ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【6】
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
吉音「おーいしい!みれおいしいねえ!トビザル」
トビザル『きききっ』
自分のあげたお菓子を喜ばれて、トビザルもまんざらではなさそうだ。
由佳里「え、どれどれ?あたしにも食べさせてよ、トビザル」
トビザル『き?きぃ~』
トビザルは「どうしようかな」という素振りをみせたものの、すぐに吉音のときと同じように菓子を差し出した。
由佳里「あーーーんっ」
大きく口を開ける由佳里。トビザルは素直に菓子を由佳里の口に手…………。
トビザル『ききっ』
入れてやるかと思いきや、由佳里が食いつく寸前で菓子を自分で食べてしまう。ぱりぱりさくっ。あの顔は「おーいしい!」とかそういう顔だなぁ。最初っから由佳里にやる気はなかったみたいだった。
由佳里「こっ、このサルっ!」
悠「……(あ、猿……じゃなかった剣魂相手に、本気で怒った。)」
由佳里「よこしなさいっ。あんた、剣魂の分際で、主人のあたしにお菓子くれないってどういうことっ」
トビザル『ききっ、きっききー』
ぱりぱりさくっ
由佳里「うーーっ、もうゆるせないっ!よこせっ、サルっ」
悠「ちょ、おいおい、こらっ、二人……いや、一人と一匹?一体?一機?……?」
光姫「ハチ!トビザル!おとなしくせんかっ!」
さすがに水戸光姫、一喝しただけで二人は大人しくなった。
トビザル『きぃぃ……』
由佳里「しゅーん」
光姫「まったく、ふたりともいつまで経っても子供でいかん」
由佳里「だってトビザルが……」
トビザル『ききっ、きー』
光姫「それが子供だといっとるんだ!」
由佳里「しゅーん」
トビザル『きぃぃ……』
吉音「まあまあ、ほらゆかりん、あたしのあげるから。食べかけだけど」
由佳里「ぐすっ、ありがと……」
悠「……」
いいんだ、食べかけでも……。差し出された(吉音の歯型つきの)お菓子を、由佳里がパクっと食べる。ぱりさく。
由佳里「…………」
吉音「どしたの?おいしくなかった?」
由佳里「ぎゃ、逆です。逆。すごくおいしい!わたしこんなの食べたことありませんっ」
光姫「ほう。由佳里がそのように申すか。これ、トビザル」
トビザル『き』
光姫「今の菓子、残っているならわしにもよこしなさい」
トビザル『ききぃ……』
トビザルは世にも嫌そうな顔をしたが、光姫さんにひとにらみされると、仕方なさそうに袋を差し出した。
光姫「ふむ……見よ、悠。どこにもメーカー名が書いておらぬ」
悠「確かに。でも、この袋は手作りとは思えませんね。どこかの工場で作ったような……」
光姫「ハチ、お前、この菓子の味に覚えがないといったな」
由佳里「はい。今まで一度も食べたことのない味です。すっごくおいしいです」
光姫「どうやら、我らは手がかりに行き当たったのではないか?悠」
悠「ええ、そうっすね。少なくともあたってみる価値はありそうです。由佳里の下が間違ってないければ」
光姫「そこはわしが保証する、ほかはいろいろうっかりな奴だが、こと菓子の味に関してはこやつの記憶は完璧じゃ」
由佳里「なんですなんです?いったいなにが手掛かりだっていうんです?」
光姫「ふむ、巡りの悪いおまえでもわかるように、順を追って説明してやろう」
由佳里「よ、よろしくお願いします」
吉音「お願いしますっ」
吉音「おーいしい!みれおいしいねえ!トビザル」
トビザル『きききっ』
自分のあげたお菓子を喜ばれて、トビザルもまんざらではなさそうだ。
由佳里「え、どれどれ?あたしにも食べさせてよ、トビザル」
トビザル『き?きぃ~』
トビザルは「どうしようかな」という素振りをみせたものの、すぐに吉音のときと同じように菓子を差し出した。
由佳里「あーーーんっ」
大きく口を開ける由佳里。トビザルは素直に菓子を由佳里の口に手…………。
トビザル『ききっ』
入れてやるかと思いきや、由佳里が食いつく寸前で菓子を自分で食べてしまう。ぱりぱりさくっ。あの顔は「おーいしい!」とかそういう顔だなぁ。最初っから由佳里にやる気はなかったみたいだった。
由佳里「こっ、このサルっ!」
悠「……(あ、猿……じゃなかった剣魂相手に、本気で怒った。)」
由佳里「よこしなさいっ。あんた、剣魂の分際で、主人のあたしにお菓子くれないってどういうことっ」
トビザル『ききっ、きっききー』
ぱりぱりさくっ
由佳里「うーーっ、もうゆるせないっ!よこせっ、サルっ」
悠「ちょ、おいおい、こらっ、二人……いや、一人と一匹?一体?一機?……?」
光姫「ハチ!トビザル!おとなしくせんかっ!」
さすがに水戸光姫、一喝しただけで二人は大人しくなった。
トビザル『きぃぃ……』
由佳里「しゅーん」
光姫「まったく、ふたりともいつまで経っても子供でいかん」
由佳里「だってトビザルが……」
トビザル『ききっ、きー』
光姫「それが子供だといっとるんだ!」
由佳里「しゅーん」
トビザル『きぃぃ……』
吉音「まあまあ、ほらゆかりん、あたしのあげるから。食べかけだけど」
由佳里「ぐすっ、ありがと……」
悠「……」
いいんだ、食べかけでも……。差し出された(吉音の歯型つきの)お菓子を、由佳里がパクっと食べる。ぱりさく。
由佳里「…………」
吉音「どしたの?おいしくなかった?」
由佳里「ぎゃ、逆です。逆。すごくおいしい!わたしこんなの食べたことありませんっ」
光姫「ほう。由佳里がそのように申すか。これ、トビザル」
トビザル『き』
光姫「今の菓子、残っているならわしにもよこしなさい」
トビザル『ききぃ……』
トビザルは世にも嫌そうな顔をしたが、光姫さんにひとにらみされると、仕方なさそうに袋を差し出した。
光姫「ふむ……見よ、悠。どこにもメーカー名が書いておらぬ」
悠「確かに。でも、この袋は手作りとは思えませんね。どこかの工場で作ったような……」
光姫「ハチ、お前、この菓子の味に覚えがないといったな」
由佳里「はい。今まで一度も食べたことのない味です。すっごくおいしいです」
光姫「どうやら、我らは手がかりに行き当たったのではないか?悠」
悠「ええ、そうっすね。少なくともあたってみる価値はありそうです。由佳里の下が間違ってないければ」
光姫「そこはわしが保証する、ほかはいろいろうっかりな奴だが、こと菓子の味に関してはこやつの記憶は完璧じゃ」
由佳里「なんですなんです?いったいなにが手掛かりだっていうんです?」
光姫「ふむ、巡りの悪いおまえでもわかるように、順を追って説明してやろう」
由佳里「よ、よろしくお願いします」
吉音「お願いしますっ」