ましくなんてないけど、嘘です。超羨ましいです……ハッ!?」
おのれ久秀……おれの十八番を真似しやがって……。どうしてやろうか……。
越後屋「気にいらへんなぁ」
悠「うわほいっ、越後屋!?」
越後屋「ええ気にいりまへん。なんでこんなにねずみやばっかり繁盛してるんですか?」
悠「そんなことおれに聞かれても……」
久秀「主人のやる気具合じゃないかしら……ねぇ、ゆ・う?」
声は優しいのに視線が恐ろしく冷たい。落ち着け………… 心を平静にして考えるんだ…こんな時どうするか……2…3…5…7…落ち着くんだ…『素数』を数えて落ち着くんだ…『素数』は1と自分の数でしか割ることのできない孤独な数字……おれに勇気を与えてくれる。
悠「……えーと、ご注文は?」
久秀「逃げたわね。」
越後屋「忌々しいことに、この越後屋直営喫茶よりも繁盛してるやなんて、ほんまに許せまへんわ」
悠「……ご注文は?」
越後屋「素材は最高級。パティシェかて全国学生コンクールで入賞してはるのに、なんでですのん?絶対ウチの方が美味しいのに!」
吉音「おやつの時間っ!?」
悠「ああ……おはようさん。また面倒なときに起きたもんだな」
美味しいって言葉に反応したのか?らしいというか、凄いというか。
久秀「犬……いや、猿かしら……?」
悠「だから、おれの心の中と会話すんなっての。新も残念ながら全然売り上げがでないので、おやつをあげる余裕はない。この越後屋さんが貢献しくれれば話しは変わるけどな」
越後屋「まったく。おんなじ喫茶店のはずやのに、なにがこんなに違いますのやろ」
……おれの声は虫ですか。ほんと、この人は一体何しに来たんだ?
久秀「はぁ…」
そして、久秀には呆れたような目で見てくるし……。