ー茶屋ー小鳥遊堂はじめました【5】
ー屋敷前ー
唯「確かに、ちょっと面白かったよね。あれだけ偉そうに啖呵を切ってたのに、いざ盗みに入られたらなにもできなくて……最後には「これ以上は持っていかないでくれ」とか土下座までしちゃってさ、情けないったらありゃしない」
吉音「土下座?そんなことまでしたんだっけ?」
唯「えっ?」
吉音「盗まれたあとの瓦版て、猫目と金ちゃんの話しがほとんどで、他のことってあんま書いてなかったような……」
唯「えっと……その……」
悠「?」
なぜか慌てた様子で、唯ちゃんが言葉に詰まっている。どうしてかと思って声をかけようとしたとき、由真が横からおれの顔を覗きこんできた。
由真「そういえばアンタ、御前試合には出ないの?」
悠「なんだよ、藪から棒に、いいえ、壁から釘です」
由真「は?」
悠「いや……っで、なんだ急に?」
由真「いいじゃん、気になったんだから。せっかくの腕試しの機械なんだから出ればいいのに」
悠「腕試しするにも、試す腕を持ち合わせてないからな」
由真「自信が無いんだ?」
悠「自信も腕も無い」
由真「意気地なし」
悠「ははっ、確かにな」
由真「…………」
さらりと受け流すおれの態度が気に食わないのか、由真が不機嫌そうな顔をして睨んでくる。だからといって「じゃあ出てやるよ」という気分になるわけもなく……。返す言葉を悩んでいると、唯ちゃんが反対側からおれの顔を覗きこんできた。
唯「まっ、悠さんには悠さんの考えがあるんだろうから仕方ないよね。でも、気が変わった時はちゃんといってね。出場するときは思いっきり応援するから」
悠「ああ。その時はよろしく頼むよ」
そうそう気が変わるとは思えないが、気持ちはありがたいので礼はいっておく。
っと、そのとき耳に痛みと猛烈に嫌な気配が走った。気配がした方に顔を向けると屋敷から二人組が出てきて視線がぶつかった。
雷太郎「小鳥遊……」
風太郎「悠……」
悠「げっ…風雷コンビ何してんだ」
吉音「あっ、ふー君とらい君だ」
吉音を無視……というか、吉音、由真、唯ちゃんを避けつつおれに絡んでくる。
風太郎「相変わらず」
雷太郎「女を侍らせ」
風太郎・雷太郎「「てるのか?」」
悠「妙な言い方すんな……。みんな先に行っててくれおれコイツらとちょっと話してくから」
吉音「うん、じゃあ、唯にゃんはやく行こーー!」
唯「ちょ、新さん?!」
唯ちゃんの手を引いて吉音は猛ダッシュで行ってしまった。由真は呆れたように後を追っていく。
悠「……っで、お前らこそ何してる」
雷太郎「警」
風太郎「備」
悠「警備?この屋敷をか?」
風太郎「ここだけじゃない」
雷太郎「色んな金持ちの」
風太郎「屋敷の」
雷太郎「警備を」
風太郎&雷太郎「「している」」
流れの用心棒とでも言うのかな。でも、寅より儲けが良いのはどうやら本当らしい。
雷太郎「まぁ、そろそろ一旦すべての仕事を休むがな」
悠「なんで?」
風太郎「御前試合の準備だ。まず寅を」
雷太郎「血祭りにあげる次にお前だ」
悠「おれは出ないから数に入れなくていいぞ。」
唯「確かに、ちょっと面白かったよね。あれだけ偉そうに啖呵を切ってたのに、いざ盗みに入られたらなにもできなくて……最後には「これ以上は持っていかないでくれ」とか土下座までしちゃってさ、情けないったらありゃしない」
吉音「土下座?そんなことまでしたんだっけ?」
唯「えっ?」
吉音「盗まれたあとの瓦版て、猫目と金ちゃんの話しがほとんどで、他のことってあんま書いてなかったような……」
唯「えっと……その……」
悠「?」
なぜか慌てた様子で、唯ちゃんが言葉に詰まっている。どうしてかと思って声をかけようとしたとき、由真が横からおれの顔を覗きこんできた。
由真「そういえばアンタ、御前試合には出ないの?」
悠「なんだよ、藪から棒に、いいえ、壁から釘です」
由真「は?」
悠「いや……っで、なんだ急に?」
由真「いいじゃん、気になったんだから。せっかくの腕試しの機械なんだから出ればいいのに」
悠「腕試しするにも、試す腕を持ち合わせてないからな」
由真「自信が無いんだ?」
悠「自信も腕も無い」
由真「意気地なし」
悠「ははっ、確かにな」
由真「…………」
さらりと受け流すおれの態度が気に食わないのか、由真が不機嫌そうな顔をして睨んでくる。だからといって「じゃあ出てやるよ」という気分になるわけもなく……。返す言葉を悩んでいると、唯ちゃんが反対側からおれの顔を覗きこんできた。
唯「まっ、悠さんには悠さんの考えがあるんだろうから仕方ないよね。でも、気が変わった時はちゃんといってね。出場するときは思いっきり応援するから」
悠「ああ。その時はよろしく頼むよ」
そうそう気が変わるとは思えないが、気持ちはありがたいので礼はいっておく。
っと、そのとき耳に痛みと猛烈に嫌な気配が走った。気配がした方に顔を向けると屋敷から二人組が出てきて視線がぶつかった。
雷太郎「小鳥遊……」
風太郎「悠……」
悠「げっ…風雷コンビ何してんだ」
吉音「あっ、ふー君とらい君だ」
吉音を無視……というか、吉音、由真、唯ちゃんを避けつつおれに絡んでくる。
風太郎「相変わらず」
雷太郎「女を侍らせ」
風太郎・雷太郎「「てるのか?」」
悠「妙な言い方すんな……。みんな先に行っててくれおれコイツらとちょっと話してくから」
吉音「うん、じゃあ、唯にゃんはやく行こーー!」
唯「ちょ、新さん?!」
唯ちゃんの手を引いて吉音は猛ダッシュで行ってしまった。由真は呆れたように後を追っていく。
悠「……っで、お前らこそ何してる」
雷太郎「警」
風太郎「備」
悠「警備?この屋敷をか?」
風太郎「ここだけじゃない」
雷太郎「色んな金持ちの」
風太郎「屋敷の」
雷太郎「警備を」
風太郎&雷太郎「「している」」
流れの用心棒とでも言うのかな。でも、寅より儲けが良いのはどうやら本当らしい。
雷太郎「まぁ、そろそろ一旦すべての仕事を休むがな」
悠「なんで?」
風太郎「御前試合の準備だ。まず寅を」
雷太郎「血祭りにあげる次にお前だ」
悠「おれは出ないから数に入れなくていいぞ。」