ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】
ー大江戸学園:教室ー
悠「どうします?授業が終わってまだそんなに時間は経ってませんし追いかけますか?」
運が良ければ追いつけるかもしれない。
想「いえ、代わりといっては変ですが、事情に詳しそうな生徒は見つけてあります」
逢岡さんの声に合わせるように一人の男子生徒が現れた。
佐川「はじめまして。図書与力でネット保全を担当している佐川と申します」
おれはさっそく目安箱にあった投書について説明した。
悠「それで、何か心当たりはありませんか?」
佐川「いえ……海鮮が異常に重たいのはこちらでも確認しているんですが……」
想「何が原因かは分からないと?」
佐川「ええ。重くて繋がらないと報告があったサイトには片っ端から当たってみましたが特別アクセスが集中していた、という形跡も見当たりませんでした。それでも、学内サーバーのひとつが落ちかかっていたのは事実ですし……」
釈然としないというように首をかしげる。
吉音「うーん……とりあえず、分かったことがひとつあるね」
悠「ほう?それは?」
吉音「何が原因か分からないことは解った!」
自信満々に答える吉音。前向きというかなんというか……。
想「他に何か思い当たることはありませんか?」
佐川「と言われましても……」
佐川は何か思い出したのか、そういえば、と前置きをして話し始めた。
悠「総入れ歯?」
想「小鳥遊君?」
悠「コホン、続けて続けて」
佐川「……最近、図書奉行と何人かの与力・同心がフラット姿を消すことがあるんです」
想「姿を消す……ですか」
佐川「どうも誰かに会いにいっているらしいんですが……それは何か関係あるんでしょうか?」
想「調べてみる価値はありそうですね……」
興味深い話しは聞けたものの、それ以上新たな情報は手に入らず、各自調査という形で一時解散となった。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
逢岡さんと別れ、吉音と二人小鳥遊堂へと帰って来た。
悠「やれやれ、結局なにも分からずじまいか」
吉音「つまーんなーい!事件は?大立ち回りは?あたしの華麗なる活躍は?」
悠「物騒なこといってないで、店開けるから手伝ってくれよ」
吉音「悠!そんな悠長なこといってる場合じゃないよ!これは学園島全体の危機かもしれないんだよ!調査に行こうよ!どうせお客なんてほとんどこないんだし!」
悠「ふんっ!」
ゴンッ!
吉音「きゅうっ!!」
事実だがいっぱつ頭をコツイてやった。
悠「っと、またか……」
吉音「ひーん、悠がぶったー!!」
悠「自業自得だ。それより、これ見てみろ」
目安箱から取り出した手紙を吉音に手渡してやる。それは今朝に引き続きネットの不調を訴える投書だった。
吉音「こんなにいっぱい届いてるんだ」
悠「今朝より多いかな」
吉音「悠。やっぱりあたしたちも何か調査しようよー!じっとなんかしてらんない!」
悠「確かに……とりあえず、もう一度逢岡さんに報告しとくか……ん?」
輝「……」
吉音「あ、てるだ。おーい!ってアレ?」
悠「聞こえてないみたいだな」
輝は二人の生徒と一緒に早足で通り抜けていった。
悠「どうします?授業が終わってまだそんなに時間は経ってませんし追いかけますか?」
運が良ければ追いつけるかもしれない。
想「いえ、代わりといっては変ですが、事情に詳しそうな生徒は見つけてあります」
逢岡さんの声に合わせるように一人の男子生徒が現れた。
佐川「はじめまして。図書与力でネット保全を担当している佐川と申します」
おれはさっそく目安箱にあった投書について説明した。
悠「それで、何か心当たりはありませんか?」
佐川「いえ……海鮮が異常に重たいのはこちらでも確認しているんですが……」
想「何が原因かは分からないと?」
佐川「ええ。重くて繋がらないと報告があったサイトには片っ端から当たってみましたが特別アクセスが集中していた、という形跡も見当たりませんでした。それでも、学内サーバーのひとつが落ちかかっていたのは事実ですし……」
釈然としないというように首をかしげる。
吉音「うーん……とりあえず、分かったことがひとつあるね」
悠「ほう?それは?」
吉音「何が原因か分からないことは解った!」
自信満々に答える吉音。前向きというかなんというか……。
想「他に何か思い当たることはありませんか?」
佐川「と言われましても……」
佐川は何か思い出したのか、そういえば、と前置きをして話し始めた。
悠「総入れ歯?」
想「小鳥遊君?」
悠「コホン、続けて続けて」
佐川「……最近、図書奉行と何人かの与力・同心がフラット姿を消すことがあるんです」
想「姿を消す……ですか」
佐川「どうも誰かに会いにいっているらしいんですが……それは何か関係あるんでしょうか?」
想「調べてみる価値はありそうですね……」
興味深い話しは聞けたものの、それ以上新たな情報は手に入らず、各自調査という形で一時解散となった。
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
逢岡さんと別れ、吉音と二人小鳥遊堂へと帰って来た。
悠「やれやれ、結局なにも分からずじまいか」
吉音「つまーんなーい!事件は?大立ち回りは?あたしの華麗なる活躍は?」
悠「物騒なこといってないで、店開けるから手伝ってくれよ」
吉音「悠!そんな悠長なこといってる場合じゃないよ!これは学園島全体の危機かもしれないんだよ!調査に行こうよ!どうせお客なんてほとんどこないんだし!」
悠「ふんっ!」
ゴンッ!
吉音「きゅうっ!!」
事実だがいっぱつ頭をコツイてやった。
悠「っと、またか……」
吉音「ひーん、悠がぶったー!!」
悠「自業自得だ。それより、これ見てみろ」
目安箱から取り出した手紙を吉音に手渡してやる。それは今朝に引き続きネットの不調を訴える投書だった。
吉音「こんなにいっぱい届いてるんだ」
悠「今朝より多いかな」
吉音「悠。やっぱりあたしたちも何か調査しようよー!じっとなんかしてらんない!」
悠「確かに……とりあえず、もう一度逢岡さんに報告しとくか……ん?」
輝「……」
吉音「あ、てるだ。おーい!ってアレ?」
悠「聞こえてないみたいだな」
輝は二人の生徒と一緒に早足で通り抜けていった。