ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【5】
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
浩太郎「僕が不甲斐ないから、きっといじめられるんだと思います……今日だって、お姉さんに助けてもらったし」
悠「お姉さん?お姉さんって……」
光姫「この場でお姉さんといえば、わししかおらんじゃろう?」
悠「……そーでーすねー」
光姫「なんじゃ、その言い方は?」
悠「いやなんでもないっしゅ」
浩太郎「いつまでこんなことが続くのかなって思うと、もう学園にもいきたくないなって……せっかくお父さんとお母さんがこの学園に入れてくれたのに……」
悠「そっか、辛かったんだな。話してくれありがとう」
浩太郎「悠さん……」
悠「おれも、ここにいねお姉さんも由佳里も、浩太郎の味方だからな。おれは放課後ここで茶屋を開けているから、なにかあったらいつでも来いよ。浩太郎はちゃんと考えることのできる子だから、きっとなんとかできるよ」
浩太郎「うっ、うぅっ……ありがとうございます……」
悠「はは、気にすんなって。それよりほら、よかったら団子食えよ。腹がふくれたら元気も出るさ」
浩太郎「はいっ!いただきますっ!」
浩太郎は袖でぐしぐしと涙をぬぐうと、みたらし団子を一口頬張った。
悠「味はどうだ?」
浩太郎「んんっ!おいしいですっ!」
悠「それはよかった」
由佳里「ほんとおいひぃれす~」
それから浩太郎はみたらし団子をすべて平らげると、おれ達に何度も礼をいって帰っていった。
悠「浩太郎、いい子だな。礼儀正しいし、頭もいいんだろうな」
光姫「うむ、あのまま素直に育って、ゆくゆく学園を取り仕切るような人材になってほしいのぅ」
悠「そうですね、頼もしい後輩です」
光姫「頼もしいと言えば、先ほどの悠の言、なかなかのものじゃったぞ」
由佳里「はいっ!私もとっても感動して、浩太郎くんと一緒に泣いちゃいそうになりました!」
悠「や、やめてくださいよ二人とも……おれは別に、思ったことをいっただけで」
光姫「ひとを思いやりそれが自然とできる、じゃから素晴らしいんじゃないか。悠の優しさは、必ず浩太郎の中に残り、芽吹くじゃろうさ」
悠「まいったな…天そういうの慣れてないんで、勘弁してください」
褒められててれるおれを見て、二人は笑った。それにしても、いじめか……。なんとか力になってやれたらいいんだけどな。
ー路地ー
小鳥遊堂からの帰り道、浩太郎は今日であった三人のことを思い返していた。みんなとっても優しい人たちだった。自分もいつか成長して、先輩みたいな人に慣れたらいいな。お団子もとてもおいしかったし、今度またお礼に行こう。
そんなことを考えながら歩いていると、通りの陰から声をかけられた。
乙級男子A「よう浩太郎、さっきはよくもやってくれたなぁ」
浩太郎「うっ……」
乙級男子B「女に助けてもらうなんて恥ずかしくなのかよ!」
乙級男子C「まあ弱虫な浩太郎にはお似合いだけどな」
いじめっ子たち「「「はーっはっはっはー!」」」
浩太郎「…………」
乙級男子A「あぁ?なんだよその目はぁ」
乙級男子C「浩太郎のくせに生意気だぞっ!」
乙級男子B「やんのかオイっ!」
乙級男子A「今度はあの女は助けに来ないからな!」
ダメだ、こうしてにらみあってるだけで、手足は震え目に涙が溜まって世界が歪んで見える。勇気なんて出せない……。
浩太郎「うっ、くっ……うわあぁぁぁぁああん!」
ついにこらえきれなくなって、浩太郎は泣きながら逃げだした。
乙級男子A「けっ、なんだよ、口ほどにもねぇな!」
いじめっ子たち「「「はーっはっはっはー!」」」
浩太郎「僕が不甲斐ないから、きっといじめられるんだと思います……今日だって、お姉さんに助けてもらったし」
悠「お姉さん?お姉さんって……」
光姫「この場でお姉さんといえば、わししかおらんじゃろう?」
悠「……そーでーすねー」
光姫「なんじゃ、その言い方は?」
悠「いやなんでもないっしゅ」
浩太郎「いつまでこんなことが続くのかなって思うと、もう学園にもいきたくないなって……せっかくお父さんとお母さんがこの学園に入れてくれたのに……」
悠「そっか、辛かったんだな。話してくれありがとう」
浩太郎「悠さん……」
悠「おれも、ここにいねお姉さんも由佳里も、浩太郎の味方だからな。おれは放課後ここで茶屋を開けているから、なにかあったらいつでも来いよ。浩太郎はちゃんと考えることのできる子だから、きっとなんとかできるよ」
浩太郎「うっ、うぅっ……ありがとうございます……」
悠「はは、気にすんなって。それよりほら、よかったら団子食えよ。腹がふくれたら元気も出るさ」
浩太郎「はいっ!いただきますっ!」
浩太郎は袖でぐしぐしと涙をぬぐうと、みたらし団子を一口頬張った。
悠「味はどうだ?」
浩太郎「んんっ!おいしいですっ!」
悠「それはよかった」
由佳里「ほんとおいひぃれす~」
それから浩太郎はみたらし団子をすべて平らげると、おれ達に何度も礼をいって帰っていった。
悠「浩太郎、いい子だな。礼儀正しいし、頭もいいんだろうな」
光姫「うむ、あのまま素直に育って、ゆくゆく学園を取り仕切るような人材になってほしいのぅ」
悠「そうですね、頼もしい後輩です」
光姫「頼もしいと言えば、先ほどの悠の言、なかなかのものじゃったぞ」
由佳里「はいっ!私もとっても感動して、浩太郎くんと一緒に泣いちゃいそうになりました!」
悠「や、やめてくださいよ二人とも……おれは別に、思ったことをいっただけで」
光姫「ひとを思いやりそれが自然とできる、じゃから素晴らしいんじゃないか。悠の優しさは、必ず浩太郎の中に残り、芽吹くじゃろうさ」
悠「まいったな…天そういうの慣れてないんで、勘弁してください」
褒められててれるおれを見て、二人は笑った。それにしても、いじめか……。なんとか力になってやれたらいいんだけどな。
ー路地ー
小鳥遊堂からの帰り道、浩太郎は今日であった三人のことを思い返していた。みんなとっても優しい人たちだった。自分もいつか成長して、先輩みたいな人に慣れたらいいな。お団子もとてもおいしかったし、今度またお礼に行こう。
そんなことを考えながら歩いていると、通りの陰から声をかけられた。
乙級男子A「よう浩太郎、さっきはよくもやってくれたなぁ」
浩太郎「うっ……」
乙級男子B「女に助けてもらうなんて恥ずかしくなのかよ!」
乙級男子C「まあ弱虫な浩太郎にはお似合いだけどな」
いじめっ子たち「「「はーっはっはっはー!」」」
浩太郎「…………」
乙級男子A「あぁ?なんだよその目はぁ」
乙級男子C「浩太郎のくせに生意気だぞっ!」
乙級男子B「やんのかオイっ!」
乙級男子A「今度はあの女は助けに来ないからな!」
ダメだ、こうしてにらみあってるだけで、手足は震え目に涙が溜まって世界が歪んで見える。勇気なんて出せない……。
浩太郎「うっ、くっ……うわあぁぁぁぁああん!」
ついにこらえきれなくなって、浩太郎は泣きながら逃げだした。
乙級男子A「けっ、なんだよ、口ほどにもねぇな!」
いじめっ子たち「「「はーっはっはっはー!」」」