ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】

ー???ー

「……大丈夫だ、誰もいない」

「どこにあるのか、目星はついてるんだよな?」

「任せて。もう調査済みよ」

「さすが、手が早いな」

「ふっふーん……っと、この辺りに……!あったわ!これよ、これッ」

「でかした!お手柄だぞ!」

「これさえあれば、俺たちは助かる……」

「そうよ……助けてもらうのよ、あの人に……!」

「……はっはっはっ……」

「……ふっふっふっ……」

「……うふふふふっ……」

「「「あーはっはっはっはっ!」」」




ー大江戸学園:廊下ー

悠「はぁ、今日も疲れた疲れた……」

吉音「んむ?疲れることになんて、なんかあったっけ?」

悠「なんかって言うか……一日授業を受けてたら、普通疲れるだろ。それにおれはこっとあっちの学校を行き来してるし。」

夜にも學校いってるし。

吉音「じゅ……ぎょう……?」

悠「……お前、内容だけじゃなくて、とうとう授業を受ける事実すら忘れ始めたか」

吉音「冗談だってば~。そのくらい、もちろん覚えてるよ!」

悠「じゃあ、授業の内容は?」

吉音「もちろん覚えてないよ!」

悠「忘れたですら、ないんだな……せめて頭の中に一回入れるくらいしておけ」

吉音「忘れるのに、なんでそんな無駄なことするの?」

悠「……分かった、もういい。好きにしてくり……」

吉音「はーいっ」

鼎「……教室にもなかったし……あとは、どこにありそうかしら…………はぁぁ、困ったわぁ……」

吉音「飛鳥先生だ~!今日もお疲れ様ぁ」

吉音「お前、前々疲れてない癖に……」

鼎「あら、小鳥遊君に徳田さん。今日もお疲れ様でした」

吉音「ん?んむむ?先生、いつもとちょっと変」

鼎「あ、いやだわ、顔に出てたのね」

悠「どしたんすか?」

鼎「いえ、大したことではないんだけど……来週のテストの問題をまとめた紙、どこかになくしちゃったみたいなの。てへっ」

悠「……かなりの問題な気がするんすけど……」

吉音「むむ!もしかして、事件の匂い!?」

悠「ああ、その可能性も……いやいや、でも先生のことだから、置き忘れただけって気も……」

鼎「そうなのよね、誰でもうっかりってあるし」

悠「……」

自分のうっかりを、さりげなく人類全体の話にすり替えたぞ。

鼎「あれがないとテスト用紙も作れないし、困ったわぁ」

悠「それって、手書きなんスか?」

鼎「ううん、ぱそこんの中にあるの」

悠「じゃあ、なくしたのを見つけ出すのはともかくとして、それを元にテスト用紙は印刷できますよ」

鼎「それがね……わたし、ぱそこんは苦手な野ぉ~」

……うんまあ、そんな気はしてた。発音のたどたどしさとかで。
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