ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】
ー大江戸学園:通りー
悠「新、おれ達もジェットストリームアタック……じゃなくて、ラストスパートかけるぞ!」
吉音「うん!」
屋台はますますもって速度をあげる。ただでさえ追いつけないのだが、いよいよ遠ざかっていく。正直、もう追いつくとか追いつかないとかではなく、足がもつれて転ばないようにするだけで精いっぱいだ。けれども、屋台はおれが予想した通り、さっきと同じ角を曲がって、さっきの場所に戻ろうとしている。手はず通りなら、屋台が向かう先には平和たち三人が待ち構えているはずだ。
悠「よしっ……これで、挟み撃ちだ……っ!」
平和「きたっ!」
信乃「そこの屋台、止まりやがれぇ!」
つばめ「止まりなさぁ~い!」
しかし、屋台は止まる気配が無く。
信乃「こっ、こらぁ!止まれ……止まれってばぁ!!」
つばめ「とっ、ととっ止まらないつもりですか~っ!?」
平和「たっ、退避ぃーっ!!」
信乃「だっ、ダメですぅ!間に合いませ~んっ!!」
平和「いいいぃっやあぁ~っ!!」
悠「あ、ぁ……平和!信乃、つばめぇ!!」
はるか前方で、屋台が派手な音を上げて横転するのを、おれにはただ見る事しかできなかった。
つばめ「ふぅ……間一髪、でしたね~」
平和「つ、つばめ……ナイス……」
信乃「うえぇん、怖かったよぉ」
吉音「悠、見て!みんな無事だったみたいだよ!」
悠「は……はは……」
吉音「あれ?悠?」
悠「こ……腰が抜けた……」
ナイゼン『カメェ~』
ナイゼンの陰から無事な姿で出てきた三人を見た途端、おれはがくりと尻餅をついてしまう。そして、尻餅をついたからこそ、それまできがつかなかったものの存在に気がつくことができたのだった。
尻餅をついたはずみで投げ出した手が見つけたのは、路面に刻まれた不自然なほど真っ直ぐな溝だった。なんだこれ、敷居の溝みたいにも見えるけど……あっ、もしかして!おれは、はたと気づいて、横倒しになっている屋台へと視線を飛ばす。
「……やっぱりだ。この屋台、トロッコだった。」
吉音「とろっこ?」
悠「夜だから見えにくいけれど……ほら、ここにレールが敷いてあるだろ。あの屋台は、この上を走っていたんだ」
吉音「あぁ……だから、あんなに速かったんだね。」
悠「しかも、人が牽いていたわけじゃないみたいだしな。おそらくは電動モーター内臓というところだろう」
吉音「トロッコっていうか、路面電車だね」
悠「ああ、まったくだ……あー?」
吉音と話していたそのとき、おれは暗がりから染み出るように近づいてくる複数の人影に気がついた。気配を隠すつもりないらしい連中に、平和たちもすぐに気がついたようだ。
平和「だっ、誰だ……でござるかっ!?」
信乃「おおっお化けじゃ、なっないですよねぇ!?」
つばめ「大丈夫、人間みたいですよ」
???「そのとおり、我々はただの人間だ」
暗がりからすすみ出てきたのは、男女六人の生徒だった。
平和「その制服……学園の生徒?」
七保委員1「いかにも!」
七保委員2「我々は、大江戸学園非公認課外活動部、七不思議保全委員会!」
七保委員3「略して七保委員会!」
七保委員4「科学万能の学園に一握りの謎を生みだすため、日や活動をつづけるオカルトの使者!」
七保委員5「その目的はただひとつ!乾ききった日常に、不思議という名の潤いを与えること!!」
七保委員6「そっ……それが、私たち、」
七保委員たち「「「七不思議保全委員会!」」」
……唐突過ぎる展開に、なんか全然、ついていけない。
悠「新、おれ達もジェットストリームアタック……じゃなくて、ラストスパートかけるぞ!」
吉音「うん!」
屋台はますますもって速度をあげる。ただでさえ追いつけないのだが、いよいよ遠ざかっていく。正直、もう追いつくとか追いつかないとかではなく、足がもつれて転ばないようにするだけで精いっぱいだ。けれども、屋台はおれが予想した通り、さっきと同じ角を曲がって、さっきの場所に戻ろうとしている。手はず通りなら、屋台が向かう先には平和たち三人が待ち構えているはずだ。
悠「よしっ……これで、挟み撃ちだ……っ!」
平和「きたっ!」
信乃「そこの屋台、止まりやがれぇ!」
つばめ「止まりなさぁ~い!」
しかし、屋台は止まる気配が無く。
信乃「こっ、こらぁ!止まれ……止まれってばぁ!!」
つばめ「とっ、ととっ止まらないつもりですか~っ!?」
平和「たっ、退避ぃーっ!!」
信乃「だっ、ダメですぅ!間に合いませ~んっ!!」
平和「いいいぃっやあぁ~っ!!」
悠「あ、ぁ……平和!信乃、つばめぇ!!」
はるか前方で、屋台が派手な音を上げて横転するのを、おれにはただ見る事しかできなかった。
つばめ「ふぅ……間一髪、でしたね~」
平和「つ、つばめ……ナイス……」
信乃「うえぇん、怖かったよぉ」
吉音「悠、見て!みんな無事だったみたいだよ!」
悠「は……はは……」
吉音「あれ?悠?」
悠「こ……腰が抜けた……」
ナイゼン『カメェ~』
ナイゼンの陰から無事な姿で出てきた三人を見た途端、おれはがくりと尻餅をついてしまう。そして、尻餅をついたからこそ、それまできがつかなかったものの存在に気がつくことができたのだった。
尻餅をついたはずみで投げ出した手が見つけたのは、路面に刻まれた不自然なほど真っ直ぐな溝だった。なんだこれ、敷居の溝みたいにも見えるけど……あっ、もしかして!おれは、はたと気づいて、横倒しになっている屋台へと視線を飛ばす。
「……やっぱりだ。この屋台、トロッコだった。」
吉音「とろっこ?」
悠「夜だから見えにくいけれど……ほら、ここにレールが敷いてあるだろ。あの屋台は、この上を走っていたんだ」
吉音「あぁ……だから、あんなに速かったんだね。」
悠「しかも、人が牽いていたわけじゃないみたいだしな。おそらくは電動モーター内臓というところだろう」
吉音「トロッコっていうか、路面電車だね」
悠「ああ、まったくだ……あー?」
吉音と話していたそのとき、おれは暗がりから染み出るように近づいてくる複数の人影に気がついた。気配を隠すつもりないらしい連中に、平和たちもすぐに気がついたようだ。
平和「だっ、誰だ……でござるかっ!?」
信乃「おおっお化けじゃ、なっないですよねぇ!?」
つばめ「大丈夫、人間みたいですよ」
???「そのとおり、我々はただの人間だ」
暗がりからすすみ出てきたのは、男女六人の生徒だった。
平和「その制服……学園の生徒?」
七保委員1「いかにも!」
七保委員2「我々は、大江戸学園非公認課外活動部、七不思議保全委員会!」
七保委員3「略して七保委員会!」
七保委員4「科学万能の学園に一握りの謎を生みだすため、日や活動をつづけるオカルトの使者!」
七保委員5「その目的はただひとつ!乾ききった日常に、不思議という名の潤いを与えること!!」
七保委員6「そっ……それが、私たち、」
七保委員たち「「「七不思議保全委員会!」」」
……唐突過ぎる展開に、なんか全然、ついていけない。