ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【5】
ー女子寮長屋ー
往水「冗談はさておきアタシの下着、いくらなら買ってくれます?」
悠「全然冗談をさておいてねーじゃねーですかい!」
往水「一万出してくれるなら、今はいてるホカホカのヤツを提供しちゃってもいいんですけどねぇ」
悠「え……」
往水「いかがです?アタシの、脱ぎたて」
悠「…………いや、いらんから」
往水「おや。結構の間があったようにも見えましたが」
悠「気のせい気のせい」
うーむ、一万……一万か……。
吉音「悠ー」
一万……っと、吉音がこっちに駆けてくる。
悠「おーう」
吉音「お待たせ、仕掛けてきたよ……あれ、いくみんだ」
往水「ああ、新さんもご一緒でしたか。なにやら下着泥棒を探しているとか」
吉音「うん。いくみんは怪しい人、見かけなかった?」
往水「……ここに」
悠「へいっ、そこでおれに指ささないっ!!」
お約束過ぎて、溜息も出やしない。
往水「けどさっきアタシの下着を譲ろうかと提案したとき、妙に興味ありそな素振りも見せていましたねぇ」
悠「な、なんてことをっ!」
吉音「悠、それ本当!?」
悠「違う、あきらかに誤解だっ!」
往水「あっはっはっ。それではごきげんよう」
ひっかき回すだけひっかき回して、中村さんは去っていった。ほんとにもう、何なんだあの人は。
吉音「じー……」
悠「なんだ、何見てる新」
吉音「悠、ほんとにぱんつに興味あったの?」
悠「……絶対違うから。中村さんの冗談を真に受けるな!」
吉音「どうしても欲しいならあたしのあげるから、盗んじゃだめだよ?」
悠「え……」
吉音のぱんつ……
吉音「あ、悩んだ」
悠「いやいや、違う。おれじゃないおれじゃい。」
吉音「大丈夫だよ!たとえパンツが好きでも、悠は悠だから!」
どういう慰め方だ……まぁ、嫌いじゃないですけどねぱんつ。口には絶対に出さないが。
悠「……」
吉音「だからほら、元気出して」
悠「ああ、ありがとう……で、脱線してる話を元に戻すぞ」
吉音「あ、うん。悠はどんなぱんつが欲しいの?」
悠「レースのフリフリよりは、こうシンプルでシックなカラーのシマパンとか…………じゃなくて、そっちは本筋じゃないっ!!」
吉音「その割には随分と具体的……あれ?」
あれ。じゃないよ。いつまで脱線し続けるつもりだ、ほんとうにもう……
悠「はぁ……」
吉音「ねえ悠、あれ……」
悠「あれ、はもういいってば……」
吉音「そうじゃなくて、ほら」
悠「ん?」
吉音が指さした方向には。犬一匹、とことこ路地を歩いていた。……口に何か白い布をくわえて。
吉音「誰かの飼い犬かな」
悠「ああ……学園島では、ペットは完全登録制だからな。野良犬はいないはずだ」
いや、そんなことより問題は。
吉音「でさ……あの犬がくわえているのって、ひょっとして」
悠「ひょっとしなくても、たぶんそうだろ。捕まえるぞ」
吉音「あ、うん!」
と、おれ達が駆けだした、その瞬間。
犬『わふっ!?』
下着をくわえたまま、少しくぐもった声でひと吠えし、犬はそのまま走り始めた。
悠「ちっ、気づかれたか!」
吉音「コラ、待てー!」
往水「冗談はさておきアタシの下着、いくらなら買ってくれます?」
悠「全然冗談をさておいてねーじゃねーですかい!」
往水「一万出してくれるなら、今はいてるホカホカのヤツを提供しちゃってもいいんですけどねぇ」
悠「え……」
往水「いかがです?アタシの、脱ぎたて」
悠「…………いや、いらんから」
往水「おや。結構の間があったようにも見えましたが」
悠「気のせい気のせい」
うーむ、一万……一万か……。
吉音「悠ー」
一万……っと、吉音がこっちに駆けてくる。
悠「おーう」
吉音「お待たせ、仕掛けてきたよ……あれ、いくみんだ」
往水「ああ、新さんもご一緒でしたか。なにやら下着泥棒を探しているとか」
吉音「うん。いくみんは怪しい人、見かけなかった?」
往水「……ここに」
悠「へいっ、そこでおれに指ささないっ!!」
お約束過ぎて、溜息も出やしない。
往水「けどさっきアタシの下着を譲ろうかと提案したとき、妙に興味ありそな素振りも見せていましたねぇ」
悠「な、なんてことをっ!」
吉音「悠、それ本当!?」
悠「違う、あきらかに誤解だっ!」
往水「あっはっはっ。それではごきげんよう」
ひっかき回すだけひっかき回して、中村さんは去っていった。ほんとにもう、何なんだあの人は。
吉音「じー……」
悠「なんだ、何見てる新」
吉音「悠、ほんとにぱんつに興味あったの?」
悠「……絶対違うから。中村さんの冗談を真に受けるな!」
吉音「どうしても欲しいならあたしのあげるから、盗んじゃだめだよ?」
悠「え……」
吉音のぱんつ……
吉音「あ、悩んだ」
悠「いやいや、違う。おれじゃないおれじゃい。」
吉音「大丈夫だよ!たとえパンツが好きでも、悠は悠だから!」
どういう慰め方だ……まぁ、嫌いじゃないですけどねぱんつ。口には絶対に出さないが。
悠「……」
吉音「だからほら、元気出して」
悠「ああ、ありがとう……で、脱線してる話を元に戻すぞ」
吉音「あ、うん。悠はどんなぱんつが欲しいの?」
悠「レースのフリフリよりは、こうシンプルでシックなカラーのシマパンとか…………じゃなくて、そっちは本筋じゃないっ!!」
吉音「その割には随分と具体的……あれ?」
あれ。じゃないよ。いつまで脱線し続けるつもりだ、ほんとうにもう……
悠「はぁ……」
吉音「ねえ悠、あれ……」
悠「あれ、はもういいってば……」
吉音「そうじゃなくて、ほら」
悠「ん?」
吉音が指さした方向には。犬一匹、とことこ路地を歩いていた。……口に何か白い布をくわえて。
吉音「誰かの飼い犬かな」
悠「ああ……学園島では、ペットは完全登録制だからな。野良犬はいないはずだ」
いや、そんなことより問題は。
吉音「でさ……あの犬がくわえているのって、ひょっとして」
悠「ひょっとしなくても、たぶんそうだろ。捕まえるぞ」
吉音「あ、うん!」
と、おれ達が駆けだした、その瞬間。
犬『わふっ!?』
下着をくわえたまま、少しくぐもった声でひと吠えし、犬はそのまま走り始めた。
悠「ちっ、気づかれたか!」
吉音「コラ、待てー!」