ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【5】
ー路地ー
悠「う、ぁ……ここは……」
ここはどこだろう……?えーと、おれはなにしていたんだっけか……?
岡多「目が覚めたか」
悠「え……あ……あ、ああっ!!」
思い出した。おれはコイツから当て身を喰らって気絶させられたんだ。
シオン「お姫様はやっとお目覚めか」
悠「……シオン!?え、どうしてシオンがいるんだ……?」
シオン「どうしても何も、お姫様を助けに来てやったんだ」
悠「お姫さま……って、もしかして、おれ?」
シオン「ああ、そうだよ。さらわれるのが趣味のお姫様だ」
悠「趣味でねーし!」
反論したものの、いままでのことを思うと否定できないのが悲しい。大江戸学園にいるとおれのスタン値が激減してる気がする。
岡多「おい、おしゃべりはそこまでだ。シオン、抜け!」
あ、そういえば岡多も居たんだ。岡多は刀を抜き放って、ぎらついた目つきでシオンを睨んでいる。
悠「……っか、どうしてこんな状況になってるんだ?」
シオン「だからいっただろ。私は、この辻斬りくんに手篭めにされかけていたお前を助けに来てやったんだ」
悠「あー……なるほど」
岡多がおれを人質にしてシオンを呼びだしたということなんだろう。手篭め云々はもちろん聞き流す。
岡多「……」
悠「じゃあ、つまり……シオン。おれを助けに来てくれたんだな……」
シオン「だから何度もそういっているだろ」
悠「シオン……」
シオン「だいたい、私の誘いを断っておきながら、こんな男と一緒に一晩過ごそうなどと許せるものか」
悠「いや……真剣な顔でそんなこといわれてもだな……」
岡多「お前ら、いい加減にしろ!どいつもこいつもおれを馬鹿にしやがって!!」
うっかり和みかけていたおれたちに向けて、岡多が手にした刀を振りまわしながら真っ赤な顔でわめきだす。
悠「わっと」
岡多「俺を無視するな!俺は強いんだぞ!シオンよりも小鳥遊よりも、いちばんだっ!!油断しなきゃシオンにだって負けないし、秋月なんかに追い抜かれたりするはずもない!いまここでシオンを斬って、それを師匠に認めさせてやるんだッ!!」
吠えたくっている岡多の形相は狂犬そのものだ。岡多、おまえ……おれに追い抜かれるって、いつか稽古のときに師匠がいっていた言葉か?おまえ、あのひと言でここまで追い詰めていたのか……?
シオン「認めさせる、ねぇ……それ、本気でいっるのか?」
岡多「なんだと!?」
シオン「つまらん噂を流したり、人質を取ったりして、それで勝ったところで十兵衛がみとめるわけないだろ」
岡多「……っ」
シオン「結局お前は、とっくに負けているんだ。辻斬りでもして満足していろ、負け犬」
岡多「言わせておけば……!抜け、シオン!勝負だッ!!」
シオン「イヤだね」
岡多「貴様ぁ……小鳥遊がどうなってもいいのか!?」
シオン「別に……ああ、そうだ。ちょうどいいから、悠、おまえがこいつの相手をしてやれよ」
悠「……へ?」
シオン「おまえが、この見苦しい負け犬に始末をつけてやれ」
岡多「……いいさ、シオン。お前の見ている前でコイツを切って、その気にさせてやるよ!」
悠「え、え……ちょっと待てって……おれ、前に思いっきり負けたんだぞ」
シオン「なに、今ここでなら勝てる。問題ない」
岡多「いいから早く抜け!!」
……とても待ってくれそうな雰囲気ではなかった。どうやら、さらわれたお姫さま役から決闘相手に配役変更されるのは、とっくに決定事項らしい。『今ここでなら勝てる』……か、シオンがいってる意味をおれ解釈でいくとしよう。
悠「う、ぁ……ここは……」
ここはどこだろう……?えーと、おれはなにしていたんだっけか……?
岡多「目が覚めたか」
悠「え……あ……あ、ああっ!!」
思い出した。おれはコイツから当て身を喰らって気絶させられたんだ。
シオン「お姫様はやっとお目覚めか」
悠「……シオン!?え、どうしてシオンがいるんだ……?」
シオン「どうしても何も、お姫様を助けに来てやったんだ」
悠「お姫さま……って、もしかして、おれ?」
シオン「ああ、そうだよ。さらわれるのが趣味のお姫様だ」
悠「趣味でねーし!」
反論したものの、いままでのことを思うと否定できないのが悲しい。大江戸学園にいるとおれのスタン値が激減してる気がする。
岡多「おい、おしゃべりはそこまでだ。シオン、抜け!」
あ、そういえば岡多も居たんだ。岡多は刀を抜き放って、ぎらついた目つきでシオンを睨んでいる。
悠「……っか、どうしてこんな状況になってるんだ?」
シオン「だからいっただろ。私は、この辻斬りくんに手篭めにされかけていたお前を助けに来てやったんだ」
悠「あー……なるほど」
岡多がおれを人質にしてシオンを呼びだしたということなんだろう。手篭め云々はもちろん聞き流す。
岡多「……」
悠「じゃあ、つまり……シオン。おれを助けに来てくれたんだな……」
シオン「だから何度もそういっているだろ」
悠「シオン……」
シオン「だいたい、私の誘いを断っておきながら、こんな男と一緒に一晩過ごそうなどと許せるものか」
悠「いや……真剣な顔でそんなこといわれてもだな……」
岡多「お前ら、いい加減にしろ!どいつもこいつもおれを馬鹿にしやがって!!」
うっかり和みかけていたおれたちに向けて、岡多が手にした刀を振りまわしながら真っ赤な顔でわめきだす。
悠「わっと」
岡多「俺を無視するな!俺は強いんだぞ!シオンよりも小鳥遊よりも、いちばんだっ!!油断しなきゃシオンにだって負けないし、秋月なんかに追い抜かれたりするはずもない!いまここでシオンを斬って、それを師匠に認めさせてやるんだッ!!」
吠えたくっている岡多の形相は狂犬そのものだ。岡多、おまえ……おれに追い抜かれるって、いつか稽古のときに師匠がいっていた言葉か?おまえ、あのひと言でここまで追い詰めていたのか……?
シオン「認めさせる、ねぇ……それ、本気でいっるのか?」
岡多「なんだと!?」
シオン「つまらん噂を流したり、人質を取ったりして、それで勝ったところで十兵衛がみとめるわけないだろ」
岡多「……っ」
シオン「結局お前は、とっくに負けているんだ。辻斬りでもして満足していろ、負け犬」
岡多「言わせておけば……!抜け、シオン!勝負だッ!!」
シオン「イヤだね」
岡多「貴様ぁ……小鳥遊がどうなってもいいのか!?」
シオン「別に……ああ、そうだ。ちょうどいいから、悠、おまえがこいつの相手をしてやれよ」
悠「……へ?」
シオン「おまえが、この見苦しい負け犬に始末をつけてやれ」
岡多「……いいさ、シオン。お前の見ている前でコイツを切って、その気にさせてやるよ!」
悠「え、え……ちょっと待てって……おれ、前に思いっきり負けたんだぞ」
シオン「なに、今ここでなら勝てる。問題ない」
岡多「いいから早く抜け!!」
……とても待ってくれそうな雰囲気ではなかった。どうやら、さらわれたお姫さま役から決闘相手に配役変更されるのは、とっくに決定事項らしい。『今ここでなら勝てる』……か、シオンがいってる意味をおれ解釈でいくとしよう。