ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】
ーとある武家屋敷ー
吉音「まだまだだね!えぇ~~いっ!」
「ぐはっ!」
「もう終わりかよっ……」
吉音は軽い調子で敵中へ踊り込んでいく。が、その態度とは裏腹に吉音の一撃一撃は何よりも重い。斬る、突く、弾く、返す。変幻自在の吉音の動きについていけるものは存在しない。
吉音「とうっ!せぇい!うぉりゃっ~~!」
想「どうやら徳田さんだけで片がつきそうですね」
悠「いつものこととはすえ、相変わらずすさまじい速さですね……」
佐川「あれ、速いとかそういうスピードじゃないような……。人間に可能なスピードじゃないような気がしますけど。」
初めて吉音の戦いを間近で観た佐川さんが、その圧倒的な実力に息を呑んでいる。まぁ、その気持ちは良く分かる。
想「徳田さんはいろいろ規格外ですからね。人間の定規で測っていたら馬鹿を見ますよ。」
吉音「想ちゃんひどい!」
悠「……」
アレだけの人数と戦いながら、こっちの話までちゃんと聞いてるのかよ……。
吉音「てゆーか、みんな無駄話してないでちゃんと戦ってよ!」
吉音の声に反応したのか、二人の生徒がこちらに刃を向ける。
男子生徒H「その通り!よそ見してる暇なんかっ」
想「はぁっ!」
男子生徒H「ぐへぇっ!」
相手のセリフが終わるより早く、逢岡さんは刀を振り抜いていた。
悠「はやい」
……おれから見たら逢岡さんも十分規格外だ。
想「小鳥遊君、そろそろ話してあげないと顔が変形してしまいますよ」
悠「おっと」
おれは斬りかかって来たもうひとり生徒の顔から手を話すとべちゃっと地面に突っ伏した。少し強く掴みすぎたらしい。反省反省。
想「さぁ、先に進みましょう」
悠「うっす」
ー屋敷内ー
襲いかかってくる生徒を撃退しながら屋敷を探索すること数分。他とは明らかに材質の違う扉を発見した。食べに偽装された隠し扉だ。なんだかここ数週間で隠し扉を見つけ出す技術が無駄に向上してる気がする。人生では何の役に立ちそうもないけど……。
想「ふむ、どうやら地下に続いている隠し階段のようですね。皆さんいけますか?」
悠「がってん承知」
吉音「いつでもいいよー」
佐川「ええ」
ほとんど明りがなく、薄ぼんやりとした細長の階段を、一直線に駆け下りていく。階段では特に妨害もなく、その部屋に辿りついた。いままでの階段とは一転、目をつぶりたくなるような光に満たされる室内。こめかみに走る痛みを振り払いなんとか薄めを開く。
悠「うっわは……」
想「これは、なんとも……」
吉音「すっご~い!」
武家屋敷の地下は近代的な電脳室となっていた。壁いっぱい、無数に広がっているディスプレイ。まばゆい光の発生源はそれだ。
いくつも設置されているコンピューターと思わしき機械が、ゴウゴウとうめき声をあげている。地面を這う無数の配線。それがまるで蛇のように部屋全体を覆い尽くしている。
悠「上が普通の和風屋敷だったぶん、ギャップがとんでもないな……」
吉音「なんか、特撮物で正義の味方が使う秘密基地みたいな感じだね」
悠「どっちかっていうと、悪者が使う隠れ家って感じじゃないか?」
想「……なるほど」
悠「逢岡さん?」
いままで黙っていた逢岡さんが、なにか納得したかのように頷く。
吉音「まだまだだね!えぇ~~いっ!」
「ぐはっ!」
「もう終わりかよっ……」
吉音は軽い調子で敵中へ踊り込んでいく。が、その態度とは裏腹に吉音の一撃一撃は何よりも重い。斬る、突く、弾く、返す。変幻自在の吉音の動きについていけるものは存在しない。
吉音「とうっ!せぇい!うぉりゃっ~~!」
想「どうやら徳田さんだけで片がつきそうですね」
悠「いつものこととはすえ、相変わらずすさまじい速さですね……」
佐川「あれ、速いとかそういうスピードじゃないような……。人間に可能なスピードじゃないような気がしますけど。」
初めて吉音の戦いを間近で観た佐川さんが、その圧倒的な実力に息を呑んでいる。まぁ、その気持ちは良く分かる。
想「徳田さんはいろいろ規格外ですからね。人間の定規で測っていたら馬鹿を見ますよ。」
吉音「想ちゃんひどい!」
悠「……」
アレだけの人数と戦いながら、こっちの話までちゃんと聞いてるのかよ……。
吉音「てゆーか、みんな無駄話してないでちゃんと戦ってよ!」
吉音の声に反応したのか、二人の生徒がこちらに刃を向ける。
男子生徒H「その通り!よそ見してる暇なんかっ」
想「はぁっ!」
男子生徒H「ぐへぇっ!」
相手のセリフが終わるより早く、逢岡さんは刀を振り抜いていた。
悠「はやい」
……おれから見たら逢岡さんも十分規格外だ。
想「小鳥遊君、そろそろ話してあげないと顔が変形してしまいますよ」
悠「おっと」
おれは斬りかかって来たもうひとり生徒の顔から手を話すとべちゃっと地面に突っ伏した。少し強く掴みすぎたらしい。反省反省。
想「さぁ、先に進みましょう」
悠「うっす」
ー屋敷内ー
襲いかかってくる生徒を撃退しながら屋敷を探索すること数分。他とは明らかに材質の違う扉を発見した。食べに偽装された隠し扉だ。なんだかここ数週間で隠し扉を見つけ出す技術が無駄に向上してる気がする。人生では何の役に立ちそうもないけど……。
想「ふむ、どうやら地下に続いている隠し階段のようですね。皆さんいけますか?」
悠「がってん承知」
吉音「いつでもいいよー」
佐川「ええ」
ほとんど明りがなく、薄ぼんやりとした細長の階段を、一直線に駆け下りていく。階段では特に妨害もなく、その部屋に辿りついた。いままでの階段とは一転、目をつぶりたくなるような光に満たされる室内。こめかみに走る痛みを振り払いなんとか薄めを開く。
悠「うっわは……」
想「これは、なんとも……」
吉音「すっご~い!」
武家屋敷の地下は近代的な電脳室となっていた。壁いっぱい、無数に広がっているディスプレイ。まばゆい光の発生源はそれだ。
いくつも設置されているコンピューターと思わしき機械が、ゴウゴウとうめき声をあげている。地面を這う無数の配線。それがまるで蛇のように部屋全体を覆い尽くしている。
悠「上が普通の和風屋敷だったぶん、ギャップがとんでもないな……」
吉音「なんか、特撮物で正義の味方が使う秘密基地みたいな感じだね」
悠「どっちかっていうと、悪者が使う隠れ家って感じじゃないか?」
想「……なるほど」
悠「逢岡さん?」
いままで黙っていた逢岡さんが、なにか納得したかのように頷く。