ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました
ー大江戸学園ー
悠「はぁ…」
ため息をつくおれ。
向かいの席には今日も今日とて「新さんスペシャル」の新。
新「もぎゅ?」
悠「はぁ……」
もう一回ため息。
店の儲けのほとんどはこの新の昼の食費に消えているような気がしてならない。
あれから、ちょこちょこと客は入っているものの、材料費を考えたらけして成功しているとはいえない。
そこにこの高額な用心棒代が毎日飛んでいくと考えると、零細営業者の苦悩は深まるばかりだった。
六花の悩みも解るようになっときた。
新「むぐ……今日も元気だ、お米が美味い!」
悠「お前は幸せそうだなぁ」
新「もちろん♪お腹いっぱいお米を食べること以上に幸せなことなんてないからね!」
満面の笑みで熱弁する新。
悠「おい。口にものを入れたまましゃべるなよ、米が飛んでくるだろ」
新「おお、それはもったいない!もぎゅ」
悠「はぁ…」
山のような偉容を誇る丼飯をむこうに、おれは自分の天ざるうどんに箸をつけるのだった。
ピンポンパンポン♪
悠「うん?」
放送の声『皆さん、こんにちは。大江戸学園執行部、側用人、徳河詠美です。お昼休みを利用して全校集会についての臨時放送をお送りします。』
新「むぐ、えいみふぁんら!」
悠「だからぁ!」
新「ふぁう!」
ごん!
米粒を飛ばす新の頭をこつく。
詠美『皆さんご存じの通り、今期最初の全校集会が迫っています。各自必要な準備などは進められているでしょうか?十万人の生徒が一度に行動することになります。滞りなく執り行うためには皆さんの協力が不可欠です』
悠「この徳河詠美さんって人はしっかりしてるなぁ」
新「でしょう、でしょう!」
おれが感心していると新の奴は身をのり出して同調してきた。
悠「なんだなんだ?」
新「詠美ちゃんはすっごい美人で、頭もよくて、剣の腕もたつし、ホントに完璧なんだから!次期将軍も間違いなしっていわれててね!」
悠「なんかえらい入れ込みだけど知り合いなのか?」
新「え……あの、その……詠美ちゃんは有名人だから知ってるだけだよ」
悠「……赤の他人の事にしてはテンションあげすぎじゃないか?」
新「えへ、そ、そうだよね」
悠「……何を隠してるかは知らんが。変なやつ。」
詠美『このたびの全校集会は今期最初の大きな行事となります。また学園始まって以来の将軍不在での集会でもあります』
悠「ん?将軍っていないのか?」
新「あ、知らなかったの、悠?」
悠「全然。そもそも執行部がどうとか将軍からしてよくわからん。」
新「んとね、前の将軍だった吉彦さんが学校のお金をたくさん持ってね、いなくなっちゃたんだよ」
悠「大事件じゃねぇか」
新「そうだよ。悠が来るちょっと前まで大騒ぎだったんだから」
悠「へぇ…」
詠美『将軍の不在の隙を突かんと暗躍する天狗堂なる不振な輩や喧嘩を縄張りとする闘路とう不躾なやからなども現れており。今、学園内に不穏な空気があるのは否定することができません。ですが、それ故に今回の全校集会は必ず成功しなければいけません。我々執行部は生徒皆さんの士道、婦道に心より期待しています。以上。執行部、徳河詠美でした。ご清聴ありがとうございました。』
放送が終わると誰とはなしに食堂には拍手が起こった。もちろん目の前の新の奴も熱心に手を叩いている。
新「やっぱり詠美ちゃんはすごいなぁ」
悠「誰かさんとは大違いだな。」
新「うん、そうだね」
悠「(からかうつもりが素直に受け入れた?)変なやつ」
新「……うん」
悠「はぁ…」
ため息をつくおれ。
向かいの席には今日も今日とて「新さんスペシャル」の新。
新「もぎゅ?」
悠「はぁ……」
もう一回ため息。
店の儲けのほとんどはこの新の昼の食費に消えているような気がしてならない。
あれから、ちょこちょこと客は入っているものの、材料費を考えたらけして成功しているとはいえない。
そこにこの高額な用心棒代が毎日飛んでいくと考えると、零細営業者の苦悩は深まるばかりだった。
六花の悩みも解るようになっときた。
新「むぐ……今日も元気だ、お米が美味い!」
悠「お前は幸せそうだなぁ」
新「もちろん♪お腹いっぱいお米を食べること以上に幸せなことなんてないからね!」
満面の笑みで熱弁する新。
悠「おい。口にものを入れたまましゃべるなよ、米が飛んでくるだろ」
新「おお、それはもったいない!もぎゅ」
悠「はぁ…」
山のような偉容を誇る丼飯をむこうに、おれは自分の天ざるうどんに箸をつけるのだった。
ピンポンパンポン♪
悠「うん?」
放送の声『皆さん、こんにちは。大江戸学園執行部、側用人、徳河詠美です。お昼休みを利用して全校集会についての臨時放送をお送りします。』
新「むぐ、えいみふぁんら!」
悠「だからぁ!」
新「ふぁう!」
ごん!
米粒を飛ばす新の頭をこつく。
詠美『皆さんご存じの通り、今期最初の全校集会が迫っています。各自必要な準備などは進められているでしょうか?十万人の生徒が一度に行動することになります。滞りなく執り行うためには皆さんの協力が不可欠です』
悠「この徳河詠美さんって人はしっかりしてるなぁ」
新「でしょう、でしょう!」
おれが感心していると新の奴は身をのり出して同調してきた。
悠「なんだなんだ?」
新「詠美ちゃんはすっごい美人で、頭もよくて、剣の腕もたつし、ホントに完璧なんだから!次期将軍も間違いなしっていわれててね!」
悠「なんかえらい入れ込みだけど知り合いなのか?」
新「え……あの、その……詠美ちゃんは有名人だから知ってるだけだよ」
悠「……赤の他人の事にしてはテンションあげすぎじゃないか?」
新「えへ、そ、そうだよね」
悠「……何を隠してるかは知らんが。変なやつ。」
詠美『このたびの全校集会は今期最初の大きな行事となります。また学園始まって以来の将軍不在での集会でもあります』
悠「ん?将軍っていないのか?」
新「あ、知らなかったの、悠?」
悠「全然。そもそも執行部がどうとか将軍からしてよくわからん。」
新「んとね、前の将軍だった吉彦さんが学校のお金をたくさん持ってね、いなくなっちゃたんだよ」
悠「大事件じゃねぇか」
新「そうだよ。悠が来るちょっと前まで大騒ぎだったんだから」
悠「へぇ…」
詠美『将軍の不在の隙を突かんと暗躍する天狗堂なる不振な輩や喧嘩を縄張りとする闘路とう不躾なやからなども現れており。今、学園内に不穏な空気があるのは否定することができません。ですが、それ故に今回の全校集会は必ず成功しなければいけません。我々執行部は生徒皆さんの士道、婦道に心より期待しています。以上。執行部、徳河詠美でした。ご清聴ありがとうございました。』
放送が終わると誰とはなしに食堂には拍手が起こった。もちろん目の前の新の奴も熱心に手を叩いている。
新「やっぱり詠美ちゃんはすごいなぁ」
悠「誰かさんとは大違いだな。」
新「うん、そうだね」
悠「(からかうつもりが素直に受け入れた?)変なやつ」
新「……うん」