ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【5】
ー食事処:見玖亭ー
見玖亭の女給「いらっしゃいませ~。お食事処、見玖亭にようこそ。一名様でいらっしゃいますね?では、こちらへどうぞ」
男子生徒A「おおい、さっき注文したオムライス、まだかぁ?」
見玖亭の女給「はい、ただいまお待ちします。少々おまちくださいっ」
不良生徒A「……おおっと」
見玖亭の女給「あっ」
不良生徒B「うわっ……おい、何しやがるんだっ!?」
見玖亭の女給「ももっ申し訳ありません!いま、おふきしますっ!」
不良生徒B「あーあー、シャツにケチャップがべっとりじゃねえか。こりゃ、おしぼりで拭いたくらいじゃおちねえなあ」
見玖亭の女給「申し訳ありません、申し訳ありませんっ!」
不良生徒A「こりゃ、クリーニング代と慰謝料だな」
見玖亭の女給「そ、そんな―」
不良生徒A「おまえじゃ話になんねぇ。責任者を呼びな」
見玖亭の女給「あ……店長!店長!」
見玖亭の店長「は、はい……お客様、どうされました?」
不良生徒B「どうされましたか、じゃあねえよ。俺のシャツを駄目にしてくれて、どう責任とってくれるんだよ、ああ?」
見玖亭の店主「こっ、これは申し訳ございません。クリーニング代はお支払させていただきます」
不良生徒B「クリーニングだぁ?このシャツはビンテージだから、洗ったら意味がなくなっちまうんだよ」
見玖亭の店主「え……ビンテージのシャツ、ですか……?」
不良生徒B「あぁ!客のいうことが信じられないってのか!?俺が言いがかりつけてるとでもおもってんのかぁ!?」
見玖亭の店主「い、いえ、そんなわけでは……っ」
不良生徒B「おいおい、クレーマー扱いかよ。この店は客をなんだと思ってんだぁ!?」
不良生徒A「これは慰謝料として十万円は出してもらわないとな」
見玖亭の店主「十万円?!」
不良生徒B「金をださねぇってんなら、温厚な俺らでもキレちまうかもしれねぉなぁ」
見玖亭の店主「そっ、そんな……!!」
不良生徒A「どうすんだ?出すのか、出さねぇのか!」
「そこまでにしておきなさい」
不良生徒B「誰だ、てめえ?」
不良生徒A「部外者は引っ込んでな。怪我するぜ」
「そういわれても、職務上、見逃すわけにはいかんのだよ」
不良生徒A「その十手……こいつ、同心か!」
見玖亭の店主「ああっ、天の助けだ!同心さま、お助けください!」
通りすがりの同心「うむ、任せなさい」
不良生徒B「お、俺たちはシャツを汚された慰謝料を請求しただけだぞ!」
見玖亭の女給「でもっ、そいつらが、あたしの足を引っ掛けて転ばせたんです」
通りすがりの同心「ほほう、それが本当だとすると、これは立派な脅迫、営業妨害だな」
不良生徒B「な、なんだとぉ!」
不良生徒A「……おい、もう行こうぜ。同心に喧嘩売ったって、碌なことにならねえや」
不良生徒B「お、おう……おい、店主!また来るからなッ!」
見玖亭の女給「やったー!同心さまが追い払ってくれましたっ」
見玖亭の店主「ありがとうございました、同心さま」
八鳥「はは、いやなに。この北町同心、八鳥佐外にかかれば狼藉者の一人や二人、こんなものよ」
見玖亭「ははぁ、まったくお見事なもので」
八鳥「しかし……やつら、最後に気になることを言い残していったなぁ」
見玖亭の女給「あっ、また来るからなーって言ってました!」
八鳥「ふむ、それは危険だ。今日はたまたま私が居あわせていたから良かったが……次もそうとは限らんからな」
見玖亭の店主「ですが、あれはよくある捨て台詞で……なにも本当にまた来るとは……」
