ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】

ー大江戸学園:通りー

輝「あああっと!じごろう銀次!これは放送禁止だぁぁああっ!!なんて……ああ、そんなっ!そんなことまで!これはトラウマ確定!確定です!バッチリ見てしまった私はどうすればよいのでしょう!薄い本でも作るべきなのでしょうか!?」

……銀次の奴は何をしてるんだ。酉居がやられたというのは聞いてないし、佐東さんや寅に雷神風神コンビが一日目で負けるというのも考えにくい。

結局そのへんの実力者は勝ち残っていくんだろうな。

「あ~っ、悠さんだ!でござる!」

おっ、この声は。

信乃「さすがにすぐにはやられなかったみたいです……だな!」

つばめ「腐っても柳宮門下生といいますしね~」

……相変わらずだな。この子たちには普段と変わった様子が全く見られない。う~ん、もしかしたらすごい大物なのかもしれないぞ、これは。

平和「ここで出会ってしまっては仕方がないでござる。いくら悠さんといえど、容赦はしないのでござる!」

悠「そうだな。始まる前にそう約束したもんな。」

嘘もつくし逃げも隠れもするが約束をやぶらないのがおれだ。

信乃「早速私たちの必殺技をご覧いただく時が来たようですね……ようだなっ!」

悠「いやそんなに無理しなくてもいいから」

信乃「む、むむ、無理なんてしていませんっ」

つばめ「こういうところがかわいいんじゃないですか~」

悠「まぁ、それは否定しないけど」

平和「こらこらっ!悠さんは今は敵なんだってば!仲良し禁止!」

つばめ「あらあら、そうでした~」

チームワークが良いんだか悪いんだか。

平和「というわけで、いざ尋常に勝負!でござる!」

悠「あー……来いや。泣かない程度にしばいてやる!」

平和のいう通り、知り合いだから年下だからって手心は加えられないからな。三人そろって剣魂を召喚し直し、順々に声をあげる。

つばめ「わたしたちの力を信じましょう~!」

平和「三つの力がひとつになれば、倒せぬ敵などないでござる!」

信乃「ペダルを踏むタイミングを合わせるんです!」

悠「ゲッターか!ゲッターなのか!!ゲッタースパーク空高くか?!」

はともかく、マミヤとキラが、ナイゼンの背中へヒョイヒョイと飛び乗る。そして二匹を乗せたナイゼンが、ゆっくりと宙へ浮かび上がっていく。

学園探偵団「「「トライアングル・アターック!」」」

そして急降下して、一直線におれへと向かってくる!

ドゴォォォォン!!

信乃「……やったかな?」

つばめ「天国、それってフラグっていうんですよ。知ってます?」

信乃「ふ、フラグ?ってなに?」

悠「そういうのは大抵やってないってことだよ」

平和「ああっ!?どうして無事なのでござるか!」

悠「いや……以前に見たのと同じ技だったしな」

あの時は正面から受けてしまったけど、来ると分かっていればかわすこともできる。

平和「むむむ、これが通じないとは……しかしそれで勝ったつもりでいるのは、まだまだ速いでござるよ!」

信乃「私たちにはまだまだ沢山の秘技があるのですだからな!」

つばめ「わたくしたちだって、成長はするんですよ~」

悠「ほぅ……そう来たか」

そういえば以前も、技をいくつも試しているようだった。そのあたりの根性というか向上心は、見上げたものがあるからな。

平和「それじゃ、江戸探偵団コンビネーション!いち!」

つばめ「に!」

信乃「さーん!」

三人の号令で、キラがマミヤを肩車し

マミヤ『フミッ』

キラ「チッ……チ、チィッ……」

危ういバランスでヨチヨチと歩きながら、ナイゼンの背の上によじ登っていく……

悠「隙だらけ」

平和「たっ!」

つばめ「えっ?」

信乃「わぅっ!」

軽く刀の先をあわせると、三人からそろって可愛らしい悲鳴が上がった。おれの連続斬りにより、三人まとめて失格である。
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