ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】
ー大江戸学園:大通りー
男子生徒F「もらったぁぁぁ!まさか、大通りへの曲がり角で待ち伏せしてるなんて思わなかったろう!はははっ」
悠「……隙あり」
ボゴッ!
男子生徒F「なっ!?」
詰めが甘いなぁ。思いっきり、刀を振り上げてるポーズの影が見えてたぞ。隠れるなら方向も考えろよな。
悠「とはいえ連戦を続けてちゃ、いずれ倒れるな」
三日間に渡る戦いも、今はちょうど中盤に当たる二日目。ずっと全力を出しきったままじゃ、とてもあと一日は戦い抜けない。
寅「テメーは全力出してないだろ」
悠「っ、と、ととととと、トラチー。」
っか、心の中を読まれた?
寅「ブチ殺してやりたいが……まぁいい。」
悠「あれ。見逃してくれるの?」
寅「お前をやるのは三日目だといっただろ。それに今から風雷コンビを狙いに行く」
悠「ひとりで、か?」
寅「なんならお前も来るか?」
悠「いいや、遠慮しとくよ。」
寅「ふんっ。」
寅は肩を切っていってしまった。やれやれ、アイツは血気盛んだな……ほっといたらひとりで酉居軍団も潰すんじゃないんだろうか。それにしてもどこも危険だな。これならいっそ小鳥遊堂に戻るか。
おれをピンポイントでつけ狙うヤツも……いないと願いたい。それに同じ襲われるしても地の利がある方がいい。自分の家で休むってのも、裏をかけるかもしれないしな。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「さすがに、ここには誰も居ないな……」
越後屋「おやおや、小鳥遊さんやないのん」
悠「……って、なんで越後屋がここにいるんだ……。もしかして、あんたも参加を!?」
越後屋「なんでとは、またいけずな。小鳥遊さんのことが心配で、ついお店に足を伸ばしてしまいましたというのに。参加もしていない身で、危険を顧みず……それなのに、小鳥遊さんときたら……切ないわぁ」
悠「おれがいるとは限らないのに、ここに?」
越後屋「せめて、小鳥遊さんを一番感じられる場所で無事を祈りたいという切ない乙女心、分かってもらえまへん?」
悠「乙女心……ねぇ」
越後屋「ところで小鳥遊さんこそ、どうしてここへ?なんぞ忘れ物どすか?」
悠「少し休みに来ただけだよ。ひと息ついておかないと、明日まで持たないからな」
越後屋「なるほど、おつかれですか……そんなら一肌脱ぎまひょか?」
悠「一肌脱ぐって、手助けしてくれるとか?」
越後屋「ややわぁ、そんな無粋なこと。一肌脱ぐのは、文字通りの意味ですやんか」
悠「……あー?」
越後屋「……疲れは、軟肌で癒すのが一番どすえ……?」
悠「あー?いや、ちょ……もしかしてそれって、余計に疲れることじゃ……!?」
越後屋「活力は漲るさかいに。ほら、やさしゅうしますから……」
悠「もたれかかるなっ、息をふきかけるなっ、握るなぁぁぁっ!」
越後屋「大丈夫、ウチが楽にしてあげます……さかいに!」
「お命、頂戴!」
悠「ッ!あぶねぇ……!!」
はじめ「……いい判断力だね」
死角から音もなく間合いを詰めてきた佐東が、落ち着き払って小さく笑っていた。本当にギリギリだった髪をかすめたのかハラハラと舞っている。
越後屋「あらあら、せっかくウチが小鳥遊さんの気を引いていたのに、失敗するなんて困るわぁ」
はじめ「旦那の色仕掛けが、逆に警戒心を呼び起こしていたよ」
越後屋「それほんま?小鳥遊さん」
悠「いや、そりゃ警戒するだろさすがに」
越後屋「色気に派自信があったのに、ショックやわぁ」
色気があり過ぎてあり得ない、って思ったんだけどな……まあ、いわないでおこう。
男子生徒F「もらったぁぁぁ!まさか、大通りへの曲がり角で待ち伏せしてるなんて思わなかったろう!はははっ」
悠「……隙あり」
ボゴッ!
