ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー

「ごちそうさまでした」

悠「ありがとうございました。」

はな「ありがとうございました。ふぅ」

悠「疲れたか?」

はな「いえ、大丈夫です」

悠「気にすんな、用心棒なんかパトロールと称してデコと散歩にいっちまったし。休憩してもバチはあたらない」

はな「……なら、少しだけ」

悠「おう。茶いれるわ。好きな茶菓子もっていいぞ。」

はな「ありがと。それにしても…新さんとデコさんとすぐに仲良くなったね。」

悠「なんか近いもんがあったのかもな。まぁ、どっちも基本的には人畜無害だし」

はな「かもしれないですね。ところで気になってたんだけど、デコさんは学生?」

悠「高校中退」

はな「あ、ごめんなさい」

悠「気にするな。アイツは自習退学みたいなものだし。」

はな「なにか事情が?」

悠「事情っか、なんっーか……引き抜きだな。」

はな「引き抜き?」

悠「おれの親父にSPに引き抜かれたんだよ。デコはあれで優秀だからな。」

はな「悠さんのお父さんに……って、ここにいていいの?」

悠「知らん」

はな「知らんて…」

悠「まぁ、首にはならんだろ。自称おれのSPらしいし。」

はな「ずいぶん慕われてますね」

悠「慕われてるってのかな。のら犬になつかれた気分だけどな。」

拳二「けど、なつかれた犬とか捨てれないタイプだろ。お前。」

悠「そうなんだよなぁ。って、拳二」

拳二「よぅ。ちと話があるんだが…あとにするか?」

悠「話の内容による」

拳二「聞いて得はない内容だ。」

悠「なら聞きたくないな。」

拳二「最近ボヤ騒ぎがあったろ。天狗党っーのか、そろそろ大規模に事を起こすかもしれないぞ」

悠「聞きたくないったのに…。っか、なに情報だよ。ソース(情報源)は?」

拳二「連続してボヤ騒ぎがあって、数日動きがない。つまり小手調べは終わり次は本気だ。っーおれの推理だ。」

悠「なるほど、それでソースは?」

拳二「おれの推理っーのを信用してねぇな。」

悠「拳二にこんな推理が出来るわけがない。」

拳二「けっ、いってくれらぁ。情報源は崇の奴だよ。あいつがそう話してたんだ。」

悠「崇が?噛んでるのか?」

拳二「まさか、新宿で問題が起こるのを楽しんでるんだろ。あいつが自分の領土以外を旨味なしに噛むかよ。」

悠「そりゃそうか……。なら、なんでお前はわざわざ話しに来た?」

拳二「お前のことだからきっと巻き込まれるだろうと思ってな。」

悠「やめろ。フラグ立てるな。」

はな「でた、スキル【ドラマティックエンカウンター】」

悠「やめてくれ。なんにもドラマティックな要素がないしそんなスキルは持ち合わせてません。」

拳二「ま、いろいろあるだろうが、せいぜい死ぬなよ」

悠「塩撒いてやろうか…」
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