ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【5】
高座屋「また破られたのかっ!?」
従業員A「お金と帳面の一部がなくなっています」
高座屋「くそぅ……なんで俺の所ばっかり!もう三回目だぞ!もう我慢ならん。直接訴えてやる!」
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
『何度も続けて泥棒に入られている。なんとかしてくれ!高座屋』
悠「これはまたストレートな訴えだな」
吉音「泥棒って、猫目かな?」
悠「いや……猫目は目立ちたがりというかなんというか、いつもそれとわかるようにしていく。この投書には特に書いてないし、別人なんじゃないかな」
吉音「んーそっか。残念。」
学園を騒がせている猫目を捕えれば、大きな賞賛をうけることが出来る。吉音の気持ちは分からなくないけど。
悠「猫目でなくても悪党は悪党だよ。捕まえて奉行所に送らないと、かなり急ぎらしい、とりうえず話しを聞きにいってみよう」
吉音「は~い。わかりましたー」
となれぱまた小鳥遊堂は休業か。もともと利益なんてほとんどないし、そっちの面では別に痛手はないんだけど……。
真留「あれ、小鳥遊さんに徳田さん。お出かけですか?」
吉音「あっ、まるるだ。わんわんっ!」
悠「いらっしゃい。もしかしてお茶でも飲みに来た?」
真留「いえ、また遠山様が消えたので、こちらではないかと探しに来たのですが」
吉音「金ちゃん?今日は見て無いねぇ」
真留「そうですか……いつもフラフラ、どこで何をしているのか、もう。お二人は、また目安箱のお願いですか?」
悠「ああ。続けて泥棒に入られて困ってるから、助けてくれって」
真留「……ふむ?どこですか?」
あれ、これって機密情報になるのかな。盗みに入られてるってお店の評判悪くなりそうだし。まぁでも、真留は朱金から十手を預けられてるくらいだし、このくらいなら良いか……。
悠「高座屋ってところだよ。ほら」
投書を手渡し、読ませてやる。すると真留の顔色が変わり、眉尻が跳ねあがった。
真留「まさかと思えば、本当に高座屋!これはどういう了見ですか!」
悠「あー?なんだ、どうしたんだ急に」
真留「これと全く同じ訴えが、北町奉行所にも届いたのです。マルチポストとはいい度胸です。高座屋は私たちを信用していないのですね!」
吉音「まるち……ぽ……ってなに?」
悠「複数の場所へ、同じ質問やお願いを送ったりすることだよ」
吉音「へぇ~。まるるは難しい言葉を知ってるんだね」
悠「難しいかどうかはともかく……北町にも高座屋から訴状が行ってるの?」
真留「はい。全く同じ内容です。これは見過ごせません。私も一緒に行かせていただきます。イヤだと言ってもダメですからね!」
悠「そういうことなら別に構わないよ。新もいいよな?」
吉音「もちろんだよ」
事件が解決されるなら、別に誰がしてもいいんだしな。
真留「ふむっ!それでは早速参りましょう!あっという間に解決してやるのですよ!」
高座屋は複数の店舗を構える大型商店。おれたちが来店するのを予期していたようで、用件を伝えるとすぐに蔵の方へ回るよう指示された。
ー高座屋ー
高座屋「やっと来てくれたのか。待ちくたびれたぞ」
悠「はぁ、すみません」
蔵の中では、店主の高座屋と数人の店員が待ち構えていた。
高座屋「何度も盗みに入られて困ってるんだ、なんとかしてくれ!」
真留「盗みに入られるのは、この蔵ですか?」
高座屋「そうだ。だがどうやってここに入ったのかがわからない。この蔵自体はデジタルで、金庫にはアナログでのロックがかけられている。どちらか一方だけでは信用できないからな」
蔵の中に鎮座している金庫には、箱型で小さな鍵穴の空いた、古めかしい錠前がかけられている。
従業員A「お金と帳面の一部がなくなっています」
高座屋「くそぅ……なんで俺の所ばっかり!もう三回目だぞ!もう我慢ならん。直接訴えてやる!」
ー新宿:茶屋小鳥遊堂ー
『何度も続けて泥棒に入られている。なんとかしてくれ!高座屋』
悠「これはまたストレートな訴えだな」
吉音「泥棒って、猫目かな?」
悠「いや……猫目は目立ちたがりというかなんというか、いつもそれとわかるようにしていく。この投書には特に書いてないし、別人なんじゃないかな」
吉音「んーそっか。残念。」
学園を騒がせている猫目を捕えれば、大きな賞賛をうけることが出来る。吉音の気持ちは分からなくないけど。
悠「猫目でなくても悪党は悪党だよ。捕まえて奉行所に送らないと、かなり急ぎらしい、とりうえず話しを聞きにいってみよう」
吉音「は~い。わかりましたー」
となれぱまた小鳥遊堂は休業か。もともと利益なんてほとんどないし、そっちの面では別に痛手はないんだけど……。
真留「あれ、小鳥遊さんに徳田さん。お出かけですか?」
吉音「あっ、まるるだ。わんわんっ!」
悠「いらっしゃい。もしかしてお茶でも飲みに来た?」
真留「いえ、また遠山様が消えたので、こちらではないかと探しに来たのですが」
吉音「金ちゃん?今日は見て無いねぇ」
真留「そうですか……いつもフラフラ、どこで何をしているのか、もう。お二人は、また目安箱のお願いですか?」
悠「ああ。続けて泥棒に入られて困ってるから、助けてくれって」
真留「……ふむ?どこですか?」
あれ、これって機密情報になるのかな。盗みに入られてるってお店の評判悪くなりそうだし。まぁでも、真留は朱金から十手を預けられてるくらいだし、このくらいなら良いか……。
悠「高座屋ってところだよ。ほら」
投書を手渡し、読ませてやる。すると真留の顔色が変わり、眉尻が跳ねあがった。
真留「まさかと思えば、本当に高座屋!これはどういう了見ですか!」
悠「あー?なんだ、どうしたんだ急に」
真留「これと全く同じ訴えが、北町奉行所にも届いたのです。マルチポストとはいい度胸です。高座屋は私たちを信用していないのですね!」
吉音「まるち……ぽ……ってなに?」
悠「複数の場所へ、同じ質問やお願いを送ったりすることだよ」
吉音「へぇ~。まるるは難しい言葉を知ってるんだね」
悠「難しいかどうかはともかく……北町にも高座屋から訴状が行ってるの?」
真留「はい。全く同じ内容です。これは見過ごせません。私も一緒に行かせていただきます。イヤだと言ってもダメですからね!」
悠「そういうことなら別に構わないよ。新もいいよな?」
吉音「もちろんだよ」
事件が解決されるなら、別に誰がしてもいいんだしな。
真留「ふむっ!それでは早速参りましょう!あっという間に解決してやるのですよ!」
高座屋は複数の店舗を構える大型商店。おれたちが来店するのを予期していたようで、用件を伝えるとすぐに蔵の方へ回るよう指示された。
ー高座屋ー
高座屋「やっと来てくれたのか。待ちくたびれたぞ」
悠「はぁ、すみません」
蔵の中では、店主の高座屋と数人の店員が待ち構えていた。
高座屋「何度も盗みに入られて困ってるんだ、なんとかしてくれ!」
真留「盗みに入られるのは、この蔵ですか?」
高座屋「そうだ。だがどうやってここに入ったのかがわからない。この蔵自体はデジタルで、金庫にはアナログでのロックがかけられている。どちらか一方だけでは信用できないからな」
蔵の中に鎮座している金庫には、箱型で小さな鍵穴の空いた、古めかしい錠前がかけられている。