ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
はじめ「来ればいい。後悔したければ」
文「邪魔、です」
ぶぶっー!
はじめ「………んっ?」
輝「はーいはい、そこまで!」
悠「ちょ……今度は輝まで?何事なんだよ、一体……」
輝「佐東はじめさん、失格!」
はじめ「……なんだって?こちらは売られたケンカを買っているだけだよ。反則負けとは見当違いもはなはだしい」
輝「いやー実は、ちょっと前からカメラ回してたんだよね。気づかれないように、向こうの方から。で、面白そうだから放っておいたんだけど、これ以上はやりすぎかなって」
越後屋「やりすぎも何も、ウチはそこの貧乳さんに、いきなり襲われただけで……」
文「…………」
悠「……」
貧乳さんが黙ってるのは、下手に不用意なことをいわないためか、それとも反論したら貧乳と認めるからか。
文「……何か、変なことを考えていませんか、小鳥遊君?」
悠「いんやーなんも」
速やかに嘘をつき、危機を回避するおれ。
輝「エントリーされていない越後屋さんが囮になって、サトーさんが不意打ちした件は。規則違反です。実のところその時点で、もう失格は決まっていたんですよ」
越後屋「目端の利くレポーターなんて、嫌やわぁ」
はじめ「……まとめて斬ろうか?」
輝「こ、この様子もカメラにおさめてますからね!」
越後屋「仕方ありまへん。ここは、ウチらが引きましょ」
はじめ「……旦那が、それでいいのなら」
越後屋「ほな小鳥遊さん、またよしなに」
はじめ「運がよかったな」
輝の介入のおかげで、結果的に厄介な戦い自体を回避することができた……みたいだ。おまけに強力なライバルがひとり減ったし、棚ボタ的だが、幸運はありがたく享受しておこう。
文「待ちなさい!私の用事は、まだおわってな……」
悠「いや、終わってるぞ文」
文「なぜだ!夢にまで見た巨乳だぞ!」
だから、別の意味に聞こえるってば。
悠「確かに巨乳という条件には当てはまるけどな……腕は立たないぞ。彼女は根っからの商人だ。それに剣魂も、大きなガマガエルだ。獣の姿とはほど遠い。」
文「……そう……ですか」
また空振りだったことに、少なからぬ落胆を見せる文。……無理もないよな。手掛かりかと掴んでみれば外れの札で、むなしくならないわけがない。
輝「あの……深刻そうなところ、申し訳ないんですが……そちらの女性は、どなたでしょう?」
悠「えっ?あ、ええっと……」
輝「少しインタビューなどさせてもらってもいいですか?いいんですよね?いいんですね!」
悠「か、勝手に決めるな!」
輝「まあまあ、減るもんじゃありませんし。お名前はなんとおっしゃるんですか?大会への意気込みは?」
文「……自分には、関係のないことですから」
輝「へ?あ、ちょっ……」
基本的な愛想のなさに加えて、正体を悟られたくない文は、頑なな対応を残し速やかに姿を消した。だが輝は追い掛けもせず、文が立っていた場所をじっと見つめている。
悠「どうした、輝」
輝「ああ、さっきの人がなにか落としていったんだよね。これ写真みたいで…………ッ!」
悠「ん?どうした?」
輝「……いやいや、どうやってあのひとに届けようかな、と」
悠「ああ、彼女はおれの友達なんだ。今度渡しておくよ」
輝「そう?じゃお任せしちゃおうかな」
悠「あぁ」
お兄さんを捜すのに大事なもんだもんな、これは。なくさないよう、しっかり懐に入れておこう。
はじめ「来ればいい。後悔したければ」
文「邪魔、です」
ぶぶっー!
はじめ「………んっ?」
輝「はーいはい、そこまで!」
悠「ちょ……今度は輝まで?何事なんだよ、一体……」
輝「佐東はじめさん、失格!」
はじめ「……なんだって?こちらは売られたケンカを買っているだけだよ。反則負けとは見当違いもはなはだしい」
輝「いやー実は、ちょっと前からカメラ回してたんだよね。気づかれないように、向こうの方から。で、面白そうだから放っておいたんだけど、これ以上はやりすぎかなって」
越後屋「やりすぎも何も、ウチはそこの貧乳さんに、いきなり襲われただけで……」
文「…………」
悠「……」
貧乳さんが黙ってるのは、下手に不用意なことをいわないためか、それとも反論したら貧乳と認めるからか。
文「……何か、変なことを考えていませんか、小鳥遊君?」
悠「いんやーなんも」
速やかに嘘をつき、危機を回避するおれ。
輝「エントリーされていない越後屋さんが囮になって、サトーさんが不意打ちした件は。規則違反です。実のところその時点で、もう失格は決まっていたんですよ」
越後屋「目端の利くレポーターなんて、嫌やわぁ」
はじめ「……まとめて斬ろうか?」
輝「こ、この様子もカメラにおさめてますからね!」
越後屋「仕方ありまへん。ここは、ウチらが引きましょ」
はじめ「……旦那が、それでいいのなら」
越後屋「ほな小鳥遊さん、またよしなに」
はじめ「運がよかったな」
輝の介入のおかげで、結果的に厄介な戦い自体を回避することができた……みたいだ。おまけに強力なライバルがひとり減ったし、棚ボタ的だが、幸運はありがたく享受しておこう。
文「待ちなさい!私の用事は、まだおわってな……」
悠「いや、終わってるぞ文」
文「なぜだ!夢にまで見た巨乳だぞ!」
だから、別の意味に聞こえるってば。
悠「確かに巨乳という条件には当てはまるけどな……腕は立たないぞ。彼女は根っからの商人だ。それに剣魂も、大きなガマガエルだ。獣の姿とはほど遠い。」
文「……そう……ですか」
また空振りだったことに、少なからぬ落胆を見せる文。……無理もないよな。手掛かりかと掴んでみれば外れの札で、むなしくならないわけがない。
輝「あの……深刻そうなところ、申し訳ないんですが……そちらの女性は、どなたでしょう?」
悠「えっ?あ、ええっと……」
輝「少しインタビューなどさせてもらってもいいですか?いいんですよね?いいんですね!」
悠「か、勝手に決めるな!」
輝「まあまあ、減るもんじゃありませんし。お名前はなんとおっしゃるんですか?大会への意気込みは?」
文「……自分には、関係のないことですから」
輝「へ?あ、ちょっ……」
基本的な愛想のなさに加えて、正体を悟られたくない文は、頑なな対応を残し速やかに姿を消した。だが輝は追い掛けもせず、文が立っていた場所をじっと見つめている。
悠「どうした、輝」
輝「ああ、さっきの人がなにか落としていったんだよね。これ写真みたいで…………ッ!」
悠「ん?どうした?」
輝「……いやいや、どうやってあのひとに届けようかな、と」
悠「ああ、彼女はおれの友達なんだ。今度渡しておくよ」
輝「そう?じゃお任せしちゃおうかな」
悠「あぁ」
お兄さんを捜すのに大事なもんだもんな、これは。なくさないよう、しっかり懐に入れておこう。