ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】
ーさびれた空き家ー
図書奉行「へへっ、それにしても、子住由真の健全な魅力はたまらないな」
えっ、由真?どうしてここで由真の名前が出てくるんだ?
保険奉行「それをいうなら私はやっぱり徳田新に期待だな」
吉音「あたし!?」
悠「わ、新!声がデカイ!」
吉音「(っと、ごめんごめん)」
吉音が慌てて口を抑える。幸い三人はノートパソコンに夢中で、こちらの声には気がつかなかった。
悠「ふー……」
吉音「(き、気になる……あたしがなに?)」
悠「(詳しくは解らないけど、やりとりを聞く限り善からぬことには間違いない)」
吉音「(妖しさ全開って感じだよね)」
悠「(場所が場所だけにな)」
吉音「(どうする悠?あたしがちゃっと行ってとっちめてこようか?)」
ぐっと拳を握って意気込む吉音。
悠「(……いや、話を聞けただけでも十分だ。見つからないように撤退するぞ)」
吉音「(いいの?)」
悠「(うん。行動を起こすのは逢岡さん達にこの事を報告してからだ)」
吉音「(りょーかい)」
正直分からないことが多すぎるからな。おれ達は輝に見つからないように一目散に逃げ出した。
ー南町奉行所ー
悠たちと別れてからもネットの調査を続けていた想いだが、その結果は芳しくなかった。
さて、どうしたものか。ネットに負荷がかかっているのは確実。疑いようのない事実。
負荷がかかる理由は?事故だとしたらなぜ?人為的なものだとしたらどうして?
どうやら、視点を変えて考えてみる必要がありそうですね……。過負荷の理由を別の視点で、別の方法で探る……パソコンの前に考え込む想の視界に、ひとつの情報が映りこんだ。
消費電力……脳裏によぎった疑問を、まっすぐに突き進む。
ネットが不安定になる時間に限り、大量の電力を消費しているポイントがある。そうしてひとつの答えへとたどり着く。
想「ふむ。どうやら大当たりのようですね。さぁ、尻尾を掴みましたよ。鬼が出るか蛇が出るかは解りませんが……逃がしはしませんよ」
想の顔に不敵な笑みが浮かぶ。
一方その頃……
佐川はネットの通信状況やサーバの状態を探っていた。
佐川「これは……?通信状況が悪いと思っていたら……サーバの片隅から、違うサーバに接続されている?」
それは学園に届け出の無い自家用サーバ。そこにアクセスが集中して、巻き添えを食ったサーバ関連のサイトが重くなってるってことですか……。
ただそのサーバーには厳重なセキュリティがあり、佐川には覗き見ることができなかった。画面に映るサーバを所持するユーザー名にはこう書かれていた。
【絡繰研究所】
ー南町奉行所ー
想「比良賀君と図書奉行と保険奉行が一緒に、ですか」
吉音「もう見るからに怪しい場所で、ザ・密会!って感じだったよ」
悠「少なくとも善良で健全な話し合いって雰囲気じゃありませんでしたね」
南町奉行所までやって来たおれたちは、それぞれ持ち寄った情報を報告し合う。
佐川「比良賀さんといえば、どうやら私の見つけた自家用サーバは絡繰研究所のもののようです」
絡繰研究所とは、端的にいえば発明好きが作る同好会のようなもの。輝も頻繁に出入りしていて、これまで何度か騒動を起こしてきている。で、カラクリと言ってもそこは現代、当然デジタルデータも大量に扱うわけで。
悠「こりゃ輝のやつ、ますます疑わしいなぁ」
吉音「まぁ、てるだからねぇ」
悠「おい新、さっきといってる意見が180度ひっくり返ってるぞ」
輝を疑ったら散々文句を言ってきたのはどこのどいつだ。
図書奉行「へへっ、それにしても、子住由真の健全な魅力はたまらないな」
えっ、由真?どうしてここで由真の名前が出てくるんだ?
保険奉行「それをいうなら私はやっぱり徳田新に期待だな」
吉音「あたし!?」
悠「わ、新!声がデカイ!」
吉音「(っと、ごめんごめん)」
吉音が慌てて口を抑える。幸い三人はノートパソコンに夢中で、こちらの声には気がつかなかった。
悠「ふー……」
吉音「(き、気になる……あたしがなに?)」
悠「(詳しくは解らないけど、やりとりを聞く限り善からぬことには間違いない)」
吉音「(妖しさ全開って感じだよね)」
悠「(場所が場所だけにな)」
吉音「(どうする悠?あたしがちゃっと行ってとっちめてこようか?)」
ぐっと拳を握って意気込む吉音。
悠「(……いや、話を聞けただけでも十分だ。見つからないように撤退するぞ)」
吉音「(いいの?)」
悠「(うん。行動を起こすのは逢岡さん達にこの事を報告してからだ)」
吉音「(りょーかい)」
正直分からないことが多すぎるからな。おれ達は輝に見つからないように一目散に逃げ出した。
ー南町奉行所ー
悠たちと別れてからもネットの調査を続けていた想いだが、その結果は芳しくなかった。
さて、どうしたものか。ネットに負荷がかかっているのは確実。疑いようのない事実。
負荷がかかる理由は?事故だとしたらなぜ?人為的なものだとしたらどうして?
どうやら、視点を変えて考えてみる必要がありそうですね……。過負荷の理由を別の視点で、別の方法で探る……パソコンの前に考え込む想の視界に、ひとつの情報が映りこんだ。
消費電力……脳裏によぎった疑問を、まっすぐに突き進む。
ネットが不安定になる時間に限り、大量の電力を消費しているポイントがある。そうしてひとつの答えへとたどり着く。
想「ふむ。どうやら大当たりのようですね。さぁ、尻尾を掴みましたよ。鬼が出るか蛇が出るかは解りませんが……逃がしはしませんよ」
想の顔に不敵な笑みが浮かぶ。
一方その頃……
佐川はネットの通信状況やサーバの状態を探っていた。
佐川「これは……?通信状況が悪いと思っていたら……サーバの片隅から、違うサーバに接続されている?」
それは学園に届け出の無い自家用サーバ。そこにアクセスが集中して、巻き添えを食ったサーバ関連のサイトが重くなってるってことですか……。
ただそのサーバーには厳重なセキュリティがあり、佐川には覗き見ることができなかった。画面に映るサーバを所持するユーザー名にはこう書かれていた。
【絡繰研究所】
ー南町奉行所ー
想「比良賀君と図書奉行と保険奉行が一緒に、ですか」
吉音「もう見るからに怪しい場所で、ザ・密会!って感じだったよ」
悠「少なくとも善良で健全な話し合いって雰囲気じゃありませんでしたね」
南町奉行所までやって来たおれたちは、それぞれ持ち寄った情報を報告し合う。
佐川「比良賀さんといえば、どうやら私の見つけた自家用サーバは絡繰研究所のもののようです」
絡繰研究所とは、端的にいえば発明好きが作る同好会のようなもの。輝も頻繁に出入りしていて、これまで何度か騒動を起こしてきている。で、カラクリと言ってもそこは現代、当然デジタルデータも大量に扱うわけで。
悠「こりゃ輝のやつ、ますます疑わしいなぁ」
吉音「まぁ、てるだからねぇ」
悠「おい新、さっきといってる意見が180度ひっくり返ってるぞ」
輝を疑ったら散々文句を言ってきたのはどこのどいつだ。