男子生徒F「なっ!?」
詰めが甘いなぁ。思いっきり、刀を振り上げてるポーズの影が見えてたぞ。隠れるなら方向も考えろよな。
悠「とはいえ連戦を続けてちゃ、いずれ倒れるな」
三日間に渡る戦いも、今はちょうど中盤に当たる二日目。ずっと全力を出しきったままじゃ、とてもあと一日は戦い抜けない。
寅「テメーは全力出してないだろ」
悠「っ、と、ととととと、トラチー。」
っか、心の中を読まれた?
寅「ブチ殺してやりたいが……まぁいい。」
悠「あれ。見逃してくれるの?」
寅「お前をやるのは三日目だといっただろ。それに今から風雷コンビを狙いに行く」
悠「ひとりで、か?」
寅「なんならお前も来るか?」
悠「いいや、遠慮しとくよ。」
寅「ふんっ。」
寅は肩を切っていってしまった。やれやれ、アイツは血気盛んだな……ほっといたらひとりで酉居軍団も潰すんじゃないんだろうか。それにしてもどこも危険だな。これならいっそ小鳥遊堂に戻るか。
おれをピンポイントでつけ狙うヤツも……いないと願いたい。それに同じ襲われるしても地の利がある方がいい。自分の家で休むってのも、裏をかけるかもしれないしな。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
悠「さすがに、ここには誰も居ないな……」
越後屋「おやおや、小鳥遊さんやないのん」
悠「……って、なんで越後屋がここにいるんだ……。もしかして、あんたも参加を!?」
越後屋「なんでとは、またいけずな。小鳥遊さんのことが心配で、ついお店に足を伸ばしてしまいましたというのに。参加もしていない身で、危険を顧みず……それなのに、小鳥遊さんときたら……切ないわぁ」
悠「おれがいるとは限らないのに、ここに?」
越後屋「せめて、小鳥遊さんを一番感じられる場所で無事を祈りたいという切ない乙女心、分かってもらえまへん?」
悠「乙女心……ねぇ」
越後屋「ところで小鳥遊さんこそ、どうしてここへ?なんぞ忘れ物どすか?」
悠「少し休みに来ただけだよ。ひと息ついておかないと、明日まで持たないからな」
越後屋「なるほど、おつかれですか……そんなら一肌脱ぎまひょか?」
悠「一肌脱ぐって、手助けしてくれるとか?」
越後屋「ややわぁ、そんな無粋なこと。一肌脱ぐのは、文字通りの意味ですやんか」
悠「……あー?」
越後屋「……疲れは、軟肌で癒すのが一番どすえ……?」
悠「あー?いや、ちょ……もしかしてそれって、余計に疲れることじゃ……!?」
越後屋「活力は漲るさかいに。ほら、やさしゅうしますから……」
悠「もたれかかるなっ、息をふきかけるなっ、握るなぁぁぁっ!」
越後屋「大丈夫、ウチが楽にしてあげます……さかいに!」
「お命、頂戴!」
悠「ッ!あぶねぇ……!!」
はじめ「……いい判断力だね」
死角から音もなく間合いを詰めてきた佐東が、落ち着き払って小さく笑っていた。本当にギリギリだった髪をかすめたのかハラハラと舞っている。
越後屋「あらあら、せっかくウチが小鳥遊さんの気を引いていたのに、失敗するなんて困るわぁ」
はじめ「旦那の色仕掛けが、逆に警戒心を呼び起こしていたよ」
越後屋「それほんま?小鳥遊さん」
悠「いや、そりゃ警戒するだろさすがに」
越後屋「色気に派自信があったのに、ショックやわぁ」
色気があり過ぎてあり得ない、って思ったんだけどな……まあ、いわないでおこう。