ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【5】
ー路地ー
ザシュ!!
男子生徒A「ぎゃあああぁっ!!」
辻斬り「はっ……はっ……っ……くっ……くく……ほら、どうだ。また一人……くく。ああ、そうだよ……俺の剣は遊びじゃないんだ。実戦なら、あんなやつなんて……く、くははっ。ああっはははは――ッ!!」
ー大江戸学園:道場ー
悠「くっ……っ……!」
十兵衛「どうして、小鳥遊!もう息が上がったか!?」
悠「できたら、このあたりで休憩もらいたいっすね」
十兵衛「よぉし、まだまだ余裕があるみたいだなッ!」
悠「そんなことないんだけどなぁ……」
~少年鍛練中~
十兵衛「ふむ……よし、十分休憩だ。」
悠「ふぃ~……」
なんだかんだで、おれって結構真面目だよな。鍛錬は結局サボりなし、学校もいって、店もやって、遊ぶです。よく学び、よく遊んで健康。していえば金がないのと女にもてないのだけが難ありだが。
十兵衛「その後は……そうだな、おい岡多」
岡多「はい」
師匠の声に答えたのは、おれと同じ訓練生のひとりだった。
悠「……」
岡多「なんでしょうか、師匠」
十兵衛「おまえ、もう少ししたら、小鳥遊と試合してみろ」
師匠は顎でおれを示しながら、その訓練生にそう告げた。
岡多「え……」
十兵衛「なんだ、不服か?」
岡多「いえ、そんなことは」
十兵衛「おまえの言いたいことは分かるぞ。入門して間もなく減らず口が多くサボり癖のある小鳥遊では試合にならないと思っているんだろ」
あれ、今のひと言のあいだにしっかりたっぷりの苦言が入ってた気がする。
岡多「それは……」
十兵衛「岡多、おまえはたしかに強い。だがな、私は小鳥遊ならお前とでも試合になると思ったから呼んだんだ」
岡多「……」
十兵衛「というわけだから、岡多。頼むぞ」
岡多「……分かりました」
悠「……」
岡多はおれをちらりと見てから、師匠の言葉にうなずいた。
それから十分後――休憩を終えたおれは、道場の一角で岡多と正対していた。
岡多「じゃあ、よろしくお願いします」
悠「お願いしまーす」
おれと岡多は、互いに上げた刀を合わせて一礼すると、さっと小さく飛び退いた。まずは正眼に構えて、岡多の出方を窺おう……。
岡多「でやあぁっ!!」
ひっガキンッ!
悠「おっ……と」
おれとは逆に、岡多は飛び退いた後ろ足をバネにして、いきなり飛びこんできた。反射的に身体が動き、その一撃を受け止めることが出来たものの――重い。油断してたら受けた刀を弾かれそうになるほど重い一撃だ。
岡多「おおおぉっ!!」
悠「おっとっと……」
二撃目の打ちこみもきわどく受け止められた。だが、見事なもので耐性が完全に崩れてしまって、反撃に移れずおれは後ずさりさせられる。剣を捨ててローキックで太股壊しにいけばいいんだけど、やったらマズイよなぁ。師匠見てるし。
岡多「めえぇっん!!」
悠「んがっ!!」
上段から叩きつけられた一撃が、おれの後頭部を強かに打ち据えた。
十兵衛「一本、それまで。岡多の勝ちだ」
師匠の声が、おれと岡田を試合開始の立ち位置へと戻す。その数歩の距離は、おれが一方的に押しまくられていたことを容赦なく思い知らせてくれる。
岡多「……ありがとうございました」
悠「ありがとうございました。あー痛い」
礼をした途端、思い切り打たれた頭が微かに痛んだ。
ザシュ!!
男子生徒A「ぎゃあああぁっ!!」
辻斬り「はっ……はっ……っ……くっ……くく……ほら、どうだ。また一人……くく。ああ、そうだよ……俺の剣は遊びじゃないんだ。実戦なら、あんなやつなんて……く、くははっ。ああっはははは――ッ!!」
ー大江戸学園:道場ー
悠「くっ……っ……!」
十兵衛「どうして、小鳥遊!もう息が上がったか!?」
悠「できたら、このあたりで休憩もらいたいっすね」
十兵衛「よぉし、まだまだ余裕があるみたいだなッ!」
悠「そんなことないんだけどなぁ……」
~少年鍛練中~
十兵衛「ふむ……よし、十分休憩だ。」
悠「ふぃ~……」
なんだかんだで、おれって結構真面目だよな。鍛錬は結局サボりなし、学校もいって、店もやって、遊ぶです。よく学び、よく遊んで健康。していえば金がないのと女にもてないのだけが難ありだが。
十兵衛「その後は……そうだな、おい岡多」
岡多「はい」
師匠の声に答えたのは、おれと同じ訓練生のひとりだった。
悠「……」
岡多「なんでしょうか、師匠」
十兵衛「おまえ、もう少ししたら、小鳥遊と試合してみろ」
師匠は顎でおれを示しながら、その訓練生にそう告げた。
岡多「え……」
十兵衛「なんだ、不服か?」
岡多「いえ、そんなことは」
十兵衛「おまえの言いたいことは分かるぞ。入門して間もなく減らず口が多くサボり癖のある小鳥遊では試合にならないと思っているんだろ」
あれ、今のひと言のあいだにしっかりたっぷりの苦言が入ってた気がする。
岡多「それは……」
十兵衛「岡多、おまえはたしかに強い。だがな、私は小鳥遊ならお前とでも試合になると思ったから呼んだんだ」
岡多「……」
十兵衛「というわけだから、岡多。頼むぞ」
岡多「……分かりました」
悠「……」
岡多はおれをちらりと見てから、師匠の言葉にうなずいた。
それから十分後――休憩を終えたおれは、道場の一角で岡多と正対していた。
岡多「じゃあ、よろしくお願いします」
悠「お願いしまーす」
おれと岡多は、互いに上げた刀を合わせて一礼すると、さっと小さく飛び退いた。まずは正眼に構えて、岡多の出方を窺おう……。
岡多「でやあぁっ!!」
ひっガキンッ!
悠「おっ……と」
おれとは逆に、岡多は飛び退いた後ろ足をバネにして、いきなり飛びこんできた。反射的に身体が動き、その一撃を受け止めることが出来たものの――重い。油断してたら受けた刀を弾かれそうになるほど重い一撃だ。
岡多「おおおぉっ!!」
悠「おっとっと……」
二撃目の打ちこみもきわどく受け止められた。だが、見事なもので耐性が完全に崩れてしまって、反撃に移れずおれは後ずさりさせられる。剣を捨ててローキックで太股壊しにいけばいいんだけど、やったらマズイよなぁ。師匠見てるし。
岡多「めえぇっん!!」
悠「んがっ!!」
上段から叩きつけられた一撃が、おれの後頭部を強かに打ち据えた。
十兵衛「一本、それまで。岡多の勝ちだ」
師匠の声が、おれと岡田を試合開始の立ち位置へと戻す。その数歩の距離は、おれが一方的に押しまくられていたことを容赦なく思い知らせてくれる。
岡多「……ありがとうございました」
悠「ありがとうございました。あー痛い」
礼をした途端、思い切り打たれた頭が微かに痛んだ。