八鳥「いやいや、ああいあ手合いは、必ずまた来るぞ。私にはわかるんだ」
見玖亭の女給「いらっしゃいませ~。お食事処、見玖亭にようこそ。一名様でいらっしゃいますね?では、こちらへどうぞ」
男子生徒A「おおい、さっき注文したオムライス、まだかぁ?」
見玖亭の女給「はい、ただいまお待ちします。少々おまちくださいっ」
不良生徒A「……おおっと」
見玖亭の女給「あっ」
不良生徒B「うわっ……おい、何しやがるんだっ!?」
見玖亭の女給「ももっ申し訳ありません!いま、おふきしますっ!」
不良生徒B「あーあー、シャツにケチャップがべっとりじゃねえか。こりゃ、おしぼりで拭いたくらいじゃおちねえなあ」
見玖亭の女給「申し訳ありません、申し訳ありませんっ!」
不良生徒A「こりゃ、クリーニング代と慰謝料だな」
見玖亭の女給「そ、そんな―」
不良生徒A「おまえじゃ話になんねぇ。責任者を呼びな」
見玖亭の女給「あ……店長!店長!」
見玖亭の店長「は、はい……お客様、どうされました?」
不良生徒B「どうされましたか、じゃあねえよ。俺のシャツを駄目にしてくれて、どう責任とってくれるんだよ、ああ?」
見玖亭の店主「こっ、これは申し訳ございません。クリーニング代はお支払させていただきます」
不良生徒B「クリーニングだぁ?このシャツはビンテージだから、洗ったら意味がなくなっちまうんだよ」
見玖亭の店主「え……ビンテージのシャツ、ですか……?」
不良生徒B「あぁ!客のいうことが信じられないってのか!?俺が言いがかりつけてるとでもおもってんのかぁ!?」
見玖亭の店主「い、いえ、そんなわけでは……っ」
不良生徒B「おいおい、クレーマー扱いかよ。この店は客をなんだと思ってんだぁ!?」
不良生徒A「これは慰謝料として十万円は出してもらわないとな」
見玖亭の店主「十万円?!」
不良生徒B「金をださねぇってんなら、温厚な俺らでもキレちまうかもしれねぉなぁ」
見玖亭の店主「そっ、そんな……!!」
不良生徒A「どうすんだ?出すのか、出さねぇのか!」
「そこまでにしておきなさい」
不良生徒B「誰だ、てめえ?」
不良生徒A「部外者は引っ込んでな。怪我するぜ」
「そういわれても、職務上、見逃すわけにはいかんのだよ」
不良生徒A「その十手……こいつ、同心か!」
見玖亭の店主「ああっ、天の助けだ!同心さま、お助けください!」
通りすがりの同心「うむ、任せなさい」
不良生徒B「お、俺たちはシャツを汚された慰謝料を請求しただけだぞ!」
見玖亭の女給「でもっ、そいつらが、あたしの足を引っ掛けて転ばせたんです」
通りすがりの同心「ほほう、それが本当だとすると、これは立派な脅迫、営業妨害だな」
不良生徒B「な、なんだとぉ!」
不良生徒A「……おい、もう行こうぜ。同心に喧嘩売ったって、碌なことにならねえや」
不良生徒B「お、おう……おい、店主!また来るからなッ!」
見玖亭の女給「やったー!同心さまが追い払ってくれましたっ」
見玖亭の店主「ありがとうございました、同心さま」
八鳥「はは、いやなに。この北町同心、八鳥佐外にかかれば狼藉者の一人や二人、こんなものよ」
見玖亭「ははぁ、まったくお見事なもので」
八鳥「しかし……やつら、最後に気になることを言い残していったなぁ」
見玖亭の女給「あっ、また来るからなーって言ってました!」
八鳥「ふむ、それは危険だ。今日はたまたま私が居あわせていたから良かったが……次もそうとは限らんからな」
見玖亭の店主「ですが、あれはよくある捨て台詞で……なにも本当にまた来るとは……」
八鳥「いやいや、ああいあ手合いは、必ずまた来るぞ。私にはわかるんだ」