ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】
ー大江戸学園:河原ー
悠「ここの草、どれも葉っぱが片側しか生えてない?」
この河原に生い茂っているのは芦だ。葦というのは、背の高い茎から左右に葉が伸びているものだけど、ここの葦は少し違っている。どれも、茎の片方にしか葉が伸びていないのだ。
つばめ「どうです、悠さん。事件の匂いがしてきません?」
そう聞かれておれは自分の顎に手をそえていった。
悠「いや……たんにちょっと変わった生え方をしているだけなんじゃないのか?」
つばめ「きっと、この辺りに死体が埋められているんですよ。そのせいで土壌が酸性になって、花が青色に!」
悠「青色ってなんだよ!それは紫陽花(アジサイ)だろ!」
つばめ「葦って、ペーハーによって葉っぱの付きかたが変わったりしません?」
悠「しません。そもそもペーハーってのは……」
つばめ「むぅ、つまんないです」
おれの解説を即切りすてて話しをすすめるつばめ。まぁいいんだけどな……。
悠「つまらなくていいよ……でも、それはそれとしても、葉が片方しか生えていないのは気になるな」
つばめの話しはともかく、この河原の足がどうして片側にしか葉をつけていないのかは、少々気になる。
吉音「……誰かがむしったんじゃないのかな」
悠「あー」
吉音「草むらを踏みわけた跡があるでしょ。なら、その跡をつけた人が葉っぱを毟ってまわったんだよ」
つばめ「あぁ……そう考えると、夜中に騒いでいたという話しも辻褄が会いますねぇ」
悠「うぅん……いやでも、やっぱりおかしくないか?」
一瞬、吉音の言葉にも一理あると思ったけれど、冷静に考えてみると、やっぱり変だ。
吉音「ん?」
悠「辻褄は会うかもしれないけど、夜なかに片方だけの葉だけを毟る行為に、どんな意味があるんだよ」
つばめ「ああ、そういわれてみると、それもそうですねぇ」
吉音「むー、違ったかなぁ」
おけとつばめに揃って否定されたのが納得しかねるのか、吉音は不満そうな顔だ。
悠「そんな顔したって、しょうがないだろ」
吉音「だって、ふたりして違うっていうんだもんっ」
悠「いや、違うといったわけじゃなくてだな……」
吉音「うそっ、違うと思ってる癖に」
悠「そんなことないって」
吉音「そんなことあるよっ」
これじゃ堂々巡りだよ。ああもっ、拉致が明かない!
つばめ「そんなことがあるかないかは、今夜になればはっきりすることじゃないですかぁ~」
吉音「え、今夜?」
つばめ「向こうの方の葦は葉っぱが両側についていますから、誰かが毟っているのなら、きっと今夜も現れるはずです~」
吉音「そっか!じゃ、今夜は寝ないで見張らないとだね!そうときまったら、早く戻ってお昼寝しとかないと!」
つばめ「お供します~」
吉音とつばめは競り合うようにかけていってしまった。
悠「あ……今からじゃ、昼寝じゃなくて夕寝だろ……って!つばめのやつ、夜もついてくる気か!?おい、二人ともちょっと待てぇ!」
……二人は全然待ってくれなかった。
ー大江戸学園:釣り堀ー
信乃「……すぅ……すぴー……んっ……すぅ……すぅー」
悠「ここの草、どれも葉っぱが片側しか生えてない?」
この河原に生い茂っているのは芦だ。葦というのは、背の高い茎から左右に葉が伸びているものだけど、ここの葦は少し違っている。どれも、茎の片方にしか葉が伸びていないのだ。
つばめ「どうです、悠さん。事件の匂いがしてきません?」
そう聞かれておれは自分の顎に手をそえていった。
悠「いや……たんにちょっと変わった生え方をしているだけなんじゃないのか?」
つばめ「きっと、この辺りに死体が埋められているんですよ。そのせいで土壌が酸性になって、花が青色に!」
悠「青色ってなんだよ!それは紫陽花(アジサイ)だろ!」
つばめ「葦って、ペーハーによって葉っぱの付きかたが変わったりしません?」
悠「しません。そもそもペーハーってのは……」
つばめ「むぅ、つまんないです」
おれの解説を即切りすてて話しをすすめるつばめ。まぁいいんだけどな……。
悠「つまらなくていいよ……でも、それはそれとしても、葉が片方しか生えていないのは気になるな」
つばめの話しはともかく、この河原の足がどうして片側にしか葉をつけていないのかは、少々気になる。
吉音「……誰かがむしったんじゃないのかな」
悠「あー」
吉音「草むらを踏みわけた跡があるでしょ。なら、その跡をつけた人が葉っぱを毟ってまわったんだよ」
つばめ「あぁ……そう考えると、夜中に騒いでいたという話しも辻褄が会いますねぇ」
悠「うぅん……いやでも、やっぱりおかしくないか?」
一瞬、吉音の言葉にも一理あると思ったけれど、冷静に考えてみると、やっぱり変だ。
吉音「ん?」
悠「辻褄は会うかもしれないけど、夜なかに片方だけの葉だけを毟る行為に、どんな意味があるんだよ」
つばめ「ああ、そういわれてみると、それもそうですねぇ」
吉音「むー、違ったかなぁ」
おけとつばめに揃って否定されたのが納得しかねるのか、吉音は不満そうな顔だ。
悠「そんな顔したって、しょうがないだろ」
吉音「だって、ふたりして違うっていうんだもんっ」
悠「いや、違うといったわけじゃなくてだな……」
吉音「うそっ、違うと思ってる癖に」
悠「そんなことないって」
吉音「そんなことあるよっ」
これじゃ堂々巡りだよ。ああもっ、拉致が明かない!
つばめ「そんなことがあるかないかは、今夜になればはっきりすることじゃないですかぁ~」
吉音「え、今夜?」
つばめ「向こうの方の葦は葉っぱが両側についていますから、誰かが毟っているのなら、きっと今夜も現れるはずです~」
吉音「そっか!じゃ、今夜は寝ないで見張らないとだね!そうときまったら、早く戻ってお昼寝しとかないと!」
つばめ「お供します~」
吉音とつばめは競り合うようにかけていってしまった。
悠「あ……今からじゃ、昼寝じゃなくて夕寝だろ……って!つばめのやつ、夜もついてくる気か!?おい、二人ともちょっと待てぇ!」
……二人は全然待ってくれなかった。
ー大江戸学園:釣り堀ー
信乃「……すぅ……すぴー……んっ……すぅ……すぅー」