ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました

ー新宿:茶屋小鳥遊堂(風呂場)ー

悠「……やっちまった」

揺光【んん~完全に夜があけたのぅ。若藻達はまだ寝とるし】

~~

若藻『スヤスヤ…スヤスヤ…』
妲己『スゥスウ…スゥスゥ…』

~~

悠「しかも朝までコースとか……アホだ。おれアホだ…。」

揺光【鬱陶しいのう。事が終わってから冷静になるのは数多におる男子の悪い部分じゃぞ。】

悠「そうだよ…スッキリしちゃったから頭が冷静になっちゃうんだよ……」

揺光【やれやれ、昨夜はあんなに激しく獸のようだった男が今はまるで子猫じゃな】

悠「うるへー。っか、子猫かわいいじゃねぇか。」

揺光【じゃあ悠は子猫ちゃんじゃ】

悠「なんか腹立つ」

揺光【やれやれ気難しい奴じゃな。そんなになにを嫌悪する?男と女が一晩一緒に居れば自然な流れじゃろうて。それに…互いに合意の上、なんの罪もない。なにより、妾もオヌシも気持ちよかったんじゃから万々歳じゃ】

悠「……」

揺光【なんじゃまだやりたらぬか?んん?】

チャプ…スルッ…

悠「十二分に満足したよ…だから被さるな。」

揺光【エッチが終わったらもうさよならかよ】

悠「おい、素で止めろ。」
揺光【冗談じゃ。じゃが…少しくらい妾とて甘えたいぞ?】

悠「甘え…いや、なんでもない」

揺光【なんじゃ、気になるであろう】

悠「甘えるもなにも……お前にガッツリ主導権握られてたのがなぁ。」

揺光【それは仕方ない。妾とオヌシ差があるんじゃからな。じゃが、若藻と妲己はオヌシがしっかりと主導権握っておったじゃろ。】

悠「お黙りなさい」

揺光【くっくっく。初のう、初のう。】

悠「はぁ…」

揺光【あ、そうじゃ】

悠「あー?」

揺光【妾と悠の間に産まれる子の名は「悠狐(ゆうこ)」とかでどうじゃ?】

悠「ぶっ!?え、できんの?」

揺光【アレだけ出しておいてなんと酷い奴じゃ。ヨヨヨ…】

悠「ヨヨヨじゃねぇよ。」

揺光【まぁ、冗談じゃ】

悠「この冗談は性質が悪すぎる」

揺光【人間同士なら確実に孕んでおるぞ?】

悠「申し訳ございません」
揺光【くっくっく。意地悪が過ぎたの。さぁて…妾はもう行くが…最後にもう一度どうじゃ?】

ザパッ…

悠「虜になるから我慢する」

ザパッ…

揺光【惜しいのぅ。嘗ては幾人もの者を惑わしてきたのに。あ、拭いてたもう。】

悠「考えてみたらおれは一国を傾かせた妖婦と火遊びしたのか…。自分で拭けよなぁ」

揺光【自慢できるぞ。甘えとるんじゃよ。ほら、ちゃんと隅々まで拭いてたもうの。】

悠「(どこが甘えてるんだか)一生胸の内に秘めとくよ。それよりどこ行くんだ?」

揺光【次は北海道で海鮮か…地獄巡りじゃな】

悠「謳歌してるな…。」

揺光【退屈など御免じゃ。妲己、若藻。起きよ】

妲己『ふぁ?!』
若藻『はひ?!』

揺光【それより悠よ】

悠「あー?」

揺光【人間にモテぬのなら妾が居るから安心じゃぞ。ま・た・の♪】

ひゅっ…

悠「……片付けるか。っか、これ…いろいろヤバイな…」

新「おーい、ゆう~!」

悠「新!?ちょい待て!」

ガララ!ピシャリ!!

新「あ、悠おはよう。あれお風呂はいってた?」

悠「お、おは、おはよう。ちょっと朝シャンだよ。」

新「クンクン…なんか…栗の花みたいなにおいが?」

悠「っ!?な、なんか用事か?」

新「ううん。お店に電気ついてたから悠いるのかな~って」

悠「なるほど…学校遅れるぞ?」

新「そうだ!じゃ、悠またね!銀シャリ号!ごー!」

悠「……早急に片付けて消臭剤ぶちまけよう」
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