ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】
ー大江戸学園:通りー
悠「……必殺技は良いんだけど、肝心のお前らが全身思いっきり隙だらけだぞ」
そういうと、何が起こったのかわからない、という風にポカンとしていた三人が猛然と抗議を始めた。
平和「そ……そんなのずるい!ずるいよっ!まだ技の途中だったのに!」
信乃「必殺技が始まったら、それが終わるまでじっと見ているのが決まりなんですよ!」
悠「それはアニメの中だけだよ。実戦の戦場じゃ、誰も待ってなんてくれないさ」
つばめ「これは一本取られましたねぇ~」
平和「でっ、でもでも!そんなのは無粋だ!横暴だ!悠さんはワビサビを理解していません!」
悠「それについては頭を下げるしかないけれど、でもおれも勝つのに必死だからな……」
さっきのシャインスパーク……もとい合体技も当たりはしなかったけど、威力は折り紙つきだ。間違っても受けてはあげられない。……まぁちょっとだけ、どんな技が来るのか見てみたかった、というのはあるんだけどな。
平和「うぐぐぐ……納得がいかんでござるぅ……」
つばめ「それでも負けてしまったことには変わりありませんわ。ここは潔く引き下がりましょう」
信乃「はぁ……こんな形で終わってしまうなんて……もっと活躍したかったのにぃ……」
悠「まぁまぁ、まだ何年も先があるんだし、そのときはもっと頑張ってくれよな」
平和「ううー、来年は負けませんからねっ!でござる!」
三人はまだ納得いかないという様子ながら、渋々退場していった。それに従うマミヤたちも、心なしかしょんぼりと肩を落としているように見える……。
悠「……いや、勝負の世界は厳しいのだ」
必要以上の情を持っていては、この先の荒波を乗り越えるのは難しいと、おれは教訓を与えたのだ。まぁ、この先に進んでも鬼と獣が待ち構えているんだけどな……はぁ、憂鬱だ。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
吉音「おつかれさま~。さっすが悠、一日目は余裕だったね!」
悠「ありがとよ。輝が騒がしかったり、探偵団の子たちと遭遇したり、意外にずっとリラックスしていられたよ。」
吉音「ね、余計なことなんて考えない方がいいんだよ」
悠「ははっ、かもな」
乱取り一日目が終了しても、おれはなんとか勝ち残っていた。ただ色んな話しを聞くと、一日目は無茶をしなければ残れる可能性も低くはないらしい。上位はひとりで何十人も倒したらしいけど……。
吉音「この調子でいけば優勝だって簡単だよ!そうすれば偉い人の前で、一騎打ちができるようになるかも」
悠「そう簡単にはいかねーだろ。優勝候補はみんなキッチリ残ってるんだし。」
酉居、銀次、佐東さん、寅、風太郎、雷太郎をはじめ、そこそこ名の知られているひとはみんな生き残っている。そういった奴らが直接対決を避けているから、という理由もあるだろうけど。やっぱり一番大きく動きそうなのは、最終三日目だな。
吉音「悠なら大丈夫と思うけどなぁー」
悠「しかしこれ、思ったより体力を使うな。闘わなくてもいつ襲われるかと、警戒しなきゃならないし」
吉音「んー……来た人をやっつければひれでいいんじゃない?」
悠「そりゃそういうことなんだけど、昼寝しながら待つわけにもいかないだろ」
吉音「寝てるのを邪魔なんてしないと思うけどなぁ」
どれだけ能天気なんだよ。あんまりいいたかないが、おれだったらコレ幸いと斬りつけるだろうな。
悠「それよりお前の方はどうなんだ?一騎打ちがあるだろ?」
吉音「あはは。詠美ちゃんなら大丈夫だよ。どれだけ忙しくても、なんでもスパッとやっちゃうし」
悠「いや徳河さんのほうじゃなくて……まぁいいけど」
吉音は徳河の血を引く面倒事より、徳河詠美さんと戦える喜びの方に、頭を切り替えたらしい。おれも他人のことを気にしてる場合じゃないしな。
明日はどんな戦いがあるのか、頭も身体も柔軟にしておかないとな。
悠「……必殺技は良いんだけど、肝心のお前らが全身思いっきり隙だらけだぞ」
そういうと、何が起こったのかわからない、という風にポカンとしていた三人が猛然と抗議を始めた。
平和「そ……そんなのずるい!ずるいよっ!まだ技の途中だったのに!」
信乃「必殺技が始まったら、それが終わるまでじっと見ているのが決まりなんですよ!」
悠「それはアニメの中だけだよ。実戦の戦場じゃ、誰も待ってなんてくれないさ」
つばめ「これは一本取られましたねぇ~」
平和「でっ、でもでも!そんなのは無粋だ!横暴だ!悠さんはワビサビを理解していません!」
悠「それについては頭を下げるしかないけれど、でもおれも勝つのに必死だからな……」
さっきのシャインスパーク……もとい合体技も当たりはしなかったけど、威力は折り紙つきだ。間違っても受けてはあげられない。……まぁちょっとだけ、どんな技が来るのか見てみたかった、というのはあるんだけどな。
平和「うぐぐぐ……納得がいかんでござるぅ……」
つばめ「それでも負けてしまったことには変わりありませんわ。ここは潔く引き下がりましょう」
信乃「はぁ……こんな形で終わってしまうなんて……もっと活躍したかったのにぃ……」
悠「まぁまぁ、まだ何年も先があるんだし、そのときはもっと頑張ってくれよな」
平和「ううー、来年は負けませんからねっ!でござる!」
三人はまだ納得いかないという様子ながら、渋々退場していった。それに従うマミヤたちも、心なしかしょんぼりと肩を落としているように見える……。
悠「……いや、勝負の世界は厳しいのだ」
必要以上の情を持っていては、この先の荒波を乗り越えるのは難しいと、おれは教訓を与えたのだ。まぁ、この先に進んでも鬼と獣が待ち構えているんだけどな……はぁ、憂鬱だ。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
吉音「おつかれさま~。さっすが悠、一日目は余裕だったね!」
悠「ありがとよ。輝が騒がしかったり、探偵団の子たちと遭遇したり、意外にずっとリラックスしていられたよ。」
吉音「ね、余計なことなんて考えない方がいいんだよ」
悠「ははっ、かもな」
乱取り一日目が終了しても、おれはなんとか勝ち残っていた。ただ色んな話しを聞くと、一日目は無茶をしなければ残れる可能性も低くはないらしい。上位はひとりで何十人も倒したらしいけど……。
吉音「この調子でいけば優勝だって簡単だよ!そうすれば偉い人の前で、一騎打ちができるようになるかも」
悠「そう簡単にはいかねーだろ。優勝候補はみんなキッチリ残ってるんだし。」
酉居、銀次、佐東さん、寅、風太郎、雷太郎をはじめ、そこそこ名の知られているひとはみんな生き残っている。そういった奴らが直接対決を避けているから、という理由もあるだろうけど。やっぱり一番大きく動きそうなのは、最終三日目だな。
吉音「悠なら大丈夫と思うけどなぁー」
悠「しかしこれ、思ったより体力を使うな。闘わなくてもいつ襲われるかと、警戒しなきゃならないし」
吉音「んー……来た人をやっつければひれでいいんじゃない?」
悠「そりゃそういうことなんだけど、昼寝しながら待つわけにもいかないだろ」
吉音「寝てるのを邪魔なんてしないと思うけどなぁ」
どれだけ能天気なんだよ。あんまりいいたかないが、おれだったらコレ幸いと斬りつけるだろうな。
悠「それよりお前の方はどうなんだ?一騎打ちがあるだろ?」
吉音「あはは。詠美ちゃんなら大丈夫だよ。どれだけ忙しくても、なんでもスパッとやっちゃうし」
悠「いや徳河さんのほうじゃなくて……まぁいいけど」
吉音は徳河の血を引く面倒事より、徳河詠美さんと戦える喜びの方に、頭を切り替えたらしい。おれも他人のことを気にしてる場合じゃないしな。
明日はどんな戦いがあるのか、頭も身体も柔軟にしておかないとな。