ｰ新宿:茶屋小鳥遊堂ｰ

神姫「それでよく解らない理由で借りができて、いざ店をはじめたら磁石みたいにトラブルを引き寄せて、巻き込まれて、今に至ると？」

悠「あぁ、あい変わらず、お前は理解力が高いな。あ、ちょ…ごめっ…」

ﾊﾟｧﾝｯ…

神姫「お前っていわない。」

悠「っ～～。謝ろうとしただろ。」

神姫「遅いのよ」

悠「神姫の打撃速度に反応できるか！」

神姫「ふん。知らないわよ。はなっからお前なんていわなければいいのよ。」

悠「それはそうだけどよ…。(っか、店の中で殴るな。客ドン引きだろ)」

神姫「居ないじゃない」

悠「いうな…」

はな「あ、あの～…悠さ…店長がなにか粗相を？」

神姫「なんでもないわ。」

悠「あぁ、はなちゃんこっちは気にしないでくれ。」

はな「……はい。」

神姫「なに、あの娘らはバイト？」

悠「あっちのロン毛ポニテのたゆんたゆんが用心棒の新。っで、さっきの眼鏡っ娘がはなちゃん、後輩…てのが正しいかな。」

神姫「ふぅん。繁盛はしてなさそうなのにバイトはいれるのね」

悠「いちいち、痛いところをつくな…」

神姫「けど、お茶は確かにいい味ね。」

悠「お褒めにあずかり光栄です。」

神姫「光栄なのはいいんだけど…」

悠「どした？」

神姫「この娘はこれでいいわけ？」

新「むぎゅ？」

神姫「私がこれ食べ終わるまでに既に三杯は食べてるし。」

新「悠のお汁粉おいしいよね。えと……誰さん？」

神姫「……」

新「にこにこ」

神姫「……九頭竜神姫よ」

新「お～なんかすごい名前だね。私は徳が…じゃなく徳田新。よろしくね、ひめちゃん」

神姫「ひ、ひめちゃん？」

悠「ﾌﾟﾌｯ」

神姫「……」

ﾋﾟｼｯ……ドゴッ！！！

悠「ごほっ？！」

新「あり？悠～なにへたくりこけてるの？」

悠「な、なんでもねぇ…」

神姫「徳田さん、悪いけど変な呼び方はしないで。私、馴れ合いとかは嫌いなの。」

新「え～、ひめちゃんってかわいいのに」

神姫「悠、この娘なに？」

悠「本人に悪気は無いんだ…多目に見てやってくれ。」

神姫「悪気がないなら何をしてもいいって訳じゃないわよね？」

悠「それはおれに龍剄叩きこんだ人がいう台詞じゃなくね？」

神姫「笑った悠が悪いのよ。」

悠「むちゃくちゃや…」

神姫「なに？」

悠「なんでもございませんです。」

神姫「ふん。いくら？」

はな「あ、えと、900円です。」

神姫「はい。」

はな「ちょうどお預かりします。ありがとうございました」

悠「あ、神姫」

神姫「なに？」

悠「この近くに住んでるのか？」

神姫「関係あるの？」

悠「いや、近いならまた食いにこいよ。ほら、最近呼び出されてもいけないけどここに来てくれたら甘味くらいはだせるし」

神姫「……考えとくわ